熱炒 炎で炒め揚げる醍醐味
企画構成/鍾昀彤 文/鍾昀彤・劉宛昀・楊善文 写真/宋育玫
「熱炒」の世界
台湾には「熱炒店」というジャンルのレストランがある。「熱炒(ラーツァオ)」とは文字通り、強火で炒めあげる料理をいう。しかも民家では考えられない火炎で一気に炒めるところに醍醐味がある。一皿が100-200 元(五百円前後)と手軽で、メニューが多く深夜まで営業していることから、仕事帰りや友人同士の会食に利用される。一方、ツーリストにとっては、地元の人たちの食生活や暮らしぶりに生で触れる絶好のスポットでもある。
*未成年者飲酒と飲酒運転は禁止されてます。
目次
33区熱炒
熱炒ストリート長安東路いちばん人気!
林森北路と長安東路が交差する周辺は多くの「熱炒店」が集まる一角。「33 区」はそのなかでとくに有名なレストラン。隣の串焼店「薑母六三」も同じオーナーなので、いずれの店に入っても、「熱炒」と「串焼」が同時にオーダーできる。六十以上のメニューがあり、なかでも人気は日本でもおなじみの酢豚「糖醋排骨」。骨付きのリブに玉ねぎ、ピーマン、パイナップルを取り合わせた逸品だ。「塔香茄子」は九層塔(台湾バジル)とナスのピリ辛炒め。シンプルながら鮮やかな彩りが食欲をそそる。「香酥牛蒡」はゴボウの千切りの香味揚げ。ほかに刺身や海鮮もスタンバイ。どれも台湾ビールのお供に最適。
台北市中山区長安東路一段63-1 号+886-2-2563-3687
11:00-14:00、16:00-02:00
現金のみ/ミニマムチャージ:無/サービス料:無/予約:可
全福海鮮
弁当屋さんの正体は炎の料理人だった!!
仁愛路ロータリーそばの全福海鮮。午前は弁当屋だが夜間は熱炒店に変身する。一般の熱炒店と異なり、外観・内装ともにシンプルかつ清潔なイメージで統一されている。「海鮮」を謳うように食材は当然新鮮さにこだわる。しかもボリュームたっぷりのことから地元民に愛用されるほか、外国人ツーリストの姿も少なくない。「皮蛋地瓜葉」は栄養価の高いサツマイモの葉と皮蛋(ピータン) をニンニクとともに一気に炒めあげた、しゃきしゃき感がたまらない野菜炒めの一級品。おつまみに欠かせない「辣子雞丁」は紅辣椒と花椒を使って鶏の胸肉をピリ辛風味に仕上げる。「鹹豬肉」は焼き上げた塩味のばら肉をニンニク風味のたれでいただく前菜。
台北市仁愛路四段48 巷7 号+886-2-2702-8818
18:00-1:30
カード: 可/サービス料: 無/ミニマムチャージ: 無/予約: 可
小張亀山島
宜蘭大渓漁港直送新鮮海鮮が自慢!
台北遼寧夜市には多くの海鮮熱炒店があるが、なかでも小張亀山島は素材が豊富で新鮮と人気が高い。宜蘭県の大渓漁港で育ったオーナー「張さん」にとって海鮮はお手の物。養殖物や冷凍品は一切使用せず、実家の海産物を取り寄せて店頭に陳列している。その景観が目を引き、多くの外国人観光客も立ち寄るとか。大ぶりの生カキに片栗粉をまぶして強火で揚げた「蚵仔酥」は塩コショウでいただく。さくさく、しっとりの食感で箸が止まらない。おすすめの「炒蛤蜊」は台湾風酒蒸し。ぷりぷりのハマグリをショウガやニンニク、米酒とともにざっと炒める。香ばしいサクラエビ入りのチャーハン「櫻花蝦炒飯」は、締めに最適!
台北市中山区遼寧街73 号+886-927-808-693
17:00-1:00
現金のみ/サービス料: 無/ミニマムチャージ: 無/予約: 可
大道18号精緻熱炒
東区サラリーマンのアフターファイブ天国
オフィス街に近い市民大道上の大型店。平日にはアフターファイブの会社員、週末には多くの家族連れでいっぱいになる。新鮮な素材を生かした台湾の北部、中部、南部の料理が出そろい、外国人観光客にも人気が高い。豚肉をサテソースで炒めた「沙茶豚肉」は、ピリ辛でご飯が進む。澎湖直送のイカをさっと湯がいた「小卷川燙」は新鮮なイカをワサビ醤油であっさりいただく。「金沙蝦球」は、衣に黄金色の黄身をからめたエビ団子の揚げ物。
台北市大安区市民大道四段20 号+886-2-2711-0985
17:00-14:00
カード: 可/サービス料: 無/ミニマムチャージ: 無/予約: 可
b E E R u 啤調客
熱炒ニューウェーブ!
台北市東部の繁華な市民大道上にあるインダストリアルなビストロ風バー。台湾では珍しい自製のクラフトビールが目玉で、カウンターには三種の生ビールーバーを設置。量り売りでセルフでビールを注ぐこともできる。ビールのおともには台湾風創作料理を。
+886-2-2577-1815
18:00-2:00
カード: 可/サービス料:10%/ミニマムチャージ: 一人NT$350 ( 休日)/予約: 可
参和院
モダンに楽しむ!
そごうデパート近くの台湾風ビストロ。伝統的な台湾料理のほか、各国の料理をイメージした多彩なアイデア料理を提供。フロアは、台湾の古いアパートを思わせるモザイクタイルの床と打ちっぱなしの壁、木枠の窓が独特の風情を醸している。
台北市大安区忠孝東路四段101 巷14 号+886-2-2731-3833
11:30-23:00
カード: 可/サービス料:10%/ミニマムチャージ: 一人NT$300/予約: 可
www.sanhoyan.com.tw
こちらもおすすめ!
早朝の豆乳店から深夜の粥店まで、台北は24 時間美食が楽しめる「眠らない町」。そんな台北の「深夜食堂」をご紹介。
熱炒 台北6選 マップ
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。