2025龍岡米干節 4/19開幕! ~桃園忠貞新村で雲南文化体験~
文/高田雅子 写真/視野創異行銷・高田雅子 取材協力/桃園市政府観光旅遊局
2025龍岡米干節4/19開幕!
~桃園忠貞新村で雲南文化体験!~
毎年桃園市で盛大に開催される「龍岡米干節」が、2025年も忠貞新村文化園区を会場として4月19日に開幕する。4月19日と20日の「潑水節(水かけ祭り)」から始まり、4月26日と27日の「火把節(火祭り)」でクライマックスを迎えるこのフェスティバルでは、雲南、ミャンマー、タイの歌舞やゲームなどの文化体験のほか、「米干(ライスヌードル)」をはじめとした本格的な雲南グルメも満喫できる。五感で楽しめる異文化の饗宴を体験しよう!
目次
「龍岡米干節」とは
2011年から始まった「龍岡米干節」は、桃園の多様性を象徴する特別な地方のフェスティバル。雲南の水かけ祭りと火祭りのふたつの祝祭と、伝統的な食物である米干を中心に、地元の人と観光客が一体となって福を祈る国際色豊かなイベントだ。2023年には台湾観光庁により「国際的にユニークなイベント」として表彰された。

2025龍岡米干節・公式ポスター
2025龍岡米干節
公式サイト: www.ricenoodlefestival.tycg.gov.tw
Facebook: facebook.com/ricenoodlefestival
会期:2025年4月19-20日、26-27日
会場:忠貞新村文化園区 Add:桃園市平鎮區中山路70號
雲南文化公園 Add:桃園市平鎮區忠貞一街
交通:台湾鉄道中壢駅から市バス112南・112北で「忠貞」下車、徒歩5分
桃園市バス(路線・リアルタイム運行状況)
ebus.tycg.gov.tw/ebus
「忠貞新村」の由来
1949年に中国大陸で国共内戦が終結した後、「金三角(ゴールデン・トライアングル)」と呼ばれたビルマ(1989年よりミャンマー)・雲南・タイの国境地帯に取り残された特殊部隊を「雲南反共救国軍(雲南ビルマ国境地帯遊撃部隊)」という。1953年から1975年まで三度にわたって台湾に撤退した軍人とその家族の大半が移住した居住地が「忠貞新村」だ。住宅地の建物は老朽化のため2000年代に取り壊されたが、先人が伝えた文化と人情味は健在。現在の忠貞商圏は金三角地帯の郷土料理や民俗文化が特色ある観光資源となり、異国情緒が楽しめる観光スポットとして人気を集めている。
2025龍岡米干節のプログラム
潑水節
「潑水節(水かけ祭り)」はタイやミャンマーなど、東南アジアの新年を祝う重要な伝統行事。清浄な水をかけることで、過去の禍や穢れを洗い流し、新年の福を祈るという意味がある。「2025龍岡米干節」の第一週に行われる「潑水節」では、水かけ合戦のほか、雲南・タイ・ミャンマーの民族衣装を身にまとった住民のパレードやグルメ屋台、文化体験イベントが開催される。
日時:4/19(土)12:00-20:00、4/20(日)11:00-20:00
場所:忠貞新村文化園区
火把節
「火把節(火祭り)」は松明をもって歌い踊る祭り。雲南・タイ・ミャンマーの少数民族の間では、火は不吉な悪霊を焼き払い、幸運を招くと信じられている。「2025龍岡米干節」第二週に開催される「火把節」では、1日目は点火無しの儀式、2日目は松明に点火して儀式が行われる。両日ともに、第一週目の「潑水節」と同じく、パレードやグルメ屋台、文化イベントなども開催される。
日時:4/26(土)(無点火祈祷儀式)11:00-20:00、4/27(日)11:00-20:00
場所:忠貞新村文化園区
雲南打歌體驗
「打歌」は雲南の少数民族に伝わる民俗舞踏。もとは有名な軍師・諸葛亮が少数民族を集めて、陣地で火を焚いて歌い踊ることで大勢の兵士がいるように偽装し、敵軍を欺いた故事が始まりとされる。現在では、年越しや宴会など重要な行事に欠かせない催しとなっており、着飾った老若男女が集まり、三弦(三線に似た楽器)の演奏に合わせて歌いながら、四拍子のリズムに合わせて踊る。歌と踊りで客人を送り出し、再び会えることを祈念する、独特な習慣だ。
日時:4/19(土)、4/20(日)、4/26(土)、4/27(日)19:30ごろ-20:00
場所:忠貞新村文化園区
米干DIY
米が原料のライスヌードル「米干」の手作り体験は、「忠貞新村文化園区」の人気アクティビティのひとつ。浸水させた米と水を挽いた液状の「米漿」を、油を塗った丸いトレーにお玉1杯分入れて伸ばし、沸騰した湯にトレーを浮かべて加熱すると生地の出来上がり。
トレーからはがした生地をたたんで、太めに切り分けたものが「米干」だ。「龍岡米干節」では屋外に設けられた体験コーナーで米干DIYが体験できるので、ぜひ挑戦してみよう!
日時:4/19(土)4/20(日)4/26(土)4/27(日)11:00-17:00
場所:忠貞新村文化園区
グルメ屋台
「2025龍岡米干節」の期間中、雲南文化公園では龍岡エリアの名店が集まる屋台街が開催される。

米干

豌豆粉
きしめんのような幅広のライスヌードル「米干」をはじめ、細麺タイプのライスヌードル「米線」、エンドウ豆が原料の葛餅に似た「豌豆粉」、層になった生地で具材を包む中華まん風の「破酥包」など、雲南・タイ・ミャンマーの少数民族の料理が満喫できるイベントだ。米干の屋台だけでもかなりの数の出店があり、店ごとに味わいも異なるので、各店自慢の味を食べ比べてみよう!

ラードなどが練り込まれ層になった皮が独特の食感の破酥包

こしあんの破酥包

伝統的な漬物などの保存食
日時:4/19(土)4/20(日)4/26(土)4/27(日)11:00-20:00
場所:雲南文化公園
長街宴
「龍岡米干節」の期間中に開催される「長街宴」は、台湾在住の人におすすめのイベント。忠貞新村文化園区の広場に長いテーブルを並べて、大人数で雲南少数民族に伝わる「簸箕飯」を味わう野外の宴だ。「簸箕飯」は竹で編まれた籠「簸箕」にバナナの葉を敷き、その上に米飯やもち米、肉料理、野菜料理、ハーブ類などを盛り合わせた宴会料理。手でいただくことから、「手抓飯(手づかみ飯)」ともいう。
2025龍岡米干節・長街宴
開催時間:各日ともに17:30-20:00
開催場所:忠貞新村文化園区
料金:要予約、1テーブル単位(6人1組)で予約、1卓NT$3000
詳細・問い合わせは予約サイト
𝟰/𝟭𝟵 (土) www.beclass.com/rid=294fecf67da4682709be
𝟰/𝟮𝟬 (日) www.beclass.com/rid=294fed667e366d89a4a3
𝟰/𝟮𝟲 (土) www.beclass.com/rid=294fed667e367a08cf7c
※4/1から予約受付開始・席が埋まり次第販売終了
「龍岡米干節」の開催期間以外でも、忠貞商圏には通常の営業に簸箕飯(手抓飯)を提供している店もある。体験を希望する場合は事前に問い合わせてみよう。
異域Mortar&Pestle
桃園市中壢區龍德路27號
03-466-3888
11:00-21:00、水曜定休
www.mortarandpestle.tw/pages/menu
※手抓飯(4-6人前)
清真合 閃妹小廚
桃園市平鎮區中山路29號
0987-385-225
7:00-14:00
※簸箕飯は要予約(人数により調整)
会場周辺スポット&グルメ
「龍岡米干節」の会場周辺には、雲南・タイ・ミャンマーの雰囲気や独特の文化が感じられるスポットや郷土料理の名店がいっぱい! エキゾチックな街をじっくり散策しよう!
忠貞新村文化園区
「龍岡米干節」のメイン会場となる「忠貞新村文化園区」は、異国で孤軍奮闘した特殊部隊と忠貞新村の歴史・文化の継承を目的として、忠貞新村の幼稚園や教会があった土地に整備された文化公園。約1000坪の園内には、孤軍紀念広場を囲むように、資料館、文化教室、レストランなどの施設が並んでいる。園内の建物は金三角地帯の文化やモダンな壁画で彩られ、異国情緒たっぷり。展示・服飾・食など、様々な角度からから忠貞新村の歴史と文化が体感できる観光スポットだ。
03-416-1393
9:00-17:00、屋外エリアは24時間開放
入園無料
www.zz-village.com
異域故事館
「異域故事館」は「忠貞新村文化園区」の歴史資料館。モスクを模した外観のモダンな建物の外壁は、忠貞新村にあった聖徳幼稚園の外壁が利用されている。

孤軍の銃器や歴史資料を展示する「乱エリア」
館内では、「異域(外地)」で孤軍奮闘した「孤軍」の機密解除された文書や銃器をはじめ、金三角地帯で暮らす少数民族の生活用品や衣装、写真などが、現代アートやインタラクティブディスプレイなどと共に展示されており、孤軍の苦闘の歴史と忠貞新村の生活を知ることができる。忠貞商圏の散策に出かける前にぜひ参観してみよう。

金三角地帯の少数民族を紹介する「迷エリア」

台湾への撤退の記録「回エリア」

ミュージアムショップ
03-465-0736
10:00-17:00、月曜休館
入館無料(予約制・予約は下記サイトから)
tinybot.cc/gtcf
黒山銀花
「忠貞新村文化園区」内に位置する雲南・ミャンマー・タイの民族雑貨店。店内では、少数民族の伝統的な意匠を取り入れたアクセサリーやバッグ、帽子などの服飾雑貨のほか、民族衣装を販売している。

ハンドメイドの刺繍や金属細工が繊細な民族衣装
観光客向けに民族衣装のレンタルも行っており、人気を集めている。全身ひと揃えの本格的なレンタルだけでなく、帽子とベストだけの簡易版プランもあり、衣装を身に着けての外出も可能だ。

帽子とベストでプチ変身!
03-416-1393
10:00-19:00、月曜定休
民族衣装体験:男性1人NT$300、女性1人NT$400(平日は2時間・休日は1時間外出可、要身分証)
www.zz-village.com/experience-80-page73(予約)
※個人で簡易版レンタルを希望する場合は当日店舗で問合せ
癮食聖堂
2019年にオープンした「癮食聖堂」は、「忠貞新村文化園区」内に位置する古い教会をリノベーションしたレストラン。天井に穿たれた十字架から太陽の光が射しこむ様子が、安藤忠雄設計の「光の教会」を思わせると評判で、SNSの人気撮影スポットにもなっている。ミャンマー、タイ、台湾の食文化と西洋料理のエッセンスを融合させた創作料理が人で、店内ではかつての教会の写真も見学できる。
11:00-21:00
ミニマムチャージ1人NT$150
facebook.com/PoppyChurch2020
忠貞市場
雲南・タイ・ミャンマーの食文化に触れるなら、「忠貞新村文化園区」に隣接する「忠貞市場」に足を運んでみよう。

バナナの花

ミントなどのハーブ
市場には、珍しい野菜やハーブを売る青果店、米干(ライスヌードル)や破酥包(雲南版中華まん)、伝統的な漬物、総菜、菓子など、台湾の他の市場ではなかなか見られない品物が並んでいる。菓子類や保存食の漬物や調味料などは、お土産にもおすすめ。

漬物やたれなどの保存食の店

カノムチャン(タイ版ういろう)などの伝統菓子
龍岡清真寺
1950年代に雲南・タイ・ミャンマーの国境地帯から台湾に移り住んできた軍人とその家族にはイスラム教を信仰する人が多く、彼らのために1964年に創建されたのが「龍岡清真寺」だ。イスラム文化で自由を象徴する緑色のモスクは静謐な空気をまとい、街に溶け込んでいる。現在は桃園・新竹・苗栗地区のムスリムの信仰の中心となっている。

上部にイスラム教の重要なシンボル・三日月が掲げられた門
4:00-21:00
※訪問する際は袖なしの服や短パンなどは着用せず、なるべく長袖・長ズボン(スカート)を着用すること。
忠貞国旗屋
店の屋根の上に、無数の中華民国の国旗がはためく様子が街の名物になっている食堂。「米干」は、きしめんのような幅広のライスヌードルと醤油ベースのスープと合わせた汁麺。具材は卵だけ、肉入り、レバー入り、全部入りの総合が選べる。

御年85歳のオーナー張老旺さん
人気のおかず「豌豆粉」は、エンドウ豆で作った葛餅のような料理。酢醤油がかけてあり、酢の物のようにさっぱりといただける。

米干

豌豆粉
5:00-15:00、土曜・日曜5:00-19:00、木曜定休
忠貞眷村口麻辣滷味
国旗屋の向かいの「忠貞眷村口麻辣滷味」は、醤油ベースの煮汁で肉や豆腐、卵などを煮込んだ「滷味」が人気の食堂。この店独自のピリ辛の滷味は、オーナーが父親から学んだ家族の味だ。
店舗の外観や内装は昔の忠貞新村の民家をイメージしている。店内のあちこちに元軍人の住民から提供された制服をはじめ、古い看板や玩具、写真など、たくさんのレトロな文物が展示されている様子は資料館のようで、写真撮影スポットとしても人気がある。
10:30-18:30、月曜定休
八妹婆婆民族創藝過橋米線
英国スタイルのインテリアがお洒落なレストラン。「米線」は「米干」と同じくライスヌードルの1種で、細麺タイプで弾力がある。看板メニューの「過橋米線」は、熱した石鍋に注いだスープに肉と野菜を入れ、火を通してから米線を加えて完成させる。スープは豚骨ベースでまろやかな味わいで、細麺とよく合う。
10:00-14:00、17:00-20:30(土曜・日曜は休憩なし)
「龍岡米干節」は桃園市に息づく雲南&ミャンマーの文化を体験できる魅力的なイベント。水と火の祭りにふれながら、米干や珍しい郷土料理を味わって、エキゾチックな時間を満喫しよう!
ひと足のばして
龍岡米干節 忠貞商圏マップ
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