新竹十七公里海岸線自転車道 ~台湾サイクリング~
企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/季子弘
新竹十七公里海岸線自転車道
海と森の風景を駆け抜けよう!
台湾観光局は2021年を「自転車旅行年」と定め、台湾各地のサイクリングスポットをPRすることになり、全国でサイクリング旅行が注目を集めている。新竹県にも魅力的なサイクリングスポットが少なくない。なかでも、新竹市北端の南寮漁港から南端の香山区南港まで17㎞の海岸線を走る「新竹十七公里海岸線自転車道」は、沿線に美しい海岸線、マングローブの森、風力発電の風車などの美しい風景が続く人気コース。漁港で新鮮な海鮮を味わったり、ビーフンを製造している観光農園に立ち寄ったり、楽しさいっぱいのサイクリングの旅に出かけよう!
台湾鉄道新竹駅から新竹市バス藍15区で「南寮」下車、レンタサイクルで各スポットへレンタサイクル:一般車1回NT$150程度、1人用電動3時間NT$300程度、2人用電動3時間NT$500程度(店舗により異なる)
目次
南寮漁港で海鮮三昧!
南寮漁港のほとりにたつ「南寮漁港漁産直銷中心」は、新鮮な魚介類を手軽に購入できる観光直売センター。1階には地元産や台湾各地から集まった魚介類、パック詰めの刺身、加工品などが並び、店の呼び込みと大勢の買い物客で活気にあふれている。切りたての刺身、茹でたてのイカ、揚げたてのさつま揚げなど、買ってすぐに食べられる総菜もあるので、食べ歩きも楽しい。
2階は美食エリアとなっており、海鮮料理を提供する食堂が並んでいる。1階で購入した鮮魚の代理調理を請け負ってくれる店も多いので、希望がある場合は相談を。サイクリングに出かける前に海鮮料理で腹ごしらえしよう!
南寮漁港漁産直銷中心
新竹市北区新港三路1-9号
8:00-21:00
林家摃丸
新竹市北区新港三路1-9号1F
03-536-9875
09:00–18:00、月曜定休
小林海鮮
新竹市北区新港三路1-9号2F(A-1)
0983-170-149
10:00-19:30
海岸線と運河の景色を満喫
直売センター南の環保公園周辺で自転車を借りたら、早速サイクリングに出発しよう。自転車道は往復34㎞の長丁場なので、体力に自信がない場合は電動自転車がおすすめだ。環保公園を抜けた海岸の看海公園では、「幸福沙湾」と呼ばれるビーチに置かれたボート型の「LOVE」のオブジェが人気の記念撮影スポットになっている。
ここから海岸沿いの「海天一線看海区」と呼ばれる区間をさらに南下すると、波型屋根の東屋が見えてくる。東屋から堤防内側のルートに入ると間もなく、目の前に緑の岸に囲まれた美しい「港南運河」が現れる。運河沿いを走りながら、海岸とはまた違った水辺の美しさを堪能しよう。途中の橋の上から眺める運河も絶景だ。
港南運河を抜けると、マングローブ(紅樹林)の森が広がる「紅樹林公園」と4本のレインボーカラーの橋に出迎えられる。紅樹林公園を抜け、右手に海を眺めながら自転車道を進んでいくと、まもなく可愛らしい並木道「香山緑色隧道」が始まる。緑のトンネルを思わせる並木道は樹々が日差しや風を遮ってくれるので、高原の森林のような風景の中で夏でも心地よく自転車を走らせることができる。
幸福沙湾・海天一線看海区
新竹市北区海濱里
港南運河
新竹市香山区海埔路
紅樹林公園
新竹市香山区華江街29巷51号
香山緑色隧道
新竹市香山区
香山湿地の豊かな自然にふれる
香山緑色隧道を抜けると、目の前には「香山湿地」が広がっている。総面積が1768haにもおよび、シギやサギ、カモなどの鳥類をはじめ、タイワンアシハラガニやシオマネキなどの蟹類、シオフキガイなどの貝類、ムツゴロウなどの魚類まで、多種多様な生物が生息している国の重要湿地だ。
生態保護のため湿地への立ち入りはできないが、全長250mの「賞蟹歩道」の上からは、砂地にうがたれた蟹の巣穴などを間近に観察できる。歩道そばにはカフェもあるので、のんびり湿地の風景を楽しみながら休憩するのもいいだろう。日没のころには、夕日の美しさで有名な台中の高美湿地にも劣らぬ絶景が観賞できる。
香山湿地 賞蟹歩道
新竹市香山区中華路五段320巷55-1号
夏季9:30-18:30、冬季8:30-17:30、火曜・強風時閉鎖
香山砂丘の不思議な絶景
賞蟹歩道から6㎞ほど進むと「香山砂丘」に到着する。自転車道の東屋と標識を目印にゲートから砂丘に下りていくと、目の前には一面の砂と白い風車が続く神秘的な世界が広がっている。
ここは新竹の沿岸部に吹く強風に運ばれた浜辺の砂が作り上げた砂丘で、晴れた日には「砂のさざ波」とも呼ばれる風紋を見ることができる。砂漠のような砂丘の先に巨大な風力発電の風車が続く不思議な風景は、夕景の美しさもまた格別だ。砂丘から自転車道終点はもうすぐそこ。一気にゴールまで駆け抜けよう!
香山沙丘
新竹市香山区
※自転車等車両進入不可、入口反対側自転車道下に駐輪場と足洗場あり
十七公里自転車道終点
新竹市香山区西濱公路560号
観光農園でビーフンDIY!
「老鍋休閒農荘」は、新竹名物のビーフン「米粉」がテーマの観光農園。創業者一家が中国福建省から台湾に渡ってきたのは1858年のこと。のちに新竹に定住し稲作に従事していた一家は、新竹の強い風がビーフン作りに適していることを発見し、ビーフンの製造販売を始めた。150年を超える「老鍋」の歴史は、そのまま台湾ビーフンの歴史と重なる。
老鍋のビーフン製造工程は19にもおよぶ。台湾在来米をすりつぶし、餅状に蒸しあげた生地を押し出し機に入れ、圧力をかけて筒の底に取り付けた穴の空いた金属プレートからトコロテンのように押し出し麺状にし、もう一度蒸してから小分けにして乾燥させる――。現在も昔ながらの工程は変わらないが設備は現代化し、より安全で安定した美味しさを消費者に届けている。母屋に展示されている昔の写真や機器をみると、ビーフンの歴史や製造過程がより身近に感じられるだろう。
農園では体験教室も開催しており、ビーフンや客家の餅料理のDIYが楽しめるほか、近隣の自然観察ツアーなどにも参加できる。ビーフン作りのDIYでは、押し出し機操作とビーフンの小分け作業、商品の包装、作り立てのビーフンの試食が体験できる。完成したビーフンはお土産にぴったりだ。
老鍋休閒農荘
新竹市香山区西濱路六段569号
03-537-3075
8:30-17:00、水曜定休
入園無料、DIY要別途料金(詳細は公式サイト参照)
oldpot.com.tw
※主要商品は全国の全聯スーパーでも購入可
台湾ビーフン豆知識
台湾のビーフンは3種に分けられる。購入時にチェックしてみよう。
純米米粉:米100%/調合米粉(米粉):米50%~100%未満/炊粉・水粉:米50%未満
おすすめサイクリング
新竹十七公里海岸線自転車道マップ
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。