中壢 ~台湾鉄道 途中下車の旅~

企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/陳正国

中壢 ~台湾鉄道 途中下車の旅~

 

中壢駅

100年の歴史をめぐる旅

台湾鉄道中壢駅が位置する中壢区は、桃園市第二の人口規模を誇る街。駅周辺の日本時代の歴史建築やご当地グルメ、郊外の第二次世界大戦後に建設された軍人村など、見どころも満載。途中下車して、中壢の100年の歴史をめぐる旅に出かけよう!

中壢駅MAP

台湾鉄道中壢駅から徒歩または公共レンタサイクル、バスで各スポットへ

桃園市公共レンタサイクルYoubike
tycg.youbike.com.tw/home

中壢客運バス
chunglibus.com.tw

桃園客運バス
tybus.com.tw

 

 

馬祖新村眷村文創園区

桃園龍岡地区の「馬祖新村」は、馬祖列島の防衛に派遣された陸軍第84師団の軍人とその親族のために、1957年に建設された「眷村」と呼ばれる居住地。

馬祖新村眷村文創園区

敷地内に講堂や球場などもある独立した集落で、最盛期には220戸あまりの住居を抱えていた。2004年に歴史建築に指定され、同年に最後の住民が転居すると、のちに国防部により「眷村文化保存園区」にも指定され、桃園市初の「文化資産保存法」による保存対象の眷村となった。

馬祖新村故事展の建物正門

馬祖新村故事展の建物正門

昔の軍服

昔の軍服

馬祖新村故事展の館内展示

馬祖新村故事展の館内展示

赤煉瓦の壁、黒瓦の屋根、紅白の縞模様の門などが特徴的な「眷村スタイル」の住居はレトロな風情たっぷり。リノベーションされた建物にはアーティストの工房やカフェなどが入居している。園内を散策しながら、お気に入りのスポットを探してみよう。

路地の奥にも隠れたショップが!

路地の奥にも隠れたショップが!

馬祖新村眷村文創園区
桃園市中壢区龍吉二街155号
9:00-18:00、月曜休園
facebook.com/ArtMatsuVillage

台湾鉄道中壢駅前・中壢客運バスターミナルから112北、または桃園客運バスターミナルから112南で「馬祖新村」下車、徒歩4分

馬祖新村故事展
Add:馬祖新村 眷舍20号

 

達令大林創意冰品

達令大林創意冰品

正門や店舗周辺を飾るポップなアイスのオブジェがキュートなアイスバー専門店。アイスバーは化学添加物無添加、低糖にこだわり手作りしているため、食材そのままの風味が楽しめる。写真撮影スポットとしても人気。

達令大林創意冰品 アイスバー

アイスバーの棒は木製スプーン!

アイスバーの棒は木製スプーン!

馬祖新村 眷舍44号
0952-837-753
10:00-18:00、月曜定休
ミニマムチャージ:イートインは1人NT$80
facebook.com/darlingdaling55

 

層食・手作甜點

層食・手作甜點

鮮やかな赤に塗られた玄関扉や窓枠が赤煉瓦の建物に映え、明るい雰囲気のカフェ。店内は住居だったころの面影が残っており、くつろいだティータイムが楽しめる。スイーツは日替わりで数種類登場する手作りのミルクレープが人気。季節のフルーツを使ったタルトも提供している。

層食・手作甜點

層食・手作甜點

可愛い看板猫がお出迎え!

馬祖新村 眷舍42号
0975-109-920
12:00-18:00、月曜定休
ミニマムチャージ:1人NT$100/席利用:90分
bit.ly/3HfxBzD

 

 

忠貞商圏

忠貞新村文化園区

「雲南反共救国軍(雲南ビルマ国境地帯遊撃部隊)」は、1949年に国共内戦が終了し国民政府が台湾に撤退した後、「金三角(ゴールデン・トライアングル)」と呼ばれたビルマ(1989年よりミャンマー)・雲南・タイの国境地帯に取り残されながらも、最後まで戦い続けた特殊部隊。1950年代から70年代にかけて、部隊の軍人とその家族は台湾に撤退し、彼らのために建設された「忠貞新村」で暮らし始めた。移住した人びとが台湾に持ち込んだ金三角地帯の郷土料理や生活文化は現地に根付き、いまでは特色ある観光資源となって観光客を惹きつけている。

忠貞新村文化園区のウォールアート

忠貞新村文化園区のウォールアート

忠貞新村文化園区のウォールアート

忠貞地区に来たら、まずは2022年3月にオープンしたばかりの「忠貞新村文化園区」へ足を運ぼう。金三角文化とモダンアートで彩られた建物が並ぶ空間は、異国情緒あふれる新しい観光スポットとして注目を集めている。

モスクを模した異域故事館の外観

モスクを模した異域故事館の外観

園内の「異域故事館」は、「異域(外地)」で孤軍奮闘した「孤軍」の歴史研究と資料保存を行う資料館。館内の5つの展示エリアでは、機密解除された文書や銃器、金三角地帯の少数民族の衣装や生活用品、忠貞新村の再現コーナーなどを通して、孤軍の歩んだ歴史を学ぶことができる。ここで忠貞新村の背景に触れてから周辺の散策にでかけると、より街への理解が深まるだろう。

展示エリア「乱」:銃器や孤軍の歴史展示

展示エリア「乱」:銃器や孤軍の歴史展示

展示エリア「迷」:金三角エリアの紹介

展示エリア「迷」:金三角エリアの紹介

展示エリア「回」:台湾への撤退の記録

展示エリア「回」:台湾への撤退の記録

展示エリア「容」:忠貞新村のくらし

展示エリア「容」:忠貞新村のくらし

展示エリア「容」:忠貞新村のくらし

忠貞新村文化園区
桃園市平鎮区貿東路9号(中山路68号入口から入園)
屋外エリアは24時間開放
Access:台湾鉄道中壢駅前・中壢客運バスターミナルから112北、または桃園客運バスターミナルから112南で「忠貞」下車、徒歩5分

異域故事館
桃園市平鎮区貿東路9号(忠貞新村文化園区内)
9:00-17:00、月曜休館
入館無料(予約制)
facebook.com/LOSTARMY.Taoyan

 

黒山銀花 BLACK MOUNTAIN SILVER FLOWER

黒山銀花 BLACK MOUNTAIN SILVER FLOWER

「忠貞新村文化園区」内に位置する民族雑貨店。店内には、ミャンマーのブランド「YANGOODS」のバッグやタイのアクセサリーなど、ミャンマー・タイ・雲南地域の服飾雑貨が並ぶ。

黒山銀花 BLACK MOUNTAIN SILVER FLOWER

観光客には少数民族衣装のレンタル体験が人気。100着を数えるという民族衣装は各民族ごとに素材や形、装飾が異なる。刺繍や金属細工の縫い付けは手仕事といい、衣装を手にすると繊細な美しさに目を奪われるだろう。

繊細な装飾が美しい少数民族衣装

繊細な装飾が美しい少数民族衣装

桃園市平鎮区中山路46号(中山路44-1号入口から忠貞新村文化園区へ入場、左側)
03-416-1393
10:00-19:00
民族衣装体験:男性1人NT$300、女性1人NT$400(平日は2時間・休日は1時間外出可、要身分証)
facebook.com/BlackMountainSilverFlower

 

国旗屋

国旗屋

台湾国旗に彩られた、街でひときわ目を引く食堂。早朝から営業しており、朝食に訪れる人も多い。雲南伝統の幅広のライスヌードル「米干」が名物で、醤油ベースのスープの汁麺は日本のきしめんのような味わい。箸休めにおすすめの「豌豆粉」は、エンドウ豆が原料の葛餅のような食感の食べ物で、酢醤油でさっぱりいただく。

米干加肉

米干加肉

豌豆粉

豌豆粉

国旗屋

桃園市中壢区龍平路215号
5:00-19:00、木曜定休

 

八妹婆婆民族創藝過橋米線

八妹婆婆民族創藝過橋米線

ブリティッシュパブを思わせるインテリアがお洒落な雲南料理レストラン。重厚で高級感あふれる雰囲気だが、手ごろな価格のメニューが揃う。店名にある「米線」は細麵タイプの雲南ライスヌードルで、米干より弾力があるのが特徴だ。

おすすめの「創藝過橋米線」は、熱した石鍋にスープを注ぎ、肉、野菜を入れて火を通し、最後に米線を加えて仕上げていただく。豚骨だしに鶏油と胡椒を加えたスープは、まろやかな味わいだ。

創藝過橋米線

創藝過橋米線

創藝過橋米線

桃園市平鎮区中山路77号
03-436-6339
10:00-21:00
サービス料:10%
facebook.com/8POPO

 

 

日本家屋を訪ねる

中平路故事館

中平路故事館

中壢駅前の商店街の一角に佇む木造平屋建ての日本家屋は、日本時代の1930年代に建設された公務員官舎。建設当時の姿がほぼ完全な形で残されており、歴史的価値から2010年に桃園市歴史建築に指定され、2015年に文化施設に生まれ変わった。

中平路故事館

館内にはレトロな生活用品のほか、アート作品などが展示されており、ちゃぶ台が置かれた畳の広間に座ると昭和の日本の家庭に遊びに来たような懐かしい雰囲気が味わえる。

中平路故事館

桃園市中壢区復興路99号
03-425-5008
10:00-17:00、月曜・火曜休館
入館無料
facebook.com/ZhongpingRoadStoryHouse

 

壢景町

壢景町

敷地内にたつ3棟の建物は1941年(昭和16年)に中壢郡役所の警察官のために建てられた宿舎。日本家屋の特色をもち、戦後の1977年に台湾で初めて街頭で勃発した民主化運動「中壢事件」を見届けた宿舎群は歴史的価値が高く、2013年に「中壢警察局日式宿舍群」として桃園市歴史建築に登録された。2019年に資料館やカフェが入居する文化複合施設としてオープンし、市民の憩いの場となっている。

敷地内に残された宿舎の遺構

敷地内に残された宿舎の遺構

C棟・中壢民主展示館では台湾民主化運動の歴史を紹介

C棟・中壢民主展示館では台湾民主化運動の歴史を紹介

桃園市中壢区延平路627号
03-426-8761
11:00-18:00、月曜休館
入館無料
facebook.com/1941zhongli

 

壢小故事森林

壢小故事森林

「壢小故事森林」の前身は、1917年(大正6年)に建てられた中壢小学校の職員宿舎。2015年に桃園市歴史建築に指定され修復・補修を経て2019年に文化複合施設としてオープンした。敷地内の3棟の建物は、資料展示スペースやショップとして利用されている。

壢小故事森林

壢小故事森林

桃園市中壢区博愛路52号
03-280-5608
11:00-17:00、月曜・火曜休館
入館無料
facebook.com/lixiaostory52

 

 

中壢駅周辺B級グルメ

驚嘆号 Shock Shock 臭豆腐

店舗の可愛らしさと臭豆腐の美味しさで若者の人気を集めている注目店。天然発酵の臭豆腐は、揚げると三角形のものはサクサク、四角い方は柔らかな食感が楽しめる。店特製の味噌だれと唐辛子だれをつけると香ばしさがより引き立つ。付け合わせのキャベツの台湾風キムチはミントのような香りの九層塔(台湾バジル)が散らしてあり、爽やかな香りと甘酸っぱさが箸休めにぴったり!

驚嘆号 Shock Shock 臭豆腐

酥炸臭豆腐

酥炸臭豆腐

桃園市中壢区中平路201号
12:30-20:30

 

劉媽媽菜包店

劉媽媽菜包店

米を使った客家の伝統食品「粄」の専門店。看板商品は、白い餅で切り干し大根炒めを包んだ「客家蘿蔔絲菜包」。ヨモギ餅で切り干し大根や小豆餡などを包む「艾草粄」や、赤く着色した餅の「紅粄」なども人気。

劉媽媽菜包店

餅は程よく弾力があり、おかず系の餡を包んだものは軽食に、甘い餡のものはおやつに最適。タイミングが合えば蒸したてが手に入ることも。

客家蘿蔔絲菜包

客家蘿蔔絲菜包

小紅(小豆餡)

小紅(小豆餡)

桃園市中壢区中正路268号
24時間

 

張豊盛商行

張豊盛商行

1911年に台中で創業した落花生製品専門店をルーツに持つ人気店。店内では花生(落花生)のほか、芝麻(胡麻)などのナッツ類を使った商品やドライフルーツを取り扱っている。

張豊盛商行

張豊盛商行

観光客のマストバイは、落花生と黒胡麻のソフトクリーム。2種類ミックスにして、落花生または黒胡麻のソースをかけて食べるのが人気だ。お土産にはピーナッツバターや花生糖(ピーナッツおこし)がおすすめ。

落花生&黒胡麻ミックスソフト(左から落花生ソース、黒胡麻ソース)

落花生&黒胡麻ミックスソフト(左から落花生ソース、黒胡麻ソース)

桃園市中壢区中正路349号
9:00-17:30

 

 

一足のばして行きたい観光スポット

樹林 ・ 南樹林 ・ 山佳 ~台湾鉄道 途中下車の旅~

樹林 ・ 南樹林 ・ 山佳 ~台湾鉄道 途中下車の旅~

 

 

中壢 途中下車の旅マップ


※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。