桃園 復興・大渓 とっておきの山旅へ!

企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/季子弘・張立宇・桃園市政府

桃園 復興・大渓 とっておきの山旅へ!

 

桃園 復興・大渓 

とっておきの山旅へ!

台湾北部の桃園市は、桃園国際空港を擁する台湾の空の玄関口。市の北側は工業が発展した平野部となっているが、南側のほぼ半分は山岳部となっており、豊かな自然が広がっている。今回旅するのは、桃園市最南部の山岳部に位置する復興(フーシン)とその玄関口にあたる大渓(ダーシー)。壮麗な山の絶景や滋味あふれる山の幸を満喫する「山旅」にでかけよう。

桃園

おすすめコース
1日目:台湾鉄道中壢駅→石門水庫→蝙蝠洞→小烏来
2日目:小烏来→角板山→大渓→台湾鉄道桃園駅

 

 

復興

自然豊かなタイヤル族の里

日本時代に「角板山」と呼ばれていた桃園市南部の復興区は、桃園市総面積の三分の一を占める桃園でもっとも面積の広い行政区。ほぼ全域が山岳部で、住民の多くが台湾原住民族「泰雅族(タイヤル族)」の山里だ。

桃園 蝙蝠洞

蝙蝠洞

1. 休日のみ台湾好行バス小烏来線が台湾鉄道桃園駅から大渓、角板山経由で小烏来まで運行
2. 平日はバスの本数が非常に少ないため、チャータータクシー利用がおすすめ

 

 

小烏来風景特定区

山紫水明の地を歩く 

1981年に成立した「小烏来風景特定区」の正門をくぐると、最初に到着するのが「小烏来瀑布」の全景を見渡すことができる展望台「寰宇平台」だ。ここから道路を下り宇内渓沿いの「水岸緑廊歩道」を進むと、有名なスカイウォーク「天空歩道」に到着する。強化ガラスを使用した天空歩道は高さ70m。小烏来瀑布の真上の崖から11m突き出すように建設されており、足元の透明なガラスを通して滝や渓谷の絶景を身近に楽しめる。まるで空に浮かんでいるような特別な感覚を体験しよう。

桃園 天空歩道

天空歩道

桃園 天空歩道から見た小烏来瀑布上部

天空歩道から見た小烏来瀑布上部

桃園 寰宇平台から見た小烏来瀑布全景

寰宇平台から見た小烏来瀑布全景

天空歩道を見学したら、「水岸緑廊歩道」に沿って「天空縄橋」へ。天空縄橋は全長70m、高さ50mあり、台湾最長の縄橋のひとつと言われている。幅が1mほどしかなく、特殊な構造で空中に浮かんでいるように見えるうえ、歩くと揺れるのでスリル満点。

桃園 天空縄橋

天空縄橋

桃園 水圳古道

水圳古道

天空縄橋から「水圳古道」を抜けて、続く「和平吊橋」を渡ると「龍鳳瀑布」に面した見晴台に到着する。龍鳳瀑布は上層が高さ約13mの「龍谷瀑布」、下層が高さ約9mの「鳳谷瀑布」の二層に分かれており、翡翠色の清流と樹々のコントラストが美しい滝だ。

桃園 和平吊橋

和平吊橋

桃園 和平吊橋

和平吊橋

桃園 龍鳳瀑布

龍鳳瀑布

天空歩道前に戻ったら、売店で名物の桃のスムージー「水蜜桃冰沙」や、香ばしいアワ餅「小米麻糬」をいただいて休憩しよう。

売店では地元の軽食や農産物を販売している

売店では地元の軽食や農産物を販売している

水蜜桃冰沙

水蜜桃冰沙

小米麻糬

小米麻糬

小来烏風景特定区
桃園市復興区義盛里下宇内1鄰4-6号
+886-3-382-1835
8:00–12:00、13:00–17:00、火曜休園
天空歩道(天空縄橋込)NT$50
※チケット購入方法
1.ネット申請:参観希望日の30日から2日まえまでに、公式サイトで日時を選択し入園チケット購入申請後、参観当日身分証を提示してチケットを購入。
skywalk.tycg.gov.tw/Page/Index.aspx (中国語)
2.当日申請:各時間帯のネット申請人数が制限人数に達していない場合、当日申請が可能(要身分証)。

小烏来MAP

1. 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「小烏来」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)
2. 平日はバスの本数が非常に少ないため、チャータータクシー利用がおすすめ

 

 

小烏来の民宿

小烏来山荘

タイヤル族の呂さん一家が1971年から営む民宿。小烏来風景特定区内に位置しており、民宿の目の前が天空歩道へ続く遊歩道の入口。天空歩道までは徒歩5分ほどという、「小烏来天空歩道に一番近い民宿」だ。ロビーにはタイヤル族の木彫がかけられ雰囲気たっぷり。

桃園 小烏来山荘

小烏来山荘

小烏来山荘

客室は小烏来風景特区に面しており、バルコニーから緑あふれる小烏来の風景が一望できる。鳥のさえずりや足元を流れる宇内渓のせせらぎの音を聞きながら、ゆったり山の空気を感じよう。天気が良い日の夜間には、外に出て空に輝く満天の星を眺めるのもおすすめ。冬は冷え込むこともあるが、客室のベッドにはホットカーペットが敷いてあるので、寒い日も温かく休むことができる。小烏来で滞在するのに最適の宿だ。

小烏来山荘

小烏来山荘

小烏来山荘

桃園市復興区義盛村1鄰下宇内3-2号
+886-3-382-2877
www.facebook.com/1971xanadu/

 

 

三民蝙蝠洞

せせらぎが響く神秘的な洞窟

三民蝙蝠洞

復興区北部、新北市との境近くに位置する天然の洞窟。駐車場から始まる全長約600mの遊歩道を上っていくと、徒歩20分ほどで洞窟に到着する。渓谷に面して半円形を描いている洞窟は、入口の高さ約20m、幅約50m、奥行き約20m。「蝙蝠洞」の名の通り、かつては莫大な数のコウモリが生息していたという。

三民蝙蝠洞三民蝙蝠洞

洞窟と豊かな緑が影を作り、渓谷は夏も涼しく爽やか。せせらぎの音が心地よく、渓流の透明な水の中に魚がたくさん泳いでいるのが見える。神々しい空気が漂う空間でマイナスイオンをたっぷり浴び、みずみずしいパワーを心身にチャージしよう。

三民蝙蝠洞

桃園市復興区三民里東側五寮渓渓谷内

1. 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線(土曜・日曜・祝日のみ運行)で「大渓老街」下車、大渓バスターミナルで桃園客運バス5107に乗り換え「蝙蝠洞」下車
2. 平日はバスの本数が非常に少ないため、チャータータクシー利用がおすすめ

 

 

角板山

台地の絶景を楽しむ

復興区の角板山は海抜639m。眼下には大きく湾曲して流れる大漢渓と、対岸の渓口台地の美しい風景が広がる「台湾廬山」と呼ばれてきた景勝地だ。

新渓口吊橋

新渓口吊橋

角板山MAP

1. 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「角板山」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)、徒歩または車で各スポットへ
2. 平日はバスの本数が非常に少ないため、チャーター利用がおすすめ

 

新渓口吊橋

角板山と大漢渓を挟んだ渓口台地を結ぶ優美な吊橋。40年以上の歴史がある吊橋を新しく架け替え、2018年1月に現在の「新渓谷吊橋」が開通した。吊橋の全長は303mと2020年1月現在台湾最長の吊橋で、角板山公園と対岸の渓口部落から相互通行できる。遠くまで連なる山々と大漢渓が織りなす渓谷美、美しい橋の造形から、SNS映えする写真撮影スポットとして人気を呼んでいる。

新渓口吊橋

新渓口吊橋

新渓口吊橋

角板側入口:桃園市復興区澤仁里中山路8号(角板山公園内歩道を経由)
渓口側入口:桃園市復興区澤仁里(渓口部落市集広場内)
8:00-16:00、火曜休園
1人NT$50
※2020年2月3日から4月30日まで工事のため休園。
※公共交通機関利用の場合は角板側入口利用となる。券売機は角板山公園から新渓口吊橋上歩道(全長256m・階段314段)を下った地点に設置されており、吊橋本体はさらに下方の新渓口吊橋下歩道(全長545m・階段736段)の下に位置するため、訪問時は体調に注意しよう。チャータータクシー利用の場合は、ほぼ段差のない渓口側入口利用が便利。

 

角板山風景区

「角板山風景区」の敷地面積は6ha。園内の日本家屋「樟脳收納所」は台湾で唯一現存する日本時代の「樟脳庁舍」。蒋介石元総統の別荘「角板山行館」わきには、1963年に戦時の避難と作戦司令を発するために作られた「戦備隧道」が残っている。地下20m、全長100mのトンネル壁面には3Dアートで当時の軍隊の様子が描かれており、タイムトリップ気分で写真撮影が楽しめる。

樟脳收納所

樟脳收納所

戦備隧道

戦備隧道

戦備隧道

戦備隧道

角板山風景区
桃園市復興区澤仁村中正路133-1号
8:00-17:00、火曜休園
入園無料

 

老店家小吃

客家人のオーナーと台湾原住民タイヤル族の夫人が切り盛りする食堂。おすすめは、タイヤル族の郷土料理。イノシシ肉の炒め物「炒山猪肉」、台湾原住民族が好んで使うスパイス「馬告」が香る「馬告香油鶏」、山菜のオオタニワタリを炒めた「炒山蘇」など、山の幸が堪能できるメニューがそろっている。

老店家小吃

老店家小吃

老店家小吃

桃園市復興区中正路7号
+886-3-382-1988
11:00-16:00、火曜定休
www.facebook.com/pg/umb5837v/

 

森隣水岸景観咖啡館

角板山公園の下方、海抜350m地点に位置する山小屋風カフェ。正面には壮麗な山々に囲まれた大漢渓と新渓口吊橋を俯瞰できる180度のパノラマビューが広がっており、絶景を眺めながらのティータイムが楽しめる。ドリンクのほか、食事や軽食メニューも充実している。

森隣水岸景観咖啡館

森隣水岸景観咖啡館
森隣水岸景観咖啡館

森隣水岸景観咖啡館

桃園市復興区澤仁里一鄰6号
+886-3-382-2108
10:00-20:00
ミニマムチャージ:1人ドリンク1杯または料理1品
www.facebook.com/loveforesthouse
 角板山公園から車で6分

 

 

大渓

きらめく山と水辺の風景

大渓区は桃園市南部の山岳部への入口にあたる。区内の大漢渓はかつて復興区で産出された木材を運搬する水運が盛んだったが、現在は台湾最大のダム「石門水庫」が人気の観光スポットとなっている。

桃園 湳仔溝歩道

湳仔溝歩道

石門MAP

1. 石門水庫方面:休日のみ台湾好行バス石門水庫線が台湾鉄道中壢駅から石門水庫まで運行
2. 大渓方面  :休日のみ台湾好行バス小烏来線が台湾鉄道桃園駅から大渓まで運行
3. 平日はバスの本数が非常に少ないため、チャータータクシー利用がおすすめ

 

 

石門水庫風景区

台湾最大のダムに遊ぶ

1964年に竣工した「石門水庫」は、大漢渓の中流に位置する。堤高133m、堤頂長360mという台湾最大のダムだ。嵩台やダム展望台からはダム全体が俯瞰できる。とくに雨季のダム放水が人気で、壮観な光景を見るために多くの観光客が訪れる。ダム湖を囲む山々は、冬の梅や春の桜、秋の紅葉など、四季折々の風景で彩られ、風光明媚な景勝地としても人気がある。敷地内には数多くの公園やサイクリングロード、遊歩道、ダム湖の埠頭などが整備されており、サイクリング・ウォーキング・遊覧船クルーズなど、水陸のアクティビティが楽しめる。

嵩台から見るとダムの高低差がよくわかる(写真/桃園観光導覧網)桃園

嵩台から見るとダムの高低差がよくわかる(写真/桃園観光導覧網)

桃園 ダム放水施設

ダム放水施設

大壩埠頭

大壩埠頭

ダム周辺には土産物店や活魚料理店が並ぶ

ダム周辺には土産物店や活魚料理店が並ぶ

依山閣旅行サービスセンター
桃園市龍潭郷34号

環翠樓サービスカウンター
桃園市大渓区復興里環湖路一段68号1階

11月-4月:8:00-17:00、土曜・日曜・祝日8:00-18:00
5月-10月:8:00-18:00
大型車:300元、小型車:80元、バイク:30元
https://shihmen.wranb.gov.tw/
 台湾鉄道中壢駅から台湾好行バス石門水庫線で「石門(壩頂)」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)

 

 

山の恵みを味わう

東湖餐庁

石門水庫必食グルメといえば、ダムが育む大頭鰱(コクレン)などの淡水魚を使った活魚料理。これを目当てにダム周辺の活魚料理店を訪れる観光客も多い。阿姆坪埠頭そばの「東湖餐庁」では、湖を眺めながら食事が楽しめる。少人数なら、コクレンの切り身を使った料理がおすすめ。蒸してニンニク風味の醤油だれをかけた「蒜泥鮮魚」や、揚げて醤油だれで煮込んだ「紅焼鮮魚」などが定番メニューだ。

左奥:蒜泥鮮魚、右奥:紅焼鮮魚

奥:蒜泥鮮魚、手前:紅焼鮮魚

桃園 阿姆坪遊艇埠頭

阿姆坪遊艇埠頭

阿姆坪遊艇埠頭
桃園市大渓区復興里15鄰環湖路二段600巷8号
+886-3-388-4788
10:00-18:00、木曜定休
 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「阿姆坪埠頭」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)

 

語茶山舎

オーナーの胡木藜さんは2011年に米サウスウェスタン大学「PhD Botany(植物学)」名誉博士号を授与されている茶人

オーナーの胡木藜さんは2011年に米サウスウェスタン大学「PhD Botany(植物学)」名誉博士号を授与されている茶人

大渓の山中にひっそり佇む茶葉店。看板商品は、日月潭紅茶として知られる紅茶「台茶18号(紅玉)」。日本時代の1930年代に日本人農業技師がビルマ(現在のミャンマー)から台湾に持ち帰ったアッサム種の茶樹と、台湾に自生する野生茶樹を掛け合わせ、50年あまりの品種改良を経て世に出た品種だ。「語茶山舎」は台湾中部南投県の紅茶名産地「魚池」に自社茶園を持ち、無農薬の自然栽培で茶葉を生産している。自社ブランド名「珍藏紅玉」を冠する紅茶は、美しいルビー色の水色で、口に含むと華やかな香りが広がる。渋みは一切なく、のどを気持ちよく潤してくれる逸品だ。

桃園 語茶山舎
桃園 語茶山舎
桃園 語茶山舎
桃園 語茶山舎
桃園市大渓区承恩路118巷15号(客家麺店わきの路地内)
+886-922-746-694
10:00-22:00(試飲エリア利用は予約制)
www.facebook.com/teaholic2019
 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「旧百吉隧道」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)、旧百吉隧道出口から徒歩約6分

 

 

石門水庫周辺スポット

旧百吉隧道

日本時代の1944年に日本人が建設したトンネルで、総延長は約343m、幅4.5m。当時ここは桃園市中心部から大渓を経て山地の角板山や小烏来へ向かう際に必ず通らなければならない交通の要衝だった。車両が単方向でしか通行できず公道としては不便だったが、1993年に隣に双方向通行可能な「新百吉隧道」が完成。「旧百吉隧道」は2007年に観光遊歩道として生まれ変わった。トンネル内には日本時代に軽便鉄道として活躍した手押しトロッコを設置し、当時の旅客輸送や農産物運搬の様子を再現している。

桃園 旧百吉隧道

桃園 旧百吉隧道

車夫が手で押していた「台車」と呼ばれるトロッコ

車夫が手で押していたトロッコ「台車」

桃園市大渓区北横公路
 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「旧百吉隧道」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)

 

湳仔溝歩道

旧百吉隧道そばの湳子溝渓沿いの遊歩道。沿道には、視界が開けた川岸、田畑に囲まれた古民家、静かな竹林、渓流の吊橋などが続いており、変化に富んだ風景を楽しむことができる。旧百吉隧道とあわせてのプチハイキングがおすすめ。

桃園 八号橋

八号橋

桃園 途中には竹林も

途中には竹林も

桃園 泉源橋

泉源橋

桃園市大渓区(旧百吉隧道出口そば)
 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「旧百吉隧道」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)
※旧百吉隧道から吊橋までは徒歩約30分

 

大渓老茶廠

桃園 大渓老茶廠

「大渓老茶廠」の前身は、1899年に日本三井合名会社が開拓した茶園。1956年の火災で旧工場は消失したが、その後再建。2010年からは全面的に改修が進められ、現在はモダンなインテリアの観光工場となっている。生産量は減少したものの、現在も無農薬栽培の茶葉を使用した製茶を続けており、日本統治時代から70年以上の歴史をもつ揉捻機が現役で活躍している。

展示コーナー

展示コーナー

展示コーナー

展示コーナー

ギフトコーナー

ギフトコーナー

1階では製茶機器・文物・歴史資料を展示しており、ギフトコーナーでは茶葉の販売を行っている。2階は茶葉の水分を取り除く萎凋(いちょう)が行われていた部屋で、風通しを良くするために設置された数多くの窓や巨大な換気扇が、製茶が盛んだったころの様子を伝えている。見学後はぜひ、併設のティールーム「茶書屋」で香り高い台湾茶を味わいたい。

萎凋室

萎凋室

台湾茶

台湾茶

茶書屋

茶書屋

桃園市大渓区新峰里1鄰復興路二段732巷80号
+886-3-382-089
10:00-17:00、土曜・日曜・祝日10:00-17:30、茶書屋ラストオーダー16:30
入館:1人NT$100(館内での商品購入・飲食時に割引券として利用可)、茶書屋ミニマムチャージ:1人NT$200
Web:www.daxitea.com/tw
 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線で「大渓老茶廠」下車(土曜・日曜・祝日のみ運行)

 

 

一足のばして

大渓老街

水運で栄えた古い街並みを歩く

復興区から大渓区の山地を旅した際に足をのばしてみたいのが、昔ながらの面影が残る商店街「大渓老街」だ。清代から水運で栄えた街で、中心部の和平路・中山路・中央路にはバロック様式と中国福建様式が融合した独特のアーケードでつながれた建物が続く。

清朝に建てられた中山路の商家

清朝に建てられた中山路の商家

近接する日本時代の行政の中心地だった普済路には警察官舎・武徳殿などの建築が残り、街並み全体が「大渓木工芸生態博物館」として利用されている。街を歩けば、大渓で暮らした往時の人々の暮らしぶりを垣間見ることができるだろう。

大渓木芸生態博物館

大渓木芸生態博物館

教員官舎跡の日本家屋

教員官舎跡の日本家屋

大渓老街
桃園市大渓区和平路・中山路・中央路

大渓木芸生態博物館
桃園市大渓区普済路11号2F(管理事務所)
+886-3-388-8600
9:30-17:00、月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)
https://wem.tycg.gov.tw

 

日本時代の面影を訪ねる

大漢渓沿いに広がる「大渓中正公園」は日本時代に大渓で初めて建設された公園で、日本時代をしのばせる遺構が多く残っている。例えば、石燈籠が並ぶ場所はかつての大渓神社跡。拝殿や本殿などの建物本体は戦後撤去されたが、基礎や狛犬が現存。近年の修復では参道跡に石燈籠も設置され、神社の面影を伝えている。また、相撲場があった「円形広場」には檜無垢材で作られた唐風東屋「大渓相撲場」が設置され、日本の風情と大渓の木工芸文化が感じられるスポットとなっている。

大渓神社跡(写真/桃園観光導覧網)

大渓神社跡(写真/桃園観光導覧網)

大渓相撲場(写真/桃園観光導覧網)

大渓相撲場(写真/桃園観光導覧網)

大渓中正公園
桃園市大渓区普済路

大渓老街MAP

1. 高速鉄道桃園駅から台湾好行バス大渓快線で「大渓」下車、徒歩で各スポットへ
2. 台湾鉄道桃園駅から台湾好行バス小烏来線(土曜・日曜・祝日のみ運行)で「大渓老街」下車、徒歩で各スポットへ
3. 台北MRT永寧駅から桃710バスで「大渓老街」下車、徒歩で各スポットへ

 

 

こちらもおすすめ

大渓 水運で栄えた街の新しい歩み

大渓 水運で栄えた街の新しい歩み

 

 

桃園 復興・大渓 マップ

 

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。