台北 進化する 伝統市場 3選

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台北 進化する 伝統市場 3選

企画構成/鍾昀彤 文/鍾昀彤 写真/宋育玫

台北 進化する 伝統市場 3選

士東市場

 

台北 進化する 伝統市場

変わらない地元の人情にふれる

台湾の伝統的な市場は、なかなか個性的。土地の風土や人々の暮らしぶりに触れるなら、市場探検がおすすめ。かつて台湾の市場は、あまり清潔ではない印象を与えていたかもしれないが、近年は次々にリニューアルされ、デザイン性に富んだ明るく洗練されたマーケットに変身中だ。

今回の特集では、リノベーションを経て現代化された士東市場、日本時代からの歴史を持つ萬華の東三水街市場、そして台湾大学に近い水源市場を紹介する。老舗を訪ね、その店にまつわる故事に耳を傾け、ご当地グルメや地産の食材を見聞してみよう。きっと新しい台湾が発見できるはずだ。

士東市場

士東市場

 

士東市場

2階建ての建物は1992 年に改築されたもので、台北市内では近代的市場のモデルとされてきたが、さらに2017 年にはデザイナーグループ「美好関係」が美術系学部の師生とコラボし、場内19店舗のリノベーションをおこなった。店舗空間から看板や陳列方法・照明、さらには店員のコスチュームやエプロンまでトータルデザイン。「市場」のイメージを一新させた。

士東市場
士東市場

士東市場に入ってみると、伝統市場に特有の雑多な印象がないことに気付くだろう。天井が高く、明るく広々とした空間が広がっている。歩いていて気持ちがいいのは、足元が徹底して清潔に保たれており、肉や魚の生臭さを感じないから。

新鮮な青果物や各種食材のほか、色とりどりの花が場内の明るい雰囲気を作り出している。カートやバッグを貸し出すサービスもあって、気軽に買い物に行ける。歴史と伝統にデザイン性と実用性が加わり、伝統市場がおしゃれなスポットに変身した。

カートの貸し出しは台湾の伝統市場でここだけ!

カートの貸し出しは台湾の伝統市場でここだけ!

買物バッグ貸し出しサービス

レンタル買物バッグは期限内に返却すると料金も返却となる

期限内に返却すると料金も返却となる

自動販売機風

士東MAP

台北市士林区士東路100 号
1 階7:30-19:30、2 階7:30-21:00、月曜定休
 MRT 芝山駅下車後、616 番バスで「天母棒球場」下車
 www.shi-dong.com.tw/

 

三年九班豆工廠

三年九班豆工廠

遺伝子組み換え豆類不使用の食品店。創業者が民国39年(1950年)生まれで、ブースの番号も39番だったため、これが店名の由来となった。今は2代目の楊雅萍さんと鄒任哲さんが切り盛りする。

もとは、1970 年代に士東路で開業した家族経営の小さな工場だった。豆花作りから始まり、のちに新鮮な豆腐と豆乳も手がけるようになった。当時は士東市場の前身である蘭雅市場の露店だったが、混ぜ物のない本物のおいしさで人気を集めた。士東市場に移った2代目の楊さんは、長女として小学校生のときから店を手伝ってきた豆腐作りの達人だ。

店内には豆製品が勢ぞろい。毎日15種以上用意する総菜も、主婦たちの人気を集めている。商品の下には大きな氷塊が敷かれており、希望すれば保冷用のバッグも購入できるので、いつでも新鮮な商品を買い求めることができる。

三年九班豆工廠

三年九班豆工廠
三年九班豆工廠
士東市場39 番
+886-2-832-8699
7:30-17:00、月曜定休

 

信德製麺店

信德製麺店

オーナー 「うちの奥さんは、俺の作る麺が好きだからお嫁にきたんだよ!」

オーナーの陳啓東さんの一家は、兄弟3人がいずれも製麺業に従事している。士東市場の前身である蘭雅市場の時代から30年あまり、今も家族で店を切り盛りしている。

製麺はなかなか手間がかかる力仕事だが、水を加えてこね、平らに伸ばして切る作業の大半は機械化されている。ただ伝統の味を守るためには生地作りに熟練の技と勘が欠かせない。

餃子の皮を製作中

餃子の皮を製作中

餃子の皮の型抜き

餃子の皮の型抜き

餃子の皮と各種麺

餃子の皮と各種麺

中国語の「麺」には水餃子やワンタンの皮も含まれるが、10歳から生地をこねていた陳さんにとっては、どんな「麺」もお手の物だ。受け継いできた口当たりやこしにこだわり、小麦粉と水、それに少々の塩のみという伝統の製法を守り続けている。

細麺・幅広麺・ラーメン・刀削麺・全麦麺・ほうれん草麺・ニンジン麺など種類も豊富。ゴマペーストの芝麻醬や豚そぼろ麺の肉燥醬、ピーナッツパウダーなど調味料も販売している。

信德製麺店

士東市場54 番
+886-2-2834-5340
7:30-18:00、月曜定休

 

草山新鮮蔬菜

草山新鮮蔬菜

おしゃれな青果店は麻布の暖簾をかけた古風な佇まい。店先では、籐製の籠と木製の箱に詰められた色とりどりの野菜が迎えてくれる。オーナーの荘富美さんは元専業主婦。家庭の主婦の目線と経験を生かして市場で野菜を売る立場に大変身した。食の安全や産地を保障できるよう、トレーサビリティーを導入している品質のしっかりした温室栽培の野菜を主力に取り扱う。

草山新鮮蔬菜

士東市場112 番
+886-2-2833-8811
7:30-18:00、月曜定休

 

蘭雅鮮花庄

蘭雅鮮花庄

色とりどりの花かごや鉢植えが並ぶ欧風モードの店舗は、士東市場でもとくに目を引く。オーナーの許桂招さんは34年におよぶフラワーアレンジメントのキャリアを持つ。店内の花束や鉢植えは商品であると同時に、彼女が心を込めてデザインしたアート作品でもある。新鮮な花々が発する生気が訪れた人の心身を癒す。花瓶や園芸用品も取り揃えており、選択の幅が広いのもうれしい。

蘭雅鮮花庄
蘭雅鮮花庄
士東市場127 番
+886-2-2833-0225
7:30-18:00、月曜定休

 

 

水源市場

台北市中正区、MRT 公館駅に近い立地。日本時代、上水道の施設があったことから、水道町と呼ばれており、そうした由来から1980年に市場が設置されたとき水源市場と名付けられた。ビルの1、2階が市場にあたり、周辺の夜市と連動することによって公館エリアでとくに賑やかな一角として知られる。

水源市場が入居する水源ビルは2010 年に、イスラエルのアーティストの手でリニューアルされた。壁には幾何学的な図形がカラフルに配置され、三方向からみるとそれぞれ異なる外観をみせるのが特徴的。

水源市場

水源市場

台北市中正区羅斯福路四段92 号
7:00-20:00、隔週月曜定休
 MRT 公館駅から徒歩1分
 www.facebook.com/ShuiyuanMarket1953/

 

1:12 荘園精品咖啡

1:12 荘園精品咖啡

コーヒーが大好きなオーナーのGary さん

青果店の隣に佇むハンドドリップコーヒーの小さな店。厳選した農園から取り寄せたコーヒー豆を10 種類以上そろえる。オーナーのGary さんはインテリアデザイナーの出身。店名の「1:12」は一番人気のあるコーヒー豆と水の比率から名づけられた。水源市場で、ゆったりハンドドリップコーヒーを楽しんでほしいという思いが込められている。

1:12 荘園精品咖啡
1:12 荘園精品咖啡

1:12 荘園精品咖啡

水源市場1F11 番
12:30-19:00、月曜定休
 www.facebook.com/112coffee/

 

索菲烤布蕾

ソフィア(索菲)さん

オーナーのソフィア(索菲)さん

もとはスイーツ好きの許庭瑄さんが週末に開いていた屋台だった。「ソフィア(索菲)」は彼女の英語名。市場内に進出した今は、店内で8 種の商品を提供している。名物のクレームブリュレ「烤布蕾」は、実父の農場から取り寄せる地鶏の卵と、フランスのブランド「イズニー」の生クリーム、マダガスカル産のバニラを使った、やわらかで繊細な口当たりの逸品。許さんは、真心込めたスイーツを通してゲスト一人ひとりに幸福を届けたいと願っている。

クレームブリュレ

クレームブリュレ

モンブランタルト

モンブランタルト

マーブルチーズケーキ

マーブルチーズケーキ

索菲烤布蕾

水源市場2F
+886-918-820-708
12:00-20:00、月曜定休
 www.facebook.com/sophiabrulee/

 

 

東三水街市場

名勝・龍山寺のそばにあり、日本時代を代表する生鮮市場として知られる。80年の歳月を経て、いまも地元の人たちが食品や日用品を求めて集まる。駄菓子や懐かしい食品が並ぶため、遠方からの買い物客やツーリストも少なくない。東三水街市場の隣は食文化センターにリノベーションされた新富町文化市場。アート・カルチャー・農業・食育がコラボし新旧が融合したエリアとなっている。

2015 年から2017 年にかけて、IKEA と台北市が提携して東三街市場をリモデリングする試みがおこなわれた。伝統市場のイメージ一新である。その結果、各店舗で陳列や收納、照明がより明るく、シンプルになった。一つひとつの商品や農産品が引き立ち、おいしそうに輝いてる。

東三水街市場

東三水街市場

東三水街市場MAP

台北市萬華区三水街101 号
+886-2-2306-0402
8:30-17:00、月曜定休
 MRT 龍山寺駅から徒歩2 分

 

石福菜舖

3 代続く創業100 年の青果店。オーナーの発さんが85 歳の母親と営む。陳列台の上には籐製のシェードを掛けたランプが灯り、色とりどりの新鮮な果物と野菜がまるでパレットのように並ぶ。

石福菜舖

 

國本鶏鴨行

オーナー夫婦は、台東から取り寄せた地鶏を店頭に吊り下げ、二つの大きな鉄鍋を使って毎日鶏のモツを煮込む。価格は良心的で、ボリュームも十分と客足が絶えない。

國本鶏鴨行

 

 

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士東・水源・東三水街 市場マップ

 

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