平渓線 途中下車の旅 ~菁桐・平渓・十分~

企画構成/朱佳雯 文/西野百合子 写真/宋育玫‧視野創異行銷

平渓線

 

バスで簡単アクセス!平渓線の旅

日本統治時代の炭鉱開発のために線路がひかれたことから始まった平渓線沿線には、日本の昔の風景を想わせるようなノスタルジックな風景がそこここに残っている。集落の合間を縫うように走るローカル線は時間の流れもゆったりとしているよう。あわただしい台北を離れて田舎の街を歩けば、きっと心もやわらかく解放されるはず。

 

平渓線

バス+鉄道利用
平渓線エリアへは、深坑老街、菁桐老街、平渓老街、十分老街、十分瀑布など、平渓線沿線の各有名観光スポットに停車する台湾好行バス木柵平渓線でのアクセスが便利。台北駅からはMRT文湖線木柵駅下車。改札を出て右側の出口を左に道沿いに歩いてバス通りの木柵路へ。大きな廟の脇の信号を渡って右手すぐのバス停で台北客運が運航する795バス(台湾好行木柵平渓線)に乗車。バスは20分から30分に一本の発車で、現金または悠遊カードが利用できる。
台湾好行バス終点の十分サービスセンターで下車すると、すぐそばが十分瀑布。ここから、十分瀑布を経て徒歩で十分老街へ向かい、十分駅から平渓線に乗車し、平渓線終点の菁桐駅から台湾好行バスで木柵へ戻ることができる。
台湾好行バス木柵平渓線 jp.taiwantrip.com.tw/line/45

鉄道利用
台北駅から自強号で瑞芳駅へ。平渓線に乗り換え各駅へ。
台湾鉄道 www.railway.gov.tw/tw

 

 

十分駅

美しい山並みと基隆河がホーム前に横たわり、開放感あふれる十分駅。駅舎をでるとすぐに商店街が軒を連ね、土産物屋の呼び込みの声もにぎやか。線路上の散策を楽しむ観光客の姿も。線路を歩く際は安全第一で。

十分駅

線路は安全に十分注意して歩こう

十分駅

十分駅

静安吊橋

線路脇の静安吊橋

十分駅

 

十分老街

老街の真ん中を線路が走り、線路上を行き交う人々は列車が近づくと歩道へ上がる。毎日くり返されるこの風景は、十分老街の名物。老街奥は古い建築物も多く、静かな雰囲気。

十分老街

列車がぎりぎりのところを通る十分老街

十分老街

古い建物が並び静かな老街奥

 

天燈を飛ばす

十分老街には多くの天燈店があり、あちこちで、願い事を書いた天燈を飛ばす観光客の姿を見かけることができる。記念撮影や録画サービスを行う店も多く、人気を集めている。

天燈を飛ばす

願いが空に届きますように

天燈

土産物のミニ天燈ストラップ

 

十分瀑布

「台湾のナイアガラ」と呼ばれ、「彩虹淵」(虹の淵)の別称もある、半円状の美しく壮大な十分瀑布。現在は新北市政府の所有管理となり、無料開放されている。台湾好行木柵平渓線「十分サービスセンター」下車、公園内の遊歩道を抜けてすぐ。

十分瀑布

ダイナミックな十分瀑布

 

 

平渓駅

天燈の里のホームに降り立つと、すぐに聞こえる天燈店の呼び込みの声。土産物屋にはミニチュアの天燈などおなじみの土産物が並ぶ。駅を出て、目の前の中華街を線路沿いに下ったところにある平渓橋は、橋の上から河をまたぐ鉄橋とその上を走る鉄道を眺めることができ、鉄道ファンに人気が高い。

平渓駅

平渓駅ホーム

平渓駅

駅構内の土産物店

平渓駅

線路沿いに天燈店がずらり

平渓駅

 

平渓老街

平渓老街は、派手さはないが、地元の人々の生活を垣間見ることができるような、素朴でこじんまりとしたレトロな雰囲気が心地よい老街。駅前から続く中華街と平渓街、公園街の交差するあたりが老街の中心部。細い路地に土産物屋や雑貨店、台湾ソーセージや豆花などの小吃店が軒を連ね、週末には観光客で大いに賑わう。

平渓老街

素朴な雰囲気の平渓老街

平渓老街

食べ応えがある台湾のライスドッグ「大腸包小腸」

 

カフェ街角28

「台湾で一番鉄道に近いカフェ」といわれている平渓駅すぐそばの「街角28」は、二階オープンテラス席から手を伸ばせば届きそうなほど近くを平渓線が走る、鉄道好きにはたまらないスポット。珈琲やスイーツなどカフェメニューの他に、食事メニューもありくつろげる。鉄道を眺めながら、のんびりゆったり過ごしたい。

台湾で一番鉄道に近いカフェ

台湾で一番鉄道に近いカフェ

カフェ街角28

列車がすぐそこ

街角28

駅前の坂道に面した街角28

街角28

店内も可愛らしい

街角28
新北市平渓区中華街28号
月曜-金曜12:00-18:00、土曜‧日曜11:30-21:00

※閉店しました。

 

 

菁桐駅

平渓線の終点である菁桐駅は、2010年の映画「台北に舞う雪」(原題『台北飄雪』)のロケ地としても有名。日本式建築の駅舎、駅前や線路上の樹に鈴なりに吊るされた観光客が願い事を記した竹筒、懐かしい雰囲気の老街、炭坑施設の廃墟など、映画の中の風景が目の前に広がる。のんびりと、田舎の空気を楽しもう。

菁桐駅

菁桐駅線路脇には炭鉱遺跡が残る

レトロな木造駅舎

レトロな木造駅舎

駅ホーム

駅ホーム

菁桐駅

 

菁桐礦業生活館

菁桐駅ホームすぐ横の菁桐礦業生活館は、台湾鉄道職員宿舎跡を利用した資料館。炭坑によって栄えた菁桐の歴史や炭坑で働く人々の生活などを展示紹介している。入館無料。

菁桐礦業生活館

地域の歴史を紹介したパネル展示

菁桐礦業生活館

あちこちに吊るされた願いのこもった竹筒

 

菁桐老街

雰囲気の良いカフェや可愛い雑貨屋が並ぶ菁桐老街は、タッチパネル式トラベルインフォメーションの設置など、昔ながらの雰囲気を残しながら、観光客がますます便利に観光できるよう観光整備が進んでいる。

菁桐老街

映画のロケ地になった菁桐老街

駅長さんとハイタッチ!

駅長さんとハイタッチ!

便利なタッチパネル観光案内

便利なタッチパネル観光案内

 

天燈派出所

台湾好行木柵平渓線「菁桐坑」停留所前に大きくそびえるガラスの天燈は、2014年より平渓地区の新たなランドマークとして運営が開始されたスカイランタン(天燈)派出所。ガラスパネルはモニターになっており、毎日午後16時より30分ごとにランタン文化の紹介や観光客オリジナルのポリス・ランタンを放映している。二階にある受付で申し込むと、すぐに放映してくれる場合もあるので、その場で確認してみるとよいだろう。一回150元。

手書きのメッセージがスカイランタンに!

手書きのメッセージがスカイランタンに!

二階受付では記念品の販売も

二階受付では記念品の販売も

天燈派出所
新北市平渓区静安路2段141号2階
ランタンの放映時間:平日16:00-19:00、休日16:00-20:00

 

 

一足のばして行きたい観光スポット

瑞芳 ・ 雙渓

瑞芳

九份方面のバスや平渓線への乗換をする観光客で賑わう「 瑞芳 」は、駅前ロータリー周辺や、駅前通り突き当りにある美食街には、様々なご当地小吃屋台が並び、B級グルメ好きにはたまらないスポット。そして、かつて炭鉱業の発展と共に栄えた、山に囲まれた静かな田舎町「雙渓」。今回は、この二つの駅で途中下車してみよう。

 

猴硐

猴硐

猴硐へは、台北から各駅停車の区間車にゆられること一時間ほど。かつては炭鉱業で栄えた街だったが、炭鉱の閉山と共に人口が減少し田舎の小さな集落となっていた。近年、街猫が多くいることが猫好きの間で話題となり、米国のテレビ局CNNの「世界6大猫スポット」に選出されるなど、世界的に注目される人気の猫村となった。

 

 

平渓線 途中下車の旅 マップ

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。