晴光商圏 懐かしい味に出会える街
企画構成/朱佳雯 文/朱佳雯‧林佳瑜‧劉宛昀 写真/宋育玫・視野創異行銷
晴光商圏は、台北市中山区の中心部に位置し、かつては駐留米軍の顧問団や日本の駐在員に人気のエリアだった。高級な舶来品を早くから扱ってきた商店も多く、羽振りの良さを感じさせる雰囲気も独特だ。おおむね、南北は農安街と民権東路、東西は林森北路から中山北路までがその範囲で、晴光意麺や紅豆餅、切仔麺、麻油鶏などの老舗が数多く並ぶ。雙城美食街は24時間営業しており、地元の人とともに多くのツーリストで賑わう。
MRT民権西路駅または中山国小駅で下車し、徒歩で各スポットへ。
目次
懐かしの味めぐり
1. 金佳阿圖麻油鶏
台湾人は食で体の調子を整える「食補」を大切にする。とりわけ北風が吹くころには、食補や薬膳の店には大勢の人が訪れる。阿圖麻油鶏には酒とごま油の香ばしさが漂い、その鶏肉は瑞々しくて柔らかい。一碗食べるだけで、すぐに体がぽかぽかしてくる。ごま油を使った料理としては、魚やカキなどもある。麺線(台湾風にゅうめん)と併せていただきたい。
台北市中山区林森北路522-2号月曜-土曜11:00-24:00、日曜11:00-21:00
2. 老牌山東水餃大王
店内は明るく清潔。小皿料理はセルフサービス。餃子は一つ一つ手作り。皮はほどよい厚さで、黄ニラと白菜、豚肉の餡はとてもジューシー。名物「山東焼鶏」は、煮る、揚げる、蒸すといった複雑な工程を経て完成する。香菜やニンニクを加えて酢やごま油を掛けていただく。
台北市中山区農安街31号11:00-20:45、日曜定休
3. 阿富海鮮粥
交差点にたつ屋台。揚げ物やカキの麺線などもあるがメインは海鮮粥。エビやカキ、魚のつみれ団子、イカ、レバー、肉や魚の切り身などが入っており、甘みのある豚骨スープとぷりぷりの米粒の取り合わせが絶妙。パリッと揚がったイカとカキ、エビの3点盛りも併せて注文しよう。
台北市中山区農安街14号(雙城美食一条街23番屋台)17:30-3:00、月曜定休
4. 一級棒燒烤
ぼんじりや腸詰、もち米ソーセージ、百頁豆腐(押し豆腐の一種)、串焼きなど屋台に並ぶ食材は多彩。台湾風のてんぷらや豆干(硬めの豆腐)、イカ、鶏もも肉、野菜類などもお薦め。好きな食材を備え付けのかごに入れて店主に渡せば、その場で調理してくれる。付けダレも、もちろん自家製だ。
台北市中山区農安街14号(雙城美食一条街5番屋台)17:00-4:00、不定休。
5. 阿宏烏骨鶏
鶏肉料理、豚肉料理、海鮮とメニューは多彩。一押しは栄養満点の烏骨鶏だ。希少種のため値段もやや高めだが、細やかな味わいに仕上げている。烏骨鶏肉の切盤(盛り合わせ)は、いぶした香りが秘訣の看板料理。スープと麺を強火でさっと合わせる海鮮炒麺もお薦めの逸品だ。
台北市中山区農安街14号(雙城美食一条街26番屋台)17:00-24:00、火曜定休
6. 晴光張媽媽切仔麺
50年の伝統を持ち、肥えた舌をも納得させる乾拌麺(和え麺)の店。ニラとモヤシを加え、甘辛ソースの甜辣醤を掛けていただく。麺は、粿條か米苔目(いずれも米から作った麺)を選ぶ。豚の血を固めた「猪血」のスープは、ザーサイとニラ、細切りのショウガと一緒に味わう。乾拌麺との相性が抜群だ。
台北市中山区雙城街12巷15号11:00-19:30、日曜定休
7. 晴光紅豆餅
手ごろな値段と素材の良さが売り。1個10元(約35円)の紅豆餅は今川焼きに似ており、手のひらほどの大きさ。小豆の繊細な甘さと歯ざわりのよい薄皮の取り合わせが絶妙。カスタード味も、もちろんお薦め。晴光市場に来たら、ぜひチャレンジしたいスイーツの一つだ。
台北市中山区雙城街12巷16之1号11:30-21:00
8. 阿香三明治
雙城街の路地でひっそりと商売を始めて30年。老夫婦が営むこの店のサンドイッチは、ハムと肉鬆(肉でんぶ)の2種類。3枚のトーストにそれぞれピーナッツバターとマーガリン、マヨネーズを塗り、そのうえに出来たてのスクランブルエッグを載せ、ハムか肉鬆を重ねる。キュウリとトマトを挟んであるので、口当たりもさっぱり。シンプルな中に伝統の味が生きている。
台北市中山区雙城街10巷7:00-13:00、日曜定休
9. 黄記滷肉飯
食事時になると、晴光公園の近くは人波が絶えない。看板メニューの滷肉飯(ルーローハン)がうまそうな香りを漂わせる。豚肉をよく煮込んだたれはゼラチン質を豊富に含み、熱々の白いご飯との相性は抜群。控肉(豚の角煮)もお薦めだ。脂身と赤身のバランスが絶妙で、醤油の濃厚な味わいと氷砂糖の甘みが食通に人気だ。
台北市中山区中山北路二段183巷28号11:30-21:30
10. 張家一品香滷味
滷味(ルーウェイ)という煮物の屋台。具材は自由に選ぶことができ、値段も具材ごとに表示されている。もち米を豚の血でを固めた猪血糕、百頁豆腐(押し豆腐の一種)、コンブ、豆干(硬めの豆腐)、鹽水雞(酒や塩で煮込んだ鶏)、手羽先などの具材を選んだら、その場調理してもらえる。白菜の漬物やトウガラシはお好みで。
台北市中山区雙城街12巷9-1号10:00-20:00
11. 晴光意麺
台北市内に数多くの店舗を持つチェーン店。その起源にあたる屋台が晴光市場にある。麺類とあんかけ麺、スープの店。「意麺」は保存性の高い、やや太めの麺。汁なしの意麺が看板商品で、歯ごたえのある意麺の上で、家伝の肉燥(肉そぼろ)が豊かな香りを放つ。長年変わらぬ味が常連たちを引き付けている。
台北市中山区農安街2巷18号(晴光市場9番屋台)10:00-19:30
12. 晴光米粉湯
すっきりとした豚骨スープに、太めの米粉(ビーフン)や干しエビ、赤ネギ、キンサイ(スープセロリ)がよく合い、豊かな風味を醸し出す。嘴辺肉(豚の口の周りの肉)やチャーシュー、レバーなど小皿料理も要チェック。滷肉飯や野菜類は控えめな量で価格もリーズナブルなため、いろいろなメニューを試したい。
台北市中山区農安街2巷(晴光市場127番屋台)8:00-20:00
13. 晴贊豆花
遺伝子組み換え大豆は不使用。豆花はとろりとしたきめの細かい口当たり、豆乳はしっかりとした豆の香りが人気だ。評判の豆乳豆花は、お好みで落花生や小豆、ハトムギの実、タピオカパール、イモ団子などを加えて楽しみたい。杏仁茶や黒糖のかき氷のほか、冬場には台湾風のお汁粉やピーナッツスープもお薦め。
台北市中山区農安街2巷4号(晴光市場131番屋台)10:00-20:00、日曜定休
14. 雙妹嘜養生甜品
オーナーは香港出身のトレーシー。故郷では日常的なスイーツを1999年から台湾で出している。香港では粉ミルクと卵白でつくるが、トレーシーのムースは新鮮な牛乳を使い、さらに氷砂糖を加えて煮詰める。紫米のムースや、夏季のマンゴー、冬季のイチゴなど季節限定メニューもある。
台北市中山区農安街2巷18之20、23号月曜-土曜11:00-21:00、日曜12:00-21:00
https://www.facebook.com/twins.healthy.dessert/
15. 福利麺包
1949年創業のベーカリー。外はさくさく、中はふわふわというガーリックトーストが、固いフランスパンのイメージを覆した。焼き上がったフランスパンは窯出ししてから横に切り、みじん切りのニンニクと自家製のガーリックバターを塗る。窯出しは1日に3-5回だが、香りに誘われて大勢の客がやってくるため売切必至。午後7、8時には完売する。
台北市中山区中山北路三段23-5号6:30-23:00
http://www.bread.com.tw
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