新北市 淡水 レトロ建築散歩

企画構成/視野創異行銷 文/視野創異行銷 写真/視野創異行銷

新北市 淡水 レトロ建築散歩

 

新北市 淡水 

レトロ建築散歩

17世紀から日本時代初期にかけて、台湾海峡に面した淡水河の河口部は貿易の要衝として発展。沿岸には官公庁や貿易会社の商館が並び、街は繁栄を極めた。淡水河の水位上昇とともに港は衰退したが、現在も数多くの美しい歴史的建造物の姿を見ることができる。淡水でレトロ建築を訪ね、350年の歴史ロマンを感じよう!

淡水MAP

MRT淡水駅から徒歩またはレンタサイクルで各スポットへ

新北市公共レンタサイクル
www.youbike.com.tw/region/ntpc

 

 

得忌利士洋行

清代から日本時代初期にかけての淡水河は、大型船が停泊できるほど水深が深い貿易港だった。当時、外国人が経営する「洋行」と呼ばれる商社が国際貿易の担い手として活躍し、淡水には德記、和記、怡記、道格拉斯、寶順の五大洋行が商館を構えていた。

得忌利士洋行

このうち水運を主な業務とする「道格拉斯(ダグラス)洋行」は30年にわたり台湾航路を独占するほどの大商社だった。「得忌利士洋行」はダグラス洋行の跡地。前棟の「第一検査場」と後棟の「輸入品倉庫」が現存しており、それぞれリノベーションを経て資料館に生まれ変わっている。清代末期から淡水を見守ってきた洋行建築で、淡水の海運発展の歴史を学びたい。

得忌利士洋行

得忌利士洋行

得忌利士洋行

新北市淡水區中正路316號
02-2629-9522
9:30-17:00、土曜・日曜9:30-18:00、月曜(祝日の場合は翌日休館)・旧暦大晦日・旧暦元旦休館
入館無料
www.tshs.ntpc.gov.tw

 

 

齊柏林空間

2019年に得忌利士洋行の後棟にオープンした「齊柏林空間」は、ドキュメンタリー映画監督の齊柏林氏の作品や業績を紹介する資料館。齊監督の代表作は日本でも公開されたドキュメンタリー『看見台湾(邦題:天空からの招待状)』。

齊柏林空間

齊柏林空間

カメラマンでもある齊監督は、空中から台湾各地の美しい風景とともに、環境破壊のリアルな現状を撮影し、映画は台湾の人々の環境意識を高めることに成功した。齊監督は2017年に『看見台湾Ⅱ』の制作中にヘリコプターの事故で亡くなったが、彼が長年撮影し続けた膨大な量の台湾の風景を記録した写真や動画は、いまも圧倒的な熱量をもって見る人の胸に迫ってくる。

齊柏林空間

齊柏林空間

新北市淡水區中正路316-1號
02-2629-1996
10:00-18:00(最終入場17:00)、火曜休館(祝日の場合は翌日休館)
NT$120
www.chipolin.org

 

 

真理大学

台湾で現在も「馬偕博士」と呼ばれ親しまれているジョージ・L・マッケイ博士は、1871年にカナダ長老派教会の宣教師として渡台。1872年より淡水で宣教を始め、宣教活動と医療活動に貢献する傍ら、1882年に淡水に台湾北部で初となる西洋式教育を行う学校「牛津学堂(Tamsui Oxford College)」を創設した。この牛津学堂が現在の真理大学の前身だ。

馬偕故居 淡水

馬偕故居

馬偕故居 淡水

キャンパス内の「馬偕故居」は1875年に建てられた博士の自宅跡。白い壁とアーチ型回廊が特徴的なコロニアル建築で、庭園から淡水河と観音山の風景が一望できる。隣接する「姑娘楼」は1906年の建設。「姑娘(Miss)」とは外国人女性宣教師に対する敬称で、赤レンガの外壁と回廊をもつ優美な建物の最初の住人が2人の女性宣教師だったことから「姑娘楼」と呼ばれるようになった。

新北市 淡水 レトロ建築散歩 姑娘楼

姑娘楼

姑娘楼 淡水

キャンパス内でひときわ存在感を放つ「大礼拝堂」は、ゴシック様式の聖堂。1997年に建てられた新しい建物だが、伝統的な設計が用いられており、非常に荘厳で美しい。マッケイ博士が愛した学び舎を歩き、140年の歴史に想いを馳せてみよう。

大礼拝堂 淡水

大礼拝堂

新北市淡水區真理街32號
02-2621-2121
8:00-17:00、土曜・日曜・祝日休館
入館無料
www.au.edu.tw/index.php
※大学の授業がある日のみ開放。訪問時は静かにマナーを守って参観しよう。

 

 

小白宮

350年あまりの歴史のなかで、スペイン・オランダ・清・日本に統治されてきた淡水には、各時代の官公庁関連の歴史建築が数多く残っている。真理大学の東に隣接する「小白宮(前清淡水関税務司官邸)」は、1862年に清朝が淡水を正式に開港したのち、税務司官邸として建てた建物。

小白宮 淡水

「馬偕故居」とよく似た白亜の壁とアーチが並ぶ回廊を持つ典型的なコロニアル建築で、白い壁とオレンジ色の屋根が庭の緑に映えて非常に美しい。ロマンチックな雰囲気から、ウェディングフォトの人気撮影スポットとなっている。

小白宮 淡水

小白宮 淡水

新北市淡水區真理街15號
9:30-17:00、土曜・日曜9:30-18:00、毎月第1月曜休館(祝日の場合は翌日休館)
NT$80(当日入場券で紅毛城、小白宮、滬尾砲台への入場観覧が可能)
jp.tshs.ntpc.gov.tw

 

 

紅毛城

真理大学の西隣に位置する「紅毛城」では異なる様式の2棟の建物を見学できる。敷地内に入って最初に見えてくる赤レンガ色をした建物は、スペイン人が建設したのちにオランダ人が改築した「安東尼堡(アントニー要塞)」。地下牢をもつ軍事施設で、庭には大砲も残されている。

安東尼堡 淡水

安東尼堡

東側の建物は、後年イギリス人が建設した「英国領事官邸」。赤レンガ造りの優美なコロニアル建築で、館内には骨董家具が置かれており、往時の生活の様子が感じられる。

英国領事官邸 淡水

英国領事官邸

英国領事官邸 淡水

新北市淡水區中正路28巷1號
9:30-17:00、土曜・日曜9:30-18:00、毎月第1月曜休館(祝日の場合は翌日休館)
NT$80(当日入場券で紅毛城、小白宮、滬尾砲台への入場観覧が可能)
jp.tshs.ntpc.gov.tw

 

 

淡水海関碼頭

紅毛城向かいの淡水河岸に佇む「淡水海関碼頭」には、淡水港の埠頭と洋館1棟、港務倉庫2棟など、清代と日本時代に活躍した税関関連の建築物が残っている。200mの埠頭は3つに分かれており、河岸の歩道から観音石と唭哩岸岩を交互に組み合わせた精巧な構造が確認できる。

淡水海関碼頭 淡水

リノベーションされた赤レンガ倉庫は文化施設となっており、不定期でアートや文化関連の展覧会を開催している。河口に沈む夕日を眺めるのにも最適のスポットだ。

淡水海関碼頭 淡水

淡水海関碼頭 淡水

新北市淡水區中正路259號
9:30-19:30、毎月第1月曜休館(祝日の場合は翌日休館)
入園無料
jp.tshs.ntpc.gov.tw

 

 

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※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。