郭元益 中山店 ―モダンスタイル老舗中華菓子店―

文/高田雅子 写真/宋育玫・郭元益

郭元益

 

 

郭元益

創業150年の老舗が伝える伝統の味

清代より4代続く中華菓子の老舗ブランド「郭元益」。創業者一族郭氏の祖先は、清代の1708年に中国大陸福建省から台湾に渡ってきた。屋号の「郭元益」は、故郷・福建に残してきた一族の古い屋敷名「元益」に自らの姓「郭」を冠したもの。

台北の士林に居を構えた郭氏は、1867年に看板もないほどの小さな菓子店で「糕餅」を売り始めた。「糕餅」とは、米・麦・豆などを使った中華菓子のことで、らくがんやまんじゅう、もち菓子、蒸しパン、パイ、クッキーなどがこの中に含まれる。

何世代にもわたり伝承された匠の技が作り出す奥深い味わいが評判を呼び、郭元益のお菓子はいつの時代も人々に愛されてきた。特に慶事の縁起菓子では、結婚式の引き出物の菓子折り「喜餅」、女児の生後満一ヶ月を祝う「弥月」の贈り物などに、郭元益を指名する顧客も多い。

創業から150年。今では台湾全土に支店を構え、台湾人の生活と文化に溶け込んだブランドとなった郭元益。ひとつひとつ丁寧に作られたお菓子は、今日も人々に笑顔を届けている。

ミニ緑豆あんまんじゅう

 

 

郭元益 中山店

老舗中華菓子店がつむぐモダンスタイル

郭元益 中山店

2016年8月にリニューアルオープンした中山店は、新しい世界観で彩られた郭元益の旗艦店。店舗が位置するのは、MRT中山駅にほど近い中山北路。日本人にもおなじみリージェントホテルの目の前で、高級ブランドショップが立ち並び、若い人の最新カルチャー発信地「赤峰街」もすぐそばという、華やかなエリアだ。

中山店はインテリアデザインに、店を代表するお菓子「緑豆糕(緑豆らくがん)」と、その製造過程を取り入れ、現代的なスペースの中で郭元益150年の歴史を表現。世界の流行が集まる中山エリアに相応しいモダンスタイルを作り上げている。

床面は、かつて台湾の建築物によく見られた装飾技法「磨石子(テラゾー)」仕上げ。砕石を混ぜたセメントの表面を磨いた床に顆粒状の石が浮かび上がる様子がお菓子の原料である粉を、柔らかな曲線を描く商品棚は蒸籠(せいろ)を、天井の八角形の枠が並ぶ照明はお菓子の木型を、壁面の白いブロックはらくがん本体を表している。

インテリアデザインには「緑豆糕(緑豆らくがん)」にインスパイアされたもの

インテリアデザインは「緑豆糕(緑豆らくがん)」にインスパイアされたもの

粉を表現したテラゾー仕上げの床

粉を表現したテラゾー仕上げの床

八角形の照明はお菓子の木型

八角形の照明はお菓子の木型

蒸籠(せいろ)

蒸籠(せいろ)を模した棚

らくがんを敷き詰めたような壁

らくがんを敷き詰めたような壁

店頭には、モダンにリニューアルした商品が並ぶ。サイズを小さくしたり、新しい味や形、ポップなデザインのパッケージを取り入れたり。有名デザイナーとタイアップしたオリジナルデザインのギフトセットを企画し、同時に店頭ディスプレイも連携するなど新しい取り組みもすすめている。

現代感覚にあわせて生まれ変わった伝統中華菓子は、若い人たちからも、「古くて新しい、おしゃれなスイーツ」として、いままた改めて注目を集めている。

新感覚のらくがん

新感覚のらくがん

 

台湾らしいお土産をチェック!

海外からの観光客も多く訪れる中山店。日本人観光客の一番人気は、やはりパイナップルケーキ! そのほかにも、店内にはポップでキュートなひとくち中華菓子がいろいろ。伝統的な中華菓子を可愛くアレンジした台湾らしいテイストのクッキーやヌガーもそろう。

どの商品のパッケージも品のあるデザイン。お値段もお手ごろだから、お土産にぴったり! 贈る相手の顔を思い浮かべながらお菓子を選ぶのも楽しい。季節限定商品もお目見えするとのことなので、台湾旅行に来たときには、ぜひチェックしてみよう!

一番人気はやっぱりパイナップルケーキ!

プチサイズでキュートな中華菓子

プチサイズでキュートな中華菓子

観光局マスコットキャラのクッキー

観光局マスコットキャラクターのクッキー

 

郭元益
 www.kuos.com

中山店
台北市中山区中山北路二段34号
+886-2-2568-2136、+886-2-2568-4956
10:30-21:30
MRT中山駅より徒歩約5分

 

 

郭元益 中山店 マップ

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。