新北市 淡水 ~新しい風景にであう旅~
企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/季子弘・陳正国・宋育玫
新北市 淡水
新しい風景にであう旅
台湾北部の台湾海峡に面した新北市淡水は、「東洋のベニス」とも呼ばれる風光明媚な港町。17世紀から戦前の日本時代にかけて、淡水河の河口部は貿易拠点として繁栄を極めた。いまも多く残る往時の官公庁舎や商館などの建築物は、歴史が感じられる観光スポットとして愛されている。また、近年住宅地の開発が進む内陸部には、2018年に北部初となるライトレールが開通し、沿線観光にも注目が集まっている。ますます進化中の淡水で、山海の魅力を訪ねよう!
おすすめコース
LRT沿線→淡水古跡めぐり→淡水老街→MRT淡水駅
目次
淡海ライトレール
幾米と旅する淡水
新北市淡水区を走る淡海ライトレール(LRT)は、2018年に開業した淡水の新しい公共交通機関。現在運行中の「緑山線」は全長7.3㎞。紅樹林、竿蓁林、淡金鄧公、淡江大学、淡金北新、新市一路、淡水行政中心の7つの高架駅と、濱海義山、濱海沙崙、淡海新市鎮、崁頂の4つの地上駅からなり、各駅構内には台湾の著名絵本作家のジミー・リャオ(幾米)によるパブリックアートが設置され、改札機などの施設にも幾米のアートが描かれている。
2019年11月からは幾米の絵本の世界を再現したラッピング列車も登場。毎時0分に紅樹林駅から出発するラッピング列車の車両内には絵本のキャラクターのオブジェも置かれており、ファンタジックなLRTの旅が楽しめるようになっている。
開業から満2周年を迎える2020年末には、濱海沙崙駅から分岐して淡水河口の「漁人碼頭」までをつなぐ「藍海線」も開業予定。緑山線、藍海線とも沿線に魅力的な観光スポットも少なくない。幾米といっしょにLRTで新しい風景にあいに行こう!
LRT沿線スポット
V05淡金北新駅
無極天元宮
「無極天元宮」は主神に玉皇大帝を祀る道教の廟。LRT淡金北新駅から3.5㎞ほどの大屯山のふもとに位置しており、境内からは遠く海まで一望できる。本殿の裏にそびえたつ高さ200mの「無極真元天壇」は三角錐の屋根を持つ円形の塔で、中国北京にある明清代の皇帝が天に祈祷を行った祭祀施設の建築様式を模した華麗な建物。春の桜のシーズンは天壇と桜が織りなす風景が非常に美しく、淡水有数の花見スポットとしても知られている。
新北市淡水区水源里北新路三段36号5:00-22:00
LRT淡金北新駅そば「三塊厝」から市バス866、875、876、877、893で「天元宮」下車
Binma Area 134
無極天元宮近くにあるカフェ&レンタル撮影スタジオ。カフェエリアは、陽光が差し込むアンティークな温室、ツリーハウスがたつテラス、改造した水道管の座席が個性的な庭園に分かれており、どのエリアもおしゃれでフォトジェニック。敷地内には緑が多く、リゾート気分でカフェタイムが楽しめる。あちこちに置かれた動物やアニメキャラの等身大フィギュアも子供たちに大人気だ。ドリンクやスイーツのほか、食事メニューも提供している。
新北市淡水区北新路三段134号
+886-2-2623-6351
11:00-19:00
ミニマムチャージ:1人NT$250/席利用:2時間/予約:可
www.facebook.com/Binma-Area-134-1093602384080704/
LRT淡金北新駅そば「三塊厝」から市バス866、875、876、877、893で「天元宮」下車
※母屋内の撮影スタジオは要予約、レンタル料金は別途問い合せ
V07淡水行政中心駅
正古早甕缸鶏坊
淡水・金山間を結ぶ淡金公路沿いという郊外の立地にもかかわらず、平日も食事時になると続々と顧客がやってきて席が埋まっていく人気店。人びとのお目当ては、甕(かめ)の中で吊るして焼く鶏の丸焼き。香りのよい龍眼の木を薪に使って焼き上げた鶏肉は、皮がパリパリで身はしっとりジューシー。別盛りの鶏油は肉につけても、ご飯にかけてもGood。炒め物やスープなどのメニューも充実しているので、好みで組み合わせよう。
新北市淡水区淡金路二段605号+886-2-2620-3028
11:00-21:00
LRT淡水行政中心駅から徒歩10分
淡水舊鎮50年代枝仔冰
子供のころからのお馴染みの味として、地元民に長く愛されているアイスキャンディー専門店。フレーバーは、パッションフルーツ、パイナップル、黒糖、小豆、タロイモなど、10種類以上。さっぱりした甘さは夏のおやつにぴったり。価格も1本NT$15からと格安で、散策途中に立ち寄る人のほか、車で駆けつけて箱買いしていく人も多い。
新北市淡水区淡金路二段270-1号+886-2-2625-2267
12:00-18:00
LRT淡水行政中心駅から徒歩5分
V09濱海沙崙駅
公司田渓程氏古厝
清代に建てられたという「程氏古厝」は、中国大陸泉州の普江県より台湾に移住してきた程氏一族の住居だった。コの字型の建物は典型的な三合院。5つの部屋からなる「火庫起双護龍式」と呼ばれる建築様式で、外側の部屋には盗賊撃退用の鉄砲狭間が設けられている。住宅地の開発が進む淡水で、昔ながらの農村風景に触れることができる貴重なスポットだ。
新北市淡水区新民街一段138巷7号11:00-17:00、月曜・第1火曜休館
入館無料
LRT濱海沙崙駅から徒歩6分
V27沙崙駅
緑野馬術文創園区
「緑野馬術文創園区」は、2020年12月に開業予定のLRT沙崙駅そばの乗馬クラブ。競技者も訓練を行う本格的な馬場で、観光客も体験乗馬を楽しむことができる。長ズボンと運動靴を履いていけば、特別な装備は不要。未経験でもOKだ。体験コースは馬場施設と馬の生態についての紹介を聞き、馬のえさやりやブラッシングを体験、馬との接し方や乗馬の基本動作を学んだあと、インストラクターの先導で場内を散策する流れ。天気が良ければ、近くの沙崙ビーチに行くこともできる。高い馬の背から眺めるいつもと違う風景は、旅の特別な思い出になるだろう。
+886-2-2805-8189
9:00-18:00、月曜休園
入門体験コース1.5時間NT$2800/現金のみ/3日前までの予約がおすすめ
www.facebook.com/1986.luye/
1.MRT淡水駅から車で10分(淡水駅からの送迎サービスあり)
2.LRT沙崙駅から徒歩1分(2020年12月開業予定)
V28漁人碼頭駅
淡水漁人碼頭
淡水河が台湾海峡に流れ込む河口に位置する埠頭の「漁人碼頭」は、有名な夕陽鑑賞スポット。埠頭の突端まで続くウッドデッキの歩道では、夕暮れ時になると夕陽を撮影しようと多くの人がカメラを構える。夜には埠頭わきの白い船の形をした「情人橋」がライトアップされ、さらにロマンチックな雰囲気となる。埠頭からMRT淡水駅近くの淡水老街まで遊覧船で移動するのもおすすめ。
漁人碼頭
新北市淡水区観海路135号
1.MRT淡水駅から市バス紅26で「漁人碼頭」下車
2.LRT漁人碼頭駅から徒歩10分(2020年12月開業予定)
MRT 淡水 駅周辺スポット
MRT淡水駅周辺は古くからの港町。古跡めぐりやご当地グルメの食べ歩きが楽しい定番スポットが目白押し!
淡水の歴史建築めぐり
紅毛城
350年あまりの歴史がある港町淡水には、スペイン・オランダ・清・日本が台湾を統治していた各時代の建築物が多く残っている。なかでもぜひ見学しておきたいのが「紅毛城」のスペイン人が建設した建物をオランダ人が改築した「安東尼堡(アントニー要塞)」と、その東側に後年イギリス人が建設した「英国領事館」の2棟。四角形の要塞は地下牢を持つ軍事施設で、赤レンガ造りの英国領事官邸はアーチの回廊が優美なコロニアル建築。同じ敷地にたつ異なる様式の建物を見学し、歴史に思いを馳せてみよう。
新北市淡水区中正路28巷1号9:30-17:00、土曜・日曜9:30-18:00、毎月第1月曜休館(祝日の場合は翌日休館)
大人NT$80(当日入場券で紅毛城、小白宮、滬尾砲台への入場観覧が可能)
海関碼頭
紅毛城の向かい位置する「海関碼頭」には、淡水港の埠頭と洋館1棟、倉庫2棟など、清代と日本時代に活躍した税関関連の建築物が残っている。3つに分かれた200mの埠頭は観音石と唭哩岸岩を交互に組み合わせた精巧な造り。赤レンガ倉庫は文化施設としてリノベーションされており、不定期でアート・文化関連の展覧会が開催されている。河岸沿いの歩道からは淡水河の河口から上流の関渡大橋までを一望できる。散策に最適のスポットだ。
新北市淡水区中正路259号9:30-19:30、毎月第1月曜休館(祝日の場合は翌日休館)
入園無料
小白宮
紅毛城後方の真理街には、真理大学をはじめとした歴史建築が立ち並ぶ。なかでも、こじんまりとして可愛らしい雰囲気の「小白宮」は、1862年に清朝が淡水を正式に開港したのち、税務司官邸として建てた建物。優雅な半円形のアーチが並ぶ典型的なコロニアル建築で、白い壁とオレンジ色の屋根のコントラストが庭の緑に映える。美しいたたずまいから、ウェディングフォトの撮影にも人気のスポットとなっている。
新北市淡水区真理街15号9:30-17:00、土曜・日曜9:30-18:00、毎月第1月曜休館(祝日の場合は翌日休館)
1人NT$80(当日入場券で紅毛城、小白宮、滬尾砲台への入場観覧が可能)
滬尾偕医館
1871年に台湾に移住し、翌1872年から淡水を拠点にキリスト教の布教活動を始めたカナダ人の馬偕博士(George Leslie Mackay)は、医療や教育の普及にも努めた人物。彼が1879年に創立した「滬尾偕医館」は台湾初の西洋式病院施設で、当時としては非常に高い水準の医療を提供していた「台湾現代医学発祥の地」。館内では当時使用されていた機材や家具などの貴重な文物が見学できる。
新北市淡水区馬偕街6号11:00-18:00、金曜-日曜11:00-21:00
入館無料
台湾基督長老教会淡水教会
カナダ長老派教会(基督長老教会)の宣教師で医者でもあった馬偕博士の熱心な布教活動の結果、淡水は台湾北部における長老派教会の拠点となった。博士の没後、1933年に建設された礼拝堂は赤レンガ造りのゴシック建築。ステンドグラスがはめ込まれた鐘楼や屋根のピナクル(小尖塔)などの華麗な装飾が美しく、観光名所になっている。
新北市淡水区馬偕街8号※内部見学不可
淡水龍山寺
中国福建省安海龍山寺から分霊した観世音菩薩を祀る、新北市の淡水龍山寺、台北市の艋舺龍山寺、彰化県の鹿港龍山寺、台南市の台南龍山寺、高雄市の鳳山龍山寺を、「台湾五大龍山寺」という。清代の1858年に建立された「淡水龍山寺」は「淡水四大廟」のひとつ。廟は市場に囲まれており、境内は外部の喧騒から切り離されたような静けさがただよう。
新北市淡水区中山路95巷22号5:00-20:00
淡水ご当地グルメ
可口魚丸
淡水名物といえば、まず思い出されるのが魚のつみれを浮かべたスープ「魚丸湯」だろう。魚のすり身の甘みと中に包まれた肉餡のこくが、さっぱり味のスープによく合う。店自慢の肉まん「肉包」もぜひ味わいたい。
新北市淡水区中正路232号7:00-20:00
老牌阿給
淡水でもう一つ忘れてはならない名物が、厚揚げの中に春雨を詰めた「阿給」。厚揚げの表面を覆う魚のすり身を割り、厚揚げとぷるぷるの春雨とともに、ピリ辛の唐辛子だれをつけていただく食べ応えのある一品だ。
新北市淡水区真理街6-1号5:00-14:00、月曜定休
半坪屋手工糯米腸
淡水在住のローカルに人気の小さな店。醤油だれがしみこんだもち米の腸詰め「手工糯米腸」は、ちょっと小腹が空いたときにぴったりの軽食。店特製の甘辛い唐辛子だれがもち米のうまみを引き立て、パリッとした豚の大腸の食感も楽しい。
新北市淡水区中正路11巷4号11:00-20:00
阿香蝦捲
にぎやかな商店街「淡水老街」で、週末になると行列ができる有名屋台。エビと豚肉をこねて作った餡を厚めの皮で包んで揚げた「蝦捲」は、3つで1本の串刺しになっており、老街の食べ歩きにぴったり。
新北市淡水区中正路230号10:30-19:00
淡水のおみやげ
阿婆鉄蛋
黒い煮卵「鉄蛋」は淡水を代表するお土産。醤油と漢方薬ベースの煮汁で煮込んだ玉子は香ばしく、歯ごたえのある食感が楽しい。鶏卵とウズラの卵の2種類あり。
新北市淡水区中正路135号+886-2-2625-1625
9:00-21:00
許義魚酥(味香魚丸店)
魚のすり身とタピオカ澱粉が主原料のスナック菓子。ザクザクした食感とふんわり漂う魚の風味がたまらない美味しさ。塩味の「原味」とピリ辛の「辣味」の2種類あり。
新北市淡水区中正路184号+886-2-2621-1414
7:00-18:00
三協成餅舖
1935年創業の老舗中華菓子店は、お菓子の美味しさもさることながら、商品の試食し放題&お茶飲み放題という、太っ腹すぎるサービスでも大人気。もちろん味も保証付きだ。
新北市淡水区中正路81号+886-2-2621-2177
9:00-19:45
愛牧手作工坊
ネギを散らした塩味のクラッカーに甘いヌガーをサンドしたヌガークラッカーは、しょっぱさと甘さが折り重なる味わいで、食べ始めるとやめられなくなる魅惑の一品。
新北市淡水区中正路121号+886-920-111-109
11:00-19:00
保安堂参薬行
「保安堂薬行」は1904年の創業で、3代続く漢方薬店。2017年に立ち上げた新ブランド「品盛堂」の漢方薬や養生茶はおしゃれなパッケージで人気。店頭販売の漢方ドリンクもおすすめ。
新北市淡水区中正路89号+886-2-2621-2650
8:00-21:00
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※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。