南投 茶の郷めぐり

企画構成/視野創異行銷 文/視野創異行銷 写真/視野創異行銷

南投 茶の郷めぐり

 

南投

茶の郷めぐり

南投県は台湾で唯一の内陸県。西側の一部を除くほとんどの土地が山間部で茶葉の栽培が盛んだ。県内の茶畑の面積は全台湾の4割を占めるともいわれ、南投県は台湾最大の茶葉の生産地となっている。世界的にも有名な鹿谷の凍頂烏龍茶をはじめ、竹山の高山茶や日月潭の紅茶など、標高や気候条件により、県内の各地で独自の特徴を持つお茶が生み出されている。青々とした茶畑を眺めながら、馥郁とした香りのお茶を味わう。そんな至福の時間を過ごしに、南投の茶の郷を旅してみよう。

 

鹿谷

南投県鹿谷は「凍頂烏龍茶」発祥の地。19世紀半ばには中国福建省の武夷山脈から持ち込まれた烏龍茶が鹿谷の凍頂山で栽培されていたという。まろやかな甘みと爽やかな香りを持つ凍頂烏龍茶は、世界的にも有名な台湾茶のひとつだ。

 

山中茶学

1974創業の茶葉店。旧名を「東龍製茶」といい、「山中茶学」は2012年に茶園の経営を引き継いだ3代目夫妻が2019年に立ち上げた新ブランドだ。店では、凍頂烏龍茶をはじめとした各種茶葉を販売しているほか、予約制で茶摘み体験、製茶体験、茶香枕(茶茎入り枕)作り体験などのアクティビティも提供している。

楽しい茶摘み体験

楽しい茶摘み体験

一番人気は茶摘みと製茶を組み合わせたコース。参加者は笠をかぶり、茶摘みかごをもってガイドと自社茶園に向かい、茶葉の見分け方、正しい摘み取り方を学びながら茶葉を摘む。摘み取った茶葉の爽やかな香りを嗅ぎ、自分の手で茶葉を揉み、円形に茶葉をまとめて真空パックに詰めると完成だ。お茶好きなら、ぜひ参加してみたい体験だ。

茶揉み

茶揉み

完成した茶葉は冷暗所で3か月熟成させると飲み頃になる

完成した茶葉は冷暗所で3か月熟成させると飲み頃になる

茶香枕セット

茶香枕セット

南投縣鹿谷鄉中正一路336號
049-275-0996
8:00-21:00
各種体験は公式サイトより予約(料金はコースにより異なる・中国語)
donglongtea.com/experience-activities
台湾高速鉄道台中駅・台湾鉄道台中駅から台湾好行バス6883溪頭線で「廣興」下車、徒歩3分

 

大崙山観光茶園

大崙山観光茶園

海抜1250mから1500mの大崙山の山頂に広がる鹿谷最大の烏龍茶生産地。もとは孟宗竹の竹林だったが、1990年代に竹林の枯死が発生し、代替作物として茶樹が植えられるようになった。しかしこれが急斜面の土壌浸食を引き起こしてしまった。

その後、水土保全のために政府が茶園に茶樹とともにイチョウを植えるよう指導した結果、現在の茶畑とイチョウの木が混在する独特の風景が誕生した。

大崙山観光茶園

茶園の展望台に立つと、周囲を囲む山々と茶園の絶景が一望できる。秋には緑の茶畑、黄金色のイチョウが織りなす美しい風景を目当てに大勢の観光客が訪れる。

展望台 南投 茶の郷

展望台

南投縣鹿谷鄉羊灣巷800-1號
高速鉄道台中駅から車で約90分
※往復チャータータクシー利用がおすすめ
※散策は遊歩道を利用し茶園に立ち入らないようにしよう

 

 

竹山

鹿谷の西に位置する竹山の主要な農作物は茶葉と竹。地名の通り、もとは竹が最大の作物だったが、1970年代から政府が大規模な茶の栽培を奨励し始めたため、広く茶の栽培が行われるようになった。

 

遊山茶訪 茶文化館

遊山茶訪 茶文化館

台湾茶ブランド「遊山茶訪」の観光工場。もとは製茶工場だったモダンな建物は、工場地帯の一角でひときわ目を引く。オーナーの陳氏一族は凍頂山烏龍茶の発展とともに歩んできた茶農家。館内では、製茶用機材や茶器、パネル展示などを通して、台湾茶の発展の歴史や茶葉の種類について理解を深めることができる。

遊山茶訪 茶文化館

ガイドツアー、製茶DIY、お茶のテイスティングなど、体験コースも多彩だ。なかでも、ぜひ体験したいのが、小型の焙煎機を使った茶葉の焙煎体験。焙煎の温度や時間で香りや味わいが変化するのはとても興味深い。販売コーナーでは、凍頂山烏龍茶をはじめとした台湾各地の茶葉を購入できる。試飲して好みのお茶を見つけよう。

遊山茶訪 茶文化館 南投 茶の郷

南投縣竹山鎮延平路19號
049-264-3919
9:00-17:30、旧暦大晦日休館
入館無料、各種体験は公式サイトより予約(料金はコースにより異なる・中国語)
yoshantea.fonticket.com
1.台湾高速鉄道台中駅・台湾鉄道台中駅から台中客運バス6188で「延平」下車、徒歩6分
2.台湾高速鉄道台中駅・台湾鉄道台中駅から台湾好行バス6883溪頭線で「竹山工業區」下車、徒歩4分

 

八卦茶園

海抜1300mの「大鞍竹海風景区」に位置する茶園。曲がりくねった地形が山形の笠に似ているため、昔は「斗笠茶園」という名だったが、茶樹の列が幾重にも連なる様子が古代より伝わる「易」による占いの八卦(はっけ)の模様に似ていることから「八卦茶園」と呼ばれるようになった。孟宗竹の竹林に覆われた山と、どこまでも続く茶園の緑の濃淡が美しく、広告などのロケ地としても人気がある。1月から2月の桜の季節には、遊歩道の桜並木が茶園を華やかに彩る。

八卦茶園 南投 茶の郷

南投縣竹山鎮五寮巷11-1號
9:00-17:30
高速鉄道台中駅から車で約90分
※往復チャータータクシー利用がおすすめ
※散策は遊歩道を利用し茶園に立ち入らないようにしよう

 

名間

名間は、八卦山脈最南端の海抜わずか200mから400mと、茶葉の産地としては比較的低海抜だが、茶樹の栽培に適した気候と土壌を備えており、四季を通して茶葉が収穫できる。茶葉の栽培面積・生産量はともに南投県最大を誇る。松柏嶺の「松柏長青茶」が最も有名。

 

松柏嶺遊客中心

松柏嶺遊客中心(茶文化主題館)

松柏嶺の茶葉生産量は台湾一を誇り、現地の名茶「松柏長青茶」は、高山茶に劣らない芳醇で豊かな味わいで知られている。「松柏嶺遊客中心」は、2021年に台湾茶文化をテーマにリニューアルオープンしたビジターセンター。ここでは八卦山風景区の観光情報を提供しているほか、台湾茶の種類、歴史、製造過程についての展示を行っている。

台湾一の大きさの茶球

台湾一の大きさの茶球

玄関ホールに置かれた白い布の大きなボールは、揉捻した茶葉を丸い粒状に形を整えるために布で包んだ「茶球」といい、ここに置かれているものが台湾最大だという。伝統家屋を再現したセットでは、農具や製茶道具に触れながら製茶の過程が学べ、写真撮影も楽しめる。

松柏嶺遊客中心(茶文化主題館)

松柏嶺遊客中心(茶文化主題館) 南投 茶の郷

南投縣名間鄉名松路二段181號
8:30-17:30
1.台湾鉄道集集線濁水駅から彰化客運バス6928で「南松柏嶺」下車、徒歩2分
2.高速鉄道彰化駅から車で20分

 

茶二指故事館

1907年創業の老舗茶葉店「長順茶業」が開いた観光工場。館内では、台湾各地の茶葉の種類や製茶について紹介しているほか、自社ブランドの茶葉の試飲と販売も行っている。

展示エリア

展示エリア

茶葉の試飲・販売エリア

茶葉の試飲・販売エリア

観光客に人気なのは、屋外の茶園での記念撮影。茶畑の中央にたつ可愛らしいタピオカミルクティーのオブジェ、茶畑を見下ろす天空橋や展望台、頭上に傘が並ぶ通路など、バラエティに富んだ背景で楽しい写真が撮影できる。家族連れにおすすめのスポットだ。

茶園のタピオカミルクティーのオブジェ 南投 茶の郷

茶園のタピオカミルクティーのオブジェ

南投縣名間鄉埔中巷32-1號
049-258-3126
9:30-17:30
大人NT$100(館内で使用できる50元分割引券付)
facebook.com/fingertea
1.台湾鉄道集集線濁水駅から彰化客運バス6928で「大車路」下車、徒歩17分
2.高速鉄道彰化駅から車で25分

 

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南投 茶の郷 マップ

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。