伊藤千明 環島で出会ったもの

取材・文/高田雅子 写真提供/伊藤千明、統一企業

台湾屏東墾丁 鵝鑾鼻燈台

台湾屏東墾丁 鵝鑾鼻燈台

伊藤千明さんの「環島」

「環島」とは、一筆書きに台湾を一周する旅。2016 年、伊藤千明さんは日本からたった一人、初めて訪れた台湾で、2か月かけて徒歩での「環島」に挑んだ。ひょんなことから台湾のニュースに取り上げられ、伊藤さんの環島は台湾で注目を集めた。伊藤さんは旅行中、台湾の牛肉麺インスタントラーメン「満漢大餐」が大好きで、よく食べていることを自身のSNS で語っていた。環島終了後、これに注目した台湾企業が、伊藤さんに動画撮影を依頼。伊藤さんの環島の物語は、より多くの人々に伝えられることとなった。

 

伊藤さんのおすすめ! 「満漢大餐」とは?

牛肉麺は、台湾を代表する料理のひとつ。満漢大餐はインスタントラーメンでありながら、レトルトの大きな牛肉入り。本格的な牛肉麺の味わいは海外でも大人気。台湾旅行で必ず買い求める外国人観光客も多い。

満漢大餐

手軽で便利なカップタイプ

満漢大餐

袋麺タイプはお好みで具を加えて

 

 

旅の始まり

昔から海外旅行が好きで、ラオスやスリランカを一人旅し、街歩きを楽しんでいた伊藤さん。台湾は他のアジアの国々と比べて都会というイメージがあったため、以前はあまり興味をひかれなかったという。

ところが、台湾旅行に行った家族や周りの人たちが口をそろえて「台湾いいよ!」と言うのを聞き、さらに台湾による311(東日本大震災)への支援の話を聞くうち、「こんなに日本が好きで、日本によくしてくれる国って、どんな国なんだろう」と、興味がわく。

近いのによく知らない台湾を知りたい―。2016 年10月、伊藤さんは徒歩での環島を始めた。

環島を始めて程なく、伊藤さんの旅は台湾のメディアに注目されるようになる。最初のきっかけは、環島スタート二日目の出来事。節約のためテントを設営していた公園で地元警察の注意を受けたのだが、好意で警察署に泊めてもらえることになった。しかしどういうわけか、台湾のヤフーニュースに掲載されてしまったのだ。

さらに台湾中部の日月潭近くでは、ある廟への宿泊問い合わせを手伝ってくれた警察官がテレビ局を呼んだことで、突然テレビに出ることにもなった。こうして度々ニュースに取り上げられ、関心を集めるようになっていくにつれ、大まかな予定や旅の出来事を公開していた伊藤さんのSNSも注目を集め、その動向がまたニュースになったりもしたのだった。

伊藤千明 環島で出会ったもの

 

 

「満漢大餐」との出会い

旅行中の食事は主に、安くて便利な屋台や食堂を利用していた。初めはまったく言葉が分からず、唯一注文できたのは、日本で覚えてきた魯肉飯だけ。その他は、インスタントラーメンをよく食べていたという。

「満漢大餐っていうインスタントラーメンが、大きな肉が中に入っていて、肉が食べたかった時に、すごく嬉しかったんですね。それに、味が濃い目で好みで。美味しい太麺ラーメンって感じで。それで台湾では、インスタントラーメンはこればかり食べてました」

SNS でも、旅で出会ったインスタントラーメン「満漢大餐」が大好きと公言していた伊藤さん。つい最近、この「大きな牛肉の塊が入ったインスタントラーメン」が「牛肉麺」のひとつだったと知った。旅行前は、「牛肉麺」の存在も知らず、旅行中に一般家庭でご馳走になった「牛肉麺」は日本の「うどん」に似ていたため、「牛肉麺」というのは「うどん」のことだと思っていたのだ。微笑ましい勘違いである。

環島終了後、大好きなインスタントラーメンは、大きな縁を運んできた。伊藤さんが「満漢大餐」のファンだと知った台湾企業から、動画のオファーを受けたのだ。撮影では、2016 年の環島を再現しながら、当時訪れた場所の一部と、未訪の場所を巡るのだとか。当時はルートが異なっていたり、知らなかったために足を運べなかった場所を訪問するのはとても楽しみと、伊藤さんは期待を寄せる。

南投 武嶺

南投 武嶺

 

 

忘れえぬ台湾の人情と美景

2016 年の旅を振り返って、環島で出合ったすべての人へ、伊藤さんの感謝は尽きない。日本に旅行したことがあって日本のことが大好きな人にも多く出会った。歩いている伊藤さんに、気軽に話しかけてきてくれる人も多かった。2か月の環島は、たくさんの人に支えられて達成されたものだった。

「予定を決めない自由な旅で。歩いている途中で出会った人に、次のおすすめの場所を教わったり、宿泊先を紹介してもらったり。ある所で知り合った人が、違う場所に訪ねてきてくれたこともありました。スナックとか、食べ物をもらったこともありましたね。本当に、いろんな方にお世話になりました」

台中藍色公路(満漢大餐公式youtube 動画のスクリーンショット)

台中藍色公路(満漢大餐公式youtube 動画のスクリーンショット)

すべての瞬間が観光になる徒歩の旅。「歩いていて一番目をひかれたのは、地方ごとに異なる生活スタイル」と語る伊藤さん。道沿いに、少しずつ民家が増え、やがて街が現れ、そして建物が減って、街がなくなる。そんな移り変わりを見るのも楽しかったとか。

美しい景色にも出会った。台湾の人に連れて行ってもらった武陵、清境付近の台湾最高点では、壮大な景色に感動。台湾最南端・鵝鑾鼻では、「これで、旅が半分終わったんだ」という感慨が、伊藤さんの胸に深い印象を残した。「台北に戻る前に行っておきたい」と歩いた太魯閣(タロコ)渓谷も忘れがたい。

伊藤さんは現在、環島で出会った台湾人男性と結婚し台湾で暮らしている。2017年3月からは、台南市の国立台南成功大学語学センターで中国語を学んでもいる。現在の生活圏であり、旅行中に友人が一番多くできた台南は、伊藤さんの一番好きな場所になった。

南投集集 緑のトンネル

南投集集 緑のトンネル

苗栗泰安 烏嘎彦竹林トンネル

苗栗泰安 烏嘎彦竹林トンネル

屏東 台湾最南点

屏東 台湾最南点

 

 

伊藤さんの環島の動画はこちらからご覧いただけます!

台湾を心から愛し、多くの現地の人々と交流した伊藤さんの環島の物語を、下記のQR コードまたはURLからご覧いただけます! 動画で素敵な環島の物語を追体験すれば、きっと愛する土地で新しい生活を送る伊藤さんに心からの祝福とエールを送りたくなることでしょう。

伊藤さんの環島
 https://youtu.be/6DF8Wk_gGTQ

 

 

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