サイクリングコース in 台北市内 3選
企画構成/鍾昀彤 文/楊善文 写真/宋育玫・視野創異行銷
河畔の風を頬に
台北市内のサイクリングコース
高級自転車の生産では世界屈指の規模と技術を誇る台湾。近年は、自転車道が各地に整備され、また都市部にレンタサイクルシステムが稼働し、ペダルを踏んでの移動が市民の生活に浸透しつつある。ぜひシティツアーの足にも活用してみたい。台北市内の河畔には自転車道網が完備し、いろいろなタイプをそろえたレンタルショップも各スポットにスタンバイしている。今回は、台北市と新北市でツーリストにお勧めのサイクリング三コースをご紹介しよう。きっと意外な都会の顔が発見できるはずだ。
公共レンタサイクルYouBike
https://taipei.youbike.com.tw/home/
目次
新店渓自転車道
家族連れも安心して利用できる河畔の自転車道。主に新店渓(シンテンシー)の左岸あるいは右岸に沿って進む風光明媚なルートで、台北市と新北市にまたがる長い区間に、木道やアスファルト、敷石による専用道が整備されている。沿線には歴史的スポットのほか、住宅街・緑化公園・フラワーガーデンと多彩な景観が広がり、全体に平坦で安定した走行が楽しめる。
右岸の起点は「碧潭(ビータン)」の渡し場。清代の1881 年に船着き場があった記録が残る由緒ある場所だ。現在も対岸とは手漕ぎの渡し船が運行している。河畔を数分下った「碧潭風景区」は、台北市民にはお馴染みの行楽地として知られる。堰き止められた湖面が青緑色を呈していることからこの名があり、対岸にそびえる岸壁が長江を想起することから「小赤壁」と呼ぶ人もいる。休日には足漕ぎ式のスワンボートが湖上を無数に行きかう。
さらに河畔を下ると純白に輝く「陽光橋」が見えてくる。新北市が初めて設置した自転車・歩行者専用の橋で、渡った対岸は陽光運動公園として市民に開放されている。さらに北上し台北市内に入ると、やがて台湾大学のある「公館(ゴングワン)」に到着する。この地区のおすすめスポットは「宝蔵巌国際芸術村」。敷地は3.97ヘクタール。もとは山腹に広がる集落だったが、近年アーティストに創作空間を提供するなど、《ニューヨークタイムズ》にも取り上げられたユニークな地域おこしに取り組んでいる。
碧潭風景区
新北市MRT 新店駅すぐ
宝蔵巌国際芸術村
台北市汀州路三段230 巷14 弄2 号
八里左岸自転車道
台北市内を貫流する二大河川、淡水河と基隆河は圓山で合流する。さらに大きな流れとなった淡水河はやがて東シナ海に至る。河口エリアの右岸を「淡水(タンスイ)」、左岸を「八里( バーリー)」と呼ぶ。淡水でいったん自転車を返したら、渡し船で対岸に渡ろう。八里で自転車を借りて河畔を下るのがおすすめ。船着き場から、左岸公園・左岸劇場・挖子尾マングローブ保護区を経由して十三行博物館に達する3.5キロの自転車道が整備されている。
挖子尾保護区は土砂が堆積した砂嘴(さし)。内陸側に湾曲したラグーンが形成され、台湾では珍しいマングローブや海辺の植物が繁茂することから、保護区に指定された。十三行博物館は、先史時代の遺跡発見を契機に、2003 年に開館した台湾初の市立考古博物館。出土した文物が展示され、十三行文化、円山文化の背景がそれぞれ紹介されている。また、台湾建築賞を受賞した建築が独特な外観で人気の記念撮影スポットとなっている。
渡し場付近には八里の古い町並みが残り、海鮮レストランやカフェが軒を連ねる。時間があれば、河畔を南に遡上しよう。やがて見えてくるのは真っ赤な関渡大橋。輝く大橋は当地のランドマーク。橋の上から眺める淡水河の風景は、淡水河サイクリングの終着点に相応しい美しさだ。
挖子尾自然保留区
新北市八里区挖子尾街
十三行博物館
新北市八里区博物館路200 号
9:30-17:00、毎月第一月曜休館
NT$80
www.sshm.ntpc.gov.tw
双渓生活水岸自転車道
陽明山国家公園を水源とする双渓(スワンシー)は、台北市のほぼ中心部の河浜緑地公園を貫流する。左右両岸に設けられた自転車道は、それぞれ約3キロあり、市内でもとくに整備され、気軽に楽しめるコースとなっている。また復興橋・雨農橋・文昌橋・福林橋・士林橋・双渓橋・双渓壩頂橋という個性的な七つの橋を通過する魅力もあり、週末になると、多くのカップルや家族連れでにぎわう。
起点の双渓河浜公園のほか、沿線には瑞々しい緑地が広がる。小魚の群れをみかけるなど生態も豊富な一角だ。対岸にあたる芝山文化生態緑園は、台湾第一号の文化生態公園。貴重な動植物を育む園内には、台北で唯一現存する「芝山岩文化」の遺跡が残る。
また近隣の台北市立児童新楽園は、5ヘクタールの敷地に13のアトラクションを擁する市内最大の遊園地。児童新楽園の隣は天文科学教育館。直径35メートルに及ぶドームシアターは325 人収容。夜空にまたたく星々たちと対話できる夢のスペースだ。
芝山文化生態緑園
台北市士林区雨声街120 号
+886-2-8866-6258
9:00-17:00、月曜定休
一般NT$50
www.zcegarden.org.tw
台北市立児童新楽園
台北市士林区承徳路五段55 号
+886-2-2181-2345
平日9:00-17:00、土曜9:00-20:00、日曜9:00-18:00
一般NT$30
www.tcap.taipei
台北市立天文科学教育館
台北市士林区基河路363 号
+886-2-2831-4551
火曜- 金曜9:00-17:00、土曜9:00-20:00
一般NT$40
www.tam.gov.taipei
こちらもおすすめ
サイクリングコース in 台北市内 3選 マップ
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。