高雄 素朴な田舎の風情を感じる旅
美濃の中正湖
高雄 素朴な田舎の風情を感じる旅
製糖の町・客家の里・山の温泉をめぐる
高雄市郊外に位置する旗山と美濃は、高雄市中心部とはちがった小さな町の風情が漂う。素朴ながら、特色ある豊かな文化に彩られた土地は、多くの観光客をひきつける。旗山と美濃を結ぶ快速バスの開通後、アクセスが格段に向上した。ぜひ、旗山と美濃を訪れて、ゆったり時が流れる中、台湾の伝統的な町の風景とスローライフにふれてみよう。
旗山は「バナナ王国」と誉れ高い土地。旗山でのおすすめ散策スポットは、優雅な史跡「旧旗山駅舎」やバロック様式の建物が並ぶ古い街並「旗山老街」。古い建築物の歴史の息吹を感じたり、現地のB級グルメやバナナスイーツを味わったりと、楽しい町歩きが楽しめる。
美濃では、中正湖や緑豊かな田園の風景を訪ね、美濃の紙傘にふれ、伝統の擂茶文化を体験しよう。もちろん、現地に伝わる客家料理を味わうのもお忘れなく。歩調を緩めて、深く現地の文化にふれたい人には、旗山と美濃はぴったりの土地だ。
旗山と美濃から車で約1時間半の距離に位置する「六亀宝来温泉」は、高雄市郊外の著名な温泉地。「宝来花賞温泉公園」は2017年にできたばかりの新スポット。園内には足湯・手湯体験エリアなどの温泉施設があり、周辺には温泉ホテルが林立している。旗山や美濃から一足のばして訪れたい、おすすめスポットだ。
旗山・美濃への交通
旗美国道快線バスE01
旗山と美濃方面へは、最も早く移動できる、高雄客運バス「旗美国道快線E01」路線に乗車するのがおすすめ。乗車場所は、高速鉄道左営駅(高雄MRT左営駅)の4番バス乗り場。20分から40分間隔で運行しており、旗山までは約40分、旗山から美濃までは約20分の行程だ。旗山ではバス停「旗山南」で下車、美濃ではバス停「美濃(美濃老街)」下車。時刻表は、「E01A左営-旗山」と「E01B左営-旗山-美濃」に分かれているので、乗車前によく確認しよう。
平日6:30-23:00/休日8:20-20:50 運賃
高速鉄道左営駅―旗山:大人NT$70/子供NT$35
高速鉄道左営駅―美濃:大人NT$88/子供NT$44
旗山―美濃 :大人NT$18/子供NT$9
六亀への交通
美濃・旗山・六亀は、同じ旅行ルート上にある。美濃か旗山からは、高雄客運バス「旗美国道快線E25」に乗車し、六亀に到着後、JOYバス「H11(六亀―宝来)」へ乗り換え。高雄市中心街から直接向かう場合は、高速鉄道左営駅(高雄MRT左営駅)の4番バス乗り場で高雄客運バスE25に乗車、六亀でJOYバスH11へ乗り換え。
バス運行時間(高速鉄道左営駅発)平日8:40-20:40 運賃
高速鉄道左営駅―六亀:大人NT$211/子供NT$106
旗山―六亀 :大人NT$130/子供NT$65
美濃―六亀 :大人NT$102/子供NT$51
六亀―宝来 :大人NT$24/子供NT$12
高雄市バス時刻表
http://ibus.tbkc.gov.tw/bus/BusRoute.aspx
※乗車の際には一卡通や悠遊卡などのICカード利用がおすすめ
目次
旗山 製糖業の町
歴史街道を歩く
かつて製糖業の町として大いににぎわった旗山には、いまもバロック様式の建物が美しい「旗山老街」が残っている。赤レンガが鮮やかな町並みを歩くと、アーケードの一部に、石を積み上げて作られた部分があるのに気がつく。これは台湾で唯一、旗山にのみ残る貴重な建築構造。ぜひ、ほかの建物との違いを観察してみよう。老街からさらに散策を続けると、「旧旗山駅舎」や「天后宮」、「武徳殿」など、歴史情緒にあふれる史跡に出会うことができる。
日本時代の1911年に建てられた「旧旗山駅」は、もともと台湾糖業鉄道「旗尾線」の駅で、製糖業が栄えていた頃は運輸・交通の重要な拠点だった。現在、旧駅舎はリノベーションされ「糖鉄故事館」として一般公開されている。八角形の尖った屋根をもつ、ビクトリア様式とゴシック様式が融合した優美な駅舎内では、旗山の糖業の歴史を学ぶことができる。ホームに置かれた蒸気機関車も、往時の雰囲気を伝えている。
旗山はバナナの名産地としても有名。旗山に来たら、ぜひバナナスイーツを味わおう。特に、南台湾の灼熱の太陽に照らされる季節には、体の火照りを癒してくれる冷たいバナナアイスがおすすめ。お土産には、バナナケーキやバナナエッグロールなども人気。
旗山旧駅-糖鉄故事館
高雄市旗山区中山路1号
+886-7-662-1228
平日10:00-18:00、週末10:00-19:00、火曜休館
吉美香蕉蛋糕
高雄市旗山区中山路62号
+886-7-661-5006
8:00-21:00
旗山枝仔冰城
高雄市旗山区中山路109号
+886-7-661-2066
平日9:30-22:30、週末9:00-23:00
美濃 客家の里
油紙傘と客家擂茶
客家の人々が多く暮らす美濃には、客家文化が土地に深く息づいている。美濃の客家文化を代表するのが、美濃の「油紙傘」と「客家擂茶」だろう。
油紙傘は油紙を貼った傘で、日本の唐傘と同じようなもの。生活用品としてのほかに、客家語の「油紙」の発音が、子供ができることを意味する「有子」と同じため、縁起物としても使われてきた。美濃では、「廣進勝紙傘」、「原郷縁紙傘文化村」、「美濃民俗村」などの場所で油紙傘DIYを体験できる。好きな図柄を傘に描いて、楽しい美濃の思い出を持ち帰ろう。
昔から茶葉を栽培してきた客家の人々にとって、お茶は身近なものだった。茶葉といろいろな材料をすり合わせて作る擂茶は、客人をもてなす際にもだされる、客家の茶文化を代表する飲み物。作り方はまず、ピーナッツ・黒白ゴマ・玄米をすり鉢に入れ、擂粉木で円を描くようにする。すべての材料から油がにじみ出るくらいまでなめらかになったところに、客家山茶粉や小豆を入れてさらにすり、粉末状にする。最後に好みの量を茶碗に入れてお湯を注げば出来上がりだ。「美濃駅桟」などで擂茶DIYを体験できる。ぜひ、手作りの風味を味わってみたい。
美濃に来たら必ず味わいたいのが、客家グルメ。米粉で作ったうどんのような客家のライスヌードル「粄條」を出す店も多く、本格的な客家の味を楽しめる。なかでも美濃で店を開いて35年の「秀宜粄條」は、地元の人たちだけでなく観光客にも人気の高い店。粄條は、そぼろだれをかけた汁なしの「乾拌麺」、スープでいただく「湯麺」、香ばしい焼きそば風の「炒麺」の3種。それぞれに味わい深く、長く愛されるのも納得。食べずには帰れない伝統の味だ。
広進勝紙傘
高雄市美濃鎮民権路47号
+886-7-681-3247
9:00-18:00
原郷縁紙傘文化村
高雄市美濃区中興路一段147号
+886-7-681-0888
平日9:00-17:30、週末8:30-18:00
美濃民俗村
高雄市美濃区中山路二段421巷80号
+886-7-681-7508
平日8:30-17:00、週末8:00-18:00
美濃駅桟擂茶舖
高雄市美濃区成功路142号
+886-7-681-8475
10:00-18:00
秀宜粄條
高雄市美濃区美興街18号
+886-7-682-0826
平日9:00-18:30、週末8:00-20:00
美濃と旗山でサイクリング
のんびりした田舎の風情と田園塩風景を楽しむには、自転車に乗って美濃と旗山をめぐるのがおすすめ。ゆっくりと、山水が織りなす美しい風景を感じられる最高の時間になるだろう。美濃には何本ものサイクリングロードが整備されている。初めてなら、ビジターセンターで自転車を借りて、全長5.4キロの美濃湖環湖サイクリングロードにトライしてみよう。
旗山では、旗山バスターミナルで自転車を借りて出発しよう。歩いても行ける範囲にある製糖工場、老街、鼓山などへも、自転車ならもっと楽にアクセスできる。途中の観光製糖工場「旗山糖廠」では、バナナアイスを食べて休憩しよう。「鼓山公園」では「孔子廟」を訪ねて、高台から町全体を見渡す眺望を楽しもう。
中正湖ビジターセンター
高雄市美濃区民権路
+886-7-681-2433
9:00-18:00
旗山バスターミナル
高雄市旗山区大同街23号
+886-7-661-2053
六亀 山間部の秘湯
宝来温泉
高雄東北部の山間部に位置する六亀区は、梅と温泉で有名な景勝地。「宝来温泉」は炭酸水で、水温は約60度。温泉ホテルの多くが荖濃溪にかかる「宝来一号」大橋近くの河畔に集まっている。「花賞温泉公園」は宝来温泉の新しいスポット。約60ヘクタールの広さを誇る公園内には、足湯や手湯などの温泉施設が設置されているほか、1000株以上の草木が植えられており、観光客は花畑に包まれながら温泉浴を楽しむことができる。
花賞温泉公園
高雄市六亀区宝来里
一足のばして行きたい観光スポット
高雄 旗山・美濃・六亀 観光マップ
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。