台湾ランタンフェスティバル in 台北
企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/張晉瑞・陳正國・宋育玫
台湾ランタンフェスティバル in 台北
第34回を迎える2023年の台湾ランタンフェスティバルの会場は台北。23年ぶりに台北へ戻ってきた今回のテーマは「光源台北 LIGHT UP THE FUTURE」。メインとなる会場は東区から信義区にかけてのエリア。このほか、松山・信義・大安・中山・中正・大同・萬華・文山・南港・内湖・士林・北投の12の行政区に会場が設けられ、台北の街全体が華やかなランタンの灯で彩られる。昼間の観光と組み合わせて、台北の街を遊びつくそう!
会場は「未来展区」「中央展区」「光展区」「源展区」の4大展区。総面積168haにおよぶ広大な敷地にメインランタン1台とサブランタン6台をはじめ300点以上の作品を展示する。メインランタンが置かれるのは国父紀念館の「中央展区」。クラシックなメインランタンに3台のサブランタンと多彩なテーマのランタンエリアを配置し、伝統的なランタンアートと現代技術を駆使した光のアートでランタンフェスティバルを盛り上げる。
2023台湾ランタンフェスティバル
公式サイト:tw-light.taipei
会場:信義商圈、国父紀念館、松山文創園区、東区商圈など
会期:2023年2月5日~2月19日(2月1日~4日はプレオープン)
時間:イベント開催は月曜-木曜14:00-22:00、金曜-日曜10:00-22:00を予定
各会場のランタン点灯は17:00-20:00を予定
交通:MRT各駅から徒歩で各スポットへ
目次
メイン会場
今回のランタンフェスティバルのメインエリアは台北市東部の4会場。信義商圏・台北101・四四南村などが集まる繁華街に展開する「未来展区」、国父紀念館の「中央展区」、東区商圈を会場にした「光展区」、文化施設の松山文創園区と台北ドームの台北文化体育園区からなる「源展区」だ。それぞれの会場へは徒歩で移動できる。いつもより華やいだ街の雰囲気を満喫しよう。
未来展区
台北101
高さ508m・地上101階の「台北101」は台湾最高層のビル。街中からその姿を目にすることができる台北のランドマークとして親しまれている。地下1階から地上6階まではショッピングモール、85階と86階は高層階レストラン、88階から101階が展望台となっており、高さ382m・地上89階の屋内展望台までは5階の受付階から高速エレベーターに乗ってわずか37秒で到着できる。さらに高さ390mの 91階には屋外展望台も。また高さ448m・101階の特別フロア「SKYLINE460」の屋外デッキでは、安全器具を身に着けてスリリングな空中散歩が体験できる。それぞれの展望台から見下ろす台北の大パノラマの眺望は圧巻!
台北市信義區市府路45號02-8101-8800
11:00-19:00、土曜・日曜・祝日10:00-19:00
一般(88F、89F、91F):NT$600、SKYLINE460(88F、89F、91F、101F):NT$3000
www.taipei-101.com.tw/ja
MRT台北101/世貿駅下車すぐ
信義商圈
MRT台北101/世貿駅からMRT市政府駅の間に広がる繁華街。台北101をはじめとした十数軒のデパート、映画館、レストラン、高級ホテルが立ち並び、台北のトレンドの発信地となっている。休日にはイベントが行われることが多く、パフォーマーやバンドによる大道芸やライブなどの路上パフォーマンスを見ることもできる。また台北国際会議中心や台北世界貿易中心など世界貿易と商業の重要な施設も密集していることから、「台北のマンハッタン」とも呼ばれている。
台北市信義區MRT台北101/世貿駅、MRT市政府駅下車すぐ
四四南村
建物の前身は、第二次大戦後に中国大陸から台湾に渡ってきた軍人とその家族ために、旧日本軍の倉庫を改造して整備された「眷村」と呼ばれる軍人村。現存する4棟がリノベーションを経て、当時の暮らしを紹介する「眷村展示館」やギャラリー、ショップ、カフェなどに再利用されている。中央の広場では休日に屋外マーケットなどのイベントが開催されることも。レトロな民家の建物とモダンな台北101が一度に撮影できる人気撮影スポットだ。
台北市信義區松勤街50號、52號、54號、56號9:00-17:00、月曜・祝日休館
無料
MRT台北101/世貿駅から徒歩4分
幾米公車
台湾の著名絵本作家の幾米(ジミー)とコラボレーションしたアートバス。幾米の絵本『月亮忘記了(お月さま忘れちゃった)』の世界を表現したバスのなかには、熊の運転手、魔法の本、地球を抱いた男の子などのオブジェが置かれ、可愛い遊び心でいっぱい。夜間にはバスの上の子供が掲げる月が明るく輝き、より幻想的な世界が浮かび上がる。
台北市信義區信義路五段100號9:00-21:00、月曜定休
入場無料
MRT台北101/世貿駅から徒歩3分
中央展区
国父紀念館
「中華民国の国父」と呼ばれる革命家・孫文の業績を称えるため建設された記念館。入口正面の大ホールに鎮座する高さ8.9mの孫文の銅像前で毎時0分に行われる衛兵交代式でも有名な観光スポットだ。中国寺院風建築の館内にある東西の展覧室では、建国宣言書などの資料や著作、遺品など、孫文の足跡を辿る文物を見学できる。広大な敷地内には四季の花々が咲く庭園と美しい人工湖もあり、散策や運動を楽しむ市民の憩いの場となっている。
台北市信區仁愛路四段505號02-2758-8008
9:00-18:00、旧暦大晦日・旧暦元旦・メンテナンス日休館
無料(一部展覧会・公演は有料)
www.yatsen.gov.tw
MRT国父紀念館駅下車すぐ
光復市場
台北101からわずか徒歩10分あまりの伝統市場。設備は近代化されており、清潔な環境で肉や野菜などの生鮮食品が販売されている。市場の周囲にも生鮮食品や雑貨を売る店が集まっており、午前中を中心に買い出しに訪れる地元の人たちでにぎわう。
市場前の路地には、小麦粉の皮で豆腐・キャベツ・春雨・炒り卵を包んだ「豆腐捲」や、ニラ・春雨・炒り卵を包んだ「韭菜盒」、カキと豚の大腸入りの煮込み素麺「蚵仔大腸麵線」、台湾風さつま揚げ「甜不辣」など、朝食にぴったりのご当地グルメも多い。大都会の真ん中で下町風情を満喫しよう!
光復市場
台北市信義區光復南路419巷146號
7:00-14:00、月曜定休
MRT台北101/世貿駅・MRT国父紀念館駅から徒歩10分
周家豆腐捲
台北市信義區光復南路419巷106號
6:00-15:00
「松」蚵仔麵線
台北市信義區光復南路419巷142號
6:00-13:00
光展区
東区商圈
「東区商圈」は台北市東部の繁華街で、主なエリアは東は光復南路、西は復興南路、北は市民大道、南は仁愛路の範囲内。中心を東西に走る忠孝東路は、デパートやグローバルブランドのショップ、オフィスビルが軒を連ね、華やかな雰囲気。路地に入ると個性的でお洒落なショップやカフェ、レストランのほかに、庶民派食堂もあり、必ず満足できる店を見つけることができるだろう。高級志向から庶民派まで、その日の気分と予算に応じて多彩なショッピングとグルメが楽しめる街だ。
台北市大安區MRT忠孝復興駅・MRT忠孝敦化駅・MRT国父紀念館駅下車すぐ
源展区
松山文創園区
建物の前身は1937年建設の「台湾総督府専売局松山煙草工場」。台湾初の煙草専門工場として台湾における近代工場の先駆けでもあった。建物は水平視線を強調した日本の初期モダニズム建築で、シンプルで典雅な美しさを持つ。戦後は国民党政府に接収され、1998年まで紙巻煙草や葉巻などの煙草製品の製造を行っていた。煙草工場、ボイラー室、倉庫の建物が残されており、貴重な近代産業遺産として2001年に台北市の古跡となった。
現在はアート・文化イベントを開催する展示館、ショップ、レストランなどに活用されている。敷地内に新設されたビルには有名書店の「誠品書店」やホテルも入居しており、園区全体がクリエイティブな複合施設となっている。園内の庭園や生態景観池は緑にあふれており、散策も楽しい。
「不只是図書館(図書館だけではない)」は、煙草工場の従業員浴場跡を利用した私設図書館。半円状の浴槽が残る閲覧室は図書館を代表する空間だ。館内では台湾内外の100種類以上の雑誌をはじめ、2万冊におよぶ書籍を閲覧できる。蔵書のジャンルは建築、工業、デザイン、ファッション、アートなどが中心。閲覧席はWi-Fiやコンセントが利用できるので、自習やリモートワークのために利用する人も。天気が良い日は小さな中庭に出て本を読んでも気持ちがいい。好みの閲覧席で本に囲まれた癒しの時間を過ごそう。
敷地東側の池のそばに佇む「豆留文青」は、煙草工場の「鍋爐房(ボイラー室)」だった建物。空に向かって高々とそびえる煙突に往時の様子が垣間見える。店内にコーヒー焙煎機を備えた本格カフェで、こだわりコーヒー、台湾茶のほか、コーヒーや台湾茶を使ったドリンクやカクテルも提供している。
ドリンクは、烏龍茶と桃の香りが重なり合う爽やかなドリンク「水蜜桃氣泡烏龍」、阿里山産コーヒー豆を使ったコーヒーリキュールと烏龍茶を合わせたカクテル「阿里山咖啡烏龍茶酒」などが人気。スイーツは葉巻型のチーズケーキを添えた、甘さ控えめのティラミス「松菸招牌雪茄」がおすすめ。サンドイッチなど軽食メニューが豊富なのもうれしい。毎日18時30分から始まる店舗のライトアップも必見!
松山文創園区
台北市信義區光復南路133號
02-2765-1388
屋外24時間、室内9:00-18:00
無料(展示館はイベントにより有料)
www.songshanculturalpark.org
MRT国父紀念館駅から徒歩5分
不只是図書館
松山文創園区(製菸工廠22)
02-2745-8199
10:00-18:00(最終入場17:00)、月曜休館
大人NT$50、7歳以下の児童(要付き添い)・障がい者(要付き添い)・65歳以上のシルバー無料
facebook.com/NotJustLibrary
※入館時はスリッパに履き替え
※当日に限り入場券で「不只是図書館」「台湾設計館」への出入り自由
※営業時間の変更・臨時休館はfacebookページで告知
豆留文青 Cama Coffee Roasters
松山文創園区(生態景観池区10)
02-2765-1008
10:00-21:00、金曜-日曜9:30-22:00
ミニマムチャージ:1人NT$250、席利用:平日2時間・休日1.5時間
facebook.com/sy.camacoffeeroasters
※ライトアップは18:30から閉店まで
行政区4会場
台北市の行政区に展開される12会場のうち、松山・士林・中山・大同の4会場は観光スポットや夜市などの見どころが多い人気エリア。メインエリアから足をのばして、個性的な台北の街を歩いてみよう!
松山燈区
松山慈祐宮前広場
毎年ランタンフェスティバルの季節を迎えると、MRT松山駅5番出口と松山慈祐宮の間の前の広場は、伝統的な動物や神獣をかたどったランタンが並び、華やかな雰囲気に包まれる。松山慈祐宮は1753年に創建されて以来、250年あまりにわたり地元住民の信仰を集めてきた。主神は海の女神・媽祖だが、観音菩薩などの仏教の仏も祀っている。豪華絢爛で荘厳な廟建築のほか、乾隆帝から下賜された「利濟參天」の扁額や清代の石獅などの歴史的文物も必見の価値あり。
台北市松山區八德路四段761號05:30-22:30
MRT松山駅下車すぐ
饒河街観光夜市
慈祐宮門前の有名夜市。饒河街の通りが丸ごと夜市になっており、夕方になると道路両側の店舗のほか、道路中央に屋台が立ち並び、観光客や仕事帰りの市民でにぎわう。一番の名物グルメは、「福州世祖胡椒餅」の胡椒で味付けした豚肉と青ネギの餡をパイ風の皮で包み、窯に貼り付けて焼き上げた「胡椒餅」。
2022年度ミシュランガイド「ミシュランプレート」に選出された「東発号蚵仔麵線」のカキと豚の大腸入り煮込み素麵「蚵仔麵線」、肉団子入りのあんかけスープ「肉羹」、もっちりおこわ「油飯」は冬にぴったり。「加賀魷魚大王」の干しスルメイカを水で戻して沙茶醬(海鮮ソース)と九層塔(台湾バジル)と煮込んだぷりぷり食感の「現燙魷魚」もぜひ味わいたい。
饒河街観光夜市
台北市松山區饒河街
17:00-23:00ごろ
MRT松山駅下車すぐ
福州世祖胡椒餅
台北市松山區饒河街249號前(道路中央)
15:30-23:00、金曜・土曜15:30-23:30
※天候不良・売切れの際は閉店
東発号蚵仔麵線
台北市松山區饒河街143號
8:30-24:00
ミニマムチャージ:イートインは1人1品
加賀魷魚大王
台北市松山區饒河街120號
17:15–23:00
bit.ly/3VzSNaK
※臨時休業はfacebookページで告知
士林燈区
台北表演芸術中心
士林区の会場となる「台北表演芸術中心(台北パフォーミングアーツセンター)」は、2022年7月にグランドオープンを迎えた文化施設。透明なガラス張りのボックスにシルバーの球体が差し込まれたユニークな外観のモダン建築で、世界的建築家レム・コールハース(OMA)が設計を担当した。
館内には3つの劇場があり、建物全体を貫く回廊「参観回路(Public Loooooop)」では、窓から劇場内の様子やテクニカルスペースの見学が可能。1階と2階のロビーは公演がない日も一般開放しているので、散策中に立ち寄って最先端のデザイン美にふれるのもおすすめ。
台北市士林區劍潭路1號12:00-21:00
www.tpac-taipei.org
MRT剣潭駅下車すぐ
士林観光夜市
外国人観光客が必ず訪れると言っていいほど有名な台北市最大の夜市。美食街に屋台グルメが集まる「士林市場」を中心に、周辺一帯にご当地グルメやファッション雑貨、ゲームなどの店があふれ、夜中まで人通りが絶えない。
顔の大きさほどもある巨大フライドチキン「豪大大雞排」はテレビやガイドブックで度々紹介される士林名物。このほか、檸檬風味の胡麻だれの和え麺が絶品と評判の「好朋友涼麵」や、鉄鍋で蒸し焼きにした生煎包(ミニ肉まん)を求めて平日も行列ができる「鍾記原上海生煎包」など、2022年版ミシュランガイド「ビブグルマン」に選出された人気店のグルメも必食!
士林市場
台北市士林區基河路101號
16:00-24:00ごろ
MRT剣潭駅から徒歩5分
好朋友涼麵
台北市士林區大南路31號
16:30-23:30、木曜定休
鍾記原上海生煎包
台北市士林區小東街38號
14:30-21:00
豪大大雞排
台北市士林區基河路115號
15:30-24:00
中山燈区
心中山線形公園
2019年にMRT中山駅から雙連駅間の地上部にオープンした「心中山線形公園」は、クリスマスイルミネーションの会場としても有名だ。ランタンフェスティバル期間中は、公園全体が煌めくイルミネーションとランタンで埋め尽くされる。中山から雙連までは、ゆっくり歩いても10分ほど。色とりどりのランタンを眺めながら、ロマンチックな夜の散歩を満喫しよう。
台北市中山區(MRT中山駅―雙連駅間地上部)MRT中山駅・MRT雙連駅下車すぐ
赤峰街
「赤峰街」は心中山線形公園と並走する小道。デパートが立ち並ぶMRT中山駅西側の南京西路から民生西路を結んでおり、路地のなかには古くから続く町工場や民家が並んでいる。近年は古い建物をリノベーションした雑貨店や古着店など、個性的なショップが続々と誕生しており、写真に「映える」スポットとして若い人の人気を集めている。レトロでお洒落なカフェも多く、路地散策中に好みのカフェを見つけるのも楽しみだ。気になる店をのぞきながら、昭和な雰囲気が残る下町の路地をくまなく歩いてみたい。
台北市大同區赤峰街MRT中山駅・MRT雙連駅下車すぐ
大同燈区
永楽広場
大同区の会場となる「永楽広場」は、迪化街のランドマークのひとつである「永楽市場」前の広場。永樂市場は1階が生鮮食品の売り場や食堂が並ぶ伝統市場で、2階から4階が布地や洋裁小物を扱う布市場となっている。布市場では洋服のオーダーメイドも可能だ。1階では海鮮食堂などが人気だが、昼頃までの営業の店が多いので食事が目的なら昼頃までにでかけよう。午後は迪化街を散策して、夕方のランタンの点灯を待ちたい。
永楽市場
台北市大同區迪化街一段21號
1階7:00-20:00、月曜休市/2-4階10:00-18:00、日曜休市
MRT北門駅から徒歩7分
迪化街
永楽広場が位置する迪化街は、清代末期から淡水河の水運で発展し、日本時代に繁栄を極めた街。現在も、アーケードでつながった「街屋」と呼ばれる赤レンガ造りの商家の建物が数多く残っている。乾物、漢方薬、布地を扱う老舗問屋が集まっており、カラスミやドライフルーツ、台湾茶、チャイナテイストの雑貨、カラフルなナイロンメッシュ製買物バッグ「茄芷袋」などお土産探しも楽しい街だ。
永楽廣場に隣接する「霞海城隍廟」は大稲埕の信仰の中心。土地を守る城隍爺のほかに縁結びをつかさどる月下老人が有名で、数多くの独身の男女が良縁を求めて参拝に訪れるパワースポット。散策中の食事は永樂市場の食堂や、市場前の「民樂旗魚米粉」ではカジキマグロ入り汁ビーフン「旗魚米粉」など、ご当地グルメを楽しもう。
迪化街
台北市大同區迪化街一段
MRT北門駅から徒歩6分
霞海城隍廟
台北市大同區迪化街一段61號
民樂旗魚米粉
台北市大同區民樂街3號
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。