台北人の 朝ごはん
企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/陳正國・張晉瑞・視野創異行銷
台北人の朝ごはん
旅先でその土地ならではの朝ごはんを食べるのは、旅の醍醐味のひとつ。台北人が通い詰める名店で、バラエティ豊かな台北らしい朝ごはんを満喫しよう!
目次
朝ごはんの聖地・大稲埕慈聖宮
門前に小吃店がならぶ「大稲埕慈聖宮」は、廟前広場にたつガジュマルの木陰で地元の人が朝ごはんを食べる風景が名物となっている。
台北市大同區保安街49巷17號MRT大橋頭駅から徒歩8分
許仔豬腳麵線
看板メニューの「豬腳麵線」は、豚骨スープに豬腳(豚足)と素麺そっくりの細麺を合わせた汁麺。コラーゲンが溶け出して白濁したスープは濃厚だが臭みはなく、うまみたっぷり。漢方は入っておらず、細切りのショウガでさっぱりといただける。
肉は腿肉(モモ肉)も選べ、「綜合麵線」は豬腳と腿肉の両方が味わえる。肉に店特製のニンニク醤油だれと唐辛子醤油をつけるとうまみがよりひきたつ。お椀を店頭に持っていくとスープのおかわりができる。
大稲埕慈聖宮廟口6番9:00-18:00、土曜9:00-17:00、日曜定休
保安街賴記雞卷
「雞捲」という料理の名前の由来には、「鶏の首に形が似ているから」というものや、昔の人が余り物を豚の網脂で巻いて作った春巻きのような料理に台湾語の「余り物」を意味する言葉と同じ発音の「雞捲」の名がついたというものなど諸説ある。
「賴記」の「雞卷」は、大量の玉ねぎのみじん切りと豚肉を湯葉で包んで揚げて作る。パリッと香ばしい湯葉と、ジューシーな玉ネギと豚肉の甘みの組合せは、あっという間に食べ終えてしまうほどの美味しさだ。
大稲埕慈聖宮廟口8番9:00-13:00、木曜定休
葉家肉粥
豚肉入りの雑炊「肉粥」は朝ごはんの定番メニューのひとつ。干しエビと揚げネギ、芹菜がアクセントのあっさりした味わいで、サラサラとお茶漬けのように食べられる。お供には紅麹に漬けた豚バラ肉の唐揚「紅燒肉」やエビの唐揚「蝦炸」がおすすめ。
大稲埕慈聖宮廟口11番9:00-15:00
麺をつるつる
林家乾麵
植物園や博物館が軒を連ねる南海路から1本わきに入った泉州街には、食事時になると長い行列ができる。行列の先にある「林家乾麵」は、1960年の創業から長く地元住民に愛されている名店だ。
看板メニューの「乾麵」は、白い細麺にラードと白醤油をからめて青ネギを散らしただけのシンプルな麺。見た目は素朴だが味わい深く、毎日食べても飽きない美味しさだ。豚肉餡を包んだ魚のつみれスープや、店内のケースに並ぶ小皿のおかずを合わせていただこう。
台北市中正區泉州街11號6:00–14:00、16:30–19:30、土曜・日曜6:00-14:00、月曜定休
MRT中正紀念堂駅から徒歩11分
陳記腸蚵専業麵線
美味しくて安いB級グルメが集まる龍山寺周辺は、朝ごはんスポットも豊富。「陳記」は台湾風煮込みそうめんの専門店で、早朝から客足が途切れることのない人気店だ。かつお節ベースのあっさりスープは日本人も食べやすい味わい。
メニューは蚵仔(カキ)か豚の大腸入り、または両方入った「綜合麵線」、麺だけの「清麺線」が選べる。薬味はおろしニンニクとパクチー(または台湾バジル)。好みでウスターソースに似た味の黒酢や唐辛子だれを加えても美味。
台北市萬華區和平西路三段166號6:30-19:30
MRT龍山寺駅から徒歩3分
※薬味のパクチーは季節により台湾バジルに変更
陳家涼麵
キュウリの千切りを添えた麺に香ばしいごまだれをかけた「涼麵」は、専門店もあるほど人気の朝ごはん。肉団子や溶き卵入りの味噌汁と合わせるのが定番だ。
台北市松山區南京東路五段123巷29號6:00-25:30、日曜定休
MRT南京三民駅から徒歩5分
スープでほっこり
恵安四神湯
豚ホルモンとハト麦の薬膳スープ「四神湯」の専門店。当帰や甘草など33種類の漢方食材と、薏仁(ハトムギ)、淮山(ヤマイモ)、芡實(オニバスの実)、茯苓(ブクリョウ)を加えて煮込んだスープは、甘みのあるしっかりとした味わいで、酷暑の夏も寒い冬も身体にじんわりと滋養を届けてくれる。
四神湯に、豬腸(腸)、小肚(膀胱)、豬肚(胃)、肝連(ハラミ)、排骨(スペアリブ)、嫩雞柳(鶏ササミ)をプラスしたメニューも選べる。豚ホルモンの各部位を味わえる「綜合湯」はボリューム満点だ。四神湯の相棒にはゴマダレの冷やし麺「冷麵麻醬」やほのかに漢方が香る「魯肉飯」がおすすめ。
台北市萬華區內江街142號6:00-19:00、日曜定休(夏季は土曜・日曜定休)
MRT西門駅から徒歩7分
城中無名魷魚焿
看板メニューの「魷魚焿」は、プリッとしたイカつみれにかつおベースのあんかけスープがからみ、シャキシャキのモヤシの食感と台湾バジルの香りがアクセントになっている。スープ類はほかに、イカの切り身入りの「沙茶魷魚」、フィッシュチップス入りの「魚酥焿」があり、「綜合焿」なら3種類すべての具材を楽しめる。しっかり食べたい時は麺を加えて汁麺にしよう。
台北市中正區武昌街一段16巷14號8:00-18:30、日曜定休
MRT西門駅から徒歩7分
以馬内利鮮魚湯
白身魚のスープ「鮮魚湯」は、魚の養殖が盛んな台湾中南部で定番の朝ごはん。台北で本格的な鮮魚湯を味わえると評判なのが「以馬内利」だ。
小ぶりの吳郭魚(タイワンダイ)が丸ごと1尾入った鮮魚湯は、新鮮な白身魚のうまみを豚骨ベースのスープとショウガ、台湾バジルが引き立てており、食欲がない日もさっぱり食べられる。豚もも肉のスープ「赤肉湯」や豚肉・豚レバー・カキ・イカなどが入った具だくさんの汁麺「什錦湯麵」も人気。
台北市中正區杭州南路一段3號7:00-14:00、日曜定休
MRT善導寺駅から徒歩5分
※月曜日は魚市場休市のため鮮魚湯の販売無し
伝統的な朝ごはん
五湖豆漿
表通りからは分かりにくい団地の1階にある隠れ家的な朝食店。おすすめの「蛋餅夾蛋油條」は、トルティーヤに似た薄焼きパンでネギ入りの薄焼き卵と油條(揚げパン)をはさんだもの。揚げパンをはさむ前に卵焼きに醤油だれが塗られており、ひと口食べるとサクサク香ばしい揚げパンと卵焼きと薄焼きパンが口の中で最高のハーモニーを奏でる。
お腹の空き具合を見て、小ぶりの肉まん風の「小籠包」や大根餅に目玉焼きをプラスした「蘿蔔糕加蛋」と豆漿(豆乳)を合わせていただこう。
台北市中山區興安街73號5:30-11:00
MRT南京復興駅から徒歩7分
張呉記麵餅舖
窯の内側に貼り付けて高温の炭火で焼き上げる「黃橋燒餅」は、外側はパリッと香ばしく、中はもちもちの中華パン。生地の中に包まれた青ネギの風味と塩味が食欲をそそる。
小さい楕円形の「蟹殼黃」の「鹹」はネギ入りの塩味、「甜」は甘いゴマペースト入り。豆乳スープ「鹹豆漿」を合わせれば軽い朝食にぴったり。
台北市中正區杭州南路二段44-1號6:30-14:00、土曜・日曜6:30-13:00、水曜定休
MRT中正紀念堂駅から徒歩5分
劉媽媽飯糰
日本人観光客のファンも多い台湾風おにぎり「飯糰」の専門店。定番の「招牌紫米」は、細長い紫米のおにぎりの中に、煮卵、揚げパン、肉でんぶ、漬物などの具がぎっしり。もっちりしたお米とザクザクした揚げパンの食感の組合せが最高!
台北市中正區杭州南路二段88號5:10-11:30、月曜定休
MRT古亭駅から徒歩4分
台湾人の朝ごはん マップ
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