MRT忠孝新生駅 丁寧な都会の暮らし
企画構成/朱佳雯 文/朱佳雯・楊善文 写真/宋育玫・張家馨
台北MRT忠孝新生駅一帯は、台北科技大学や光華デジタル新天地、三創デジタル生活パーク、華山1914文創パークなど、学校・商業施設が密集している一角だ。最新のテクノロジーと伝統の文化がコラボした独特の雰囲気が若者たちの人気を集める。華山1914文創パークは都会派カルチャーを象徴するランドマークで、オープンから10年を経て、その周辺の町づくりにも影響を広げている。拡散するエネルギーが近隣地区の表情を変え、大稲埕とならぶ新興文化の発信基地を育て上げた。
MRT忠孝新生駅下車、徒歩で各スポットへ
目次
お酒を楽しむ
Trio bitters
正統派のバー「Trio Original」、若者向けのカフェ「Trio Café」に続き、カクテルの父として名高い王霊安がオープン。「bitters(ビターズ)」はカクテルでよく使われるアンゴスチュラビターズが由来。酸いも甘いも噛み分けた人生の熟達がこよなく愛する味にちなみ、店内は落ち着いたムード。ワインや定番カクテルのほか、旬のフルーツを使った季節のカクテルも。食事は、数量限定で提供される貝柱とほうれん草のパスタがおすすめだ。卵とドライソーセージを使ったトルティーヤも試してみたい。
台北市中正区忠孝東路二段64巷4号+886-2-2358-4988
平日17:00-1:00、休日13:00-2:00、月曜定休
カード:可/サービス料:無/ミニマムチャージ:1人1品/予約:可
B line by a train
台北で流行中のバーチェーンで、4カ所のブランチを持つ。ジャズ・スタイルやインダストリアル・デザイン風のセンス、英国の復古調などを特徴とし、ハリウッドのヒュー・ジャックマンも来店したことがあるという。ジャイアンツの陽岱鋼選手のサインもあり、店の人気ぶりがうかがえる。酒の種類も豊富で、ワイン、ビール、ショットのほか、カスタムメイドのカクテルも提供している。つまみ類もクオリティが高い。アパートの2階にある隠れ家風の店に毎晩大勢のリピーターが訪れるという。
台北市中正区忠孝東路二段104号2階+886-2-2356-0010
日曜-木曜 18:00-2:00、金・土 18:00-3:00
カード:可/サービス料:10%/ミニマムチャージ:1人NT$500/予約:可
雑貨と料理
Fujin Tree Landmark
台北市富錦街を開拓し、すっかり根を下ろした「Fujin Tree」が2016年末、華山1914文創パークに進出したコンセプトショップ。傘下のセレクトショップやカフェ、フラワーアレンジメントを集め、このブランドならではの空気を醸し出している。もとは酒の実験室として使われていた建物のたたずまいを生かし、屋根や壁、そしてタイルにまで歴史の足跡を感じることができる。プロの技を生かした生活雑貨やアパレルは丹念にセレクト。その半数以上がメイドイン台湾で、海外から訪れる人びとはその質の高さを実感することだろう。
飲食部門は、台湾の家庭の味をセールスポイントとする「億長御坊」とコラボし、「台湾タパス」(台湾式の小皿料理)の世界を追求。台湾のクラフトビール「台虎ビール」との相性もぴったりだ。コーヒーの豆選びと焙煎には、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)で優勝の呉則霖氏を招聘。将来はこの空間で講座やイベントも予定しており、ゆとりある暮らしを普及させたいという。
台北市中正区八徳路一段1号(華山1914文化創意産業園区)中1A館月曜―金曜11:00-21:00、土曜・日曜10:00-21:00
fujintreegroup.com
小器生活空間華山店・小器食堂華山店
小器生活道具は2012年に台北市赤峰街で最初のショップをオープン。シンプルな空間に日本からの生活雑貨を展示し、デザイン性の高いプロダクトが台湾に導入されるきっかけをつくってきた。華山1914文創パークに進出したのは2015年。「中川政七」や「手紙舍」など日本のブランドとタイアップし、展示販売だけでなく、テーマ性のある企画展を開いている。果物を描いたコップ「水果杯」や、フルーツ手ぬぐい、台湾挿し絵はがきなど台湾発のオリジナルにも取り組む。隣の小器食堂ではバランスの取れたメニューを用意。宜蘭三星の有機米を使っているほか、メインディッシュから小皿料理まで産地にこだわり、シンプルな味わいが客たちの心をつかんでいる。
台北市中正区八徳路一段1号(華山1914文化創意産業園区)中四B館12:00-21:00
thexiaoqi.com
読書を贅沢に
青鳥Bleu&Book
華山1914文創パークの2階にある。店名の「青鳥」は、メーテルリンクの代表的な童話に登場する幸せの象徴だが、加えて、自由に飛び回る鳥のように読書も思いのままでありたいという希望がこもる。快適な環境の中で存分に本を味わえる幸福感を、ここへやってきた人すべてが味わえるようにという願いだ。
創業者の蔡瑞珊氏と8人の顧問が文学やデザインの見地から吟味した本とともに、食と読書のための快適なスペースを提供している。天井に飾り付けられたドライフラワーが演出する華麗なムード、どこにいても自然の光を感じることができる大きなガラス窓。明るく、すがすがしい雰囲気のなかで、一杯のコーヒーとサンドイッチを楽しみながら、好きな本を片手に気ままなひとときを過ごすことができる。
台北市中正区八徳路一段1号(華山1914文化創意産業園区) 玻璃屋2階+886-2-2341-8865
10:00-21:00、不定休
www.facebook.com/bleubook
益品書屋
台湾の大手飲食チェーンを創業した戴勝益氏が2016年に開設。図書館とカフェ、書店という三つの機能を併せ持つ。読書を広く推進することを目的としており、NT$100の入場料を支払えば、その日一日利用することが可能で、何冊でも好きなだけ本を読むことができる。広々として明るい空間に120席しか座席を用意していないのは、だれもがより快適に本を読める環境にしたいという願いの表れだ。冬瓜のかき氷や、台湾茶、エスプレッソなどの飲み物も用意され、セルフサービスで利用できる。午後2時半からはバイオリンの演奏があり、読書の時間を華麗に演出している。
台北市中正区仁愛路二段69号+886-2-2397-2998
11:30-19:30
epbooks.com.tw
文房Chapter
「文房Chapter」は公益的な目的で開かれた図書館。日本時代の末期に当たる1930年に建てられた和風の宿舎を使用している。この美しい書庫を広くシェアするため、利用料は取っていない。質の高い読書を楽しんでもらおうと、利用は予約制で1日4組限定である。蔵書は暮らしや文学、デザイン、アートなどを中心に約4000冊。2か月に1度は、アーティストを日本や台湾から招き、展示や講座を開いている。入館から1時間ほどすると、お茶と軽い食べ物が出される。いかにも台湾らしいおもてなしだ。
台北市中正区臨沂街27巷1号+886-2-2341-9662
10:00-11:50、12:00-13:50、14:00-15:50、16:00-17:50
www.chapter.com.tw
事前にネットで予約が必要。予約した本人のみ入館可。身分証明証を提示の上、ソックスを着用の上で入館すること。15歳未満の入場不可。予約時間から15分未着の場合予約取り消し。
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