花蓮 足をのばして、花蓮の海と山の、その先へ！
企画構成／鍾昀彤 文／高田雅子 写真／宋育玫・視野創異行銷
花蓮市中心から鉄道に揺られてさらに南下していくと、海に山に、自然や文化との触れ合いが魅力的な土地が広がっている。足をのばして、一泊だけではもったいない、この大きな土地の深い魅力に触れてみたい。
目次
鳳林駅
客家の郷で、スローライフを楽しむ
鳳林鎮は、人口の約六割を客家の人々が占める客家の郷。世界的なスローシティ運動に参加するスローライフ・スローフードの街でもある。ゆったりとした時間が流れる素朴な土地だ。
客家文物館
鳳林公園内の資料館。イラストや写真、実際に使用されていた衣服や農具、生活用品などの展示を通して、台湾西部の新竹や苗栗から、東部のこの地に移住し、開拓に携わった客家人の歴史や文化を学ぶことができる。
8：30-12：00、13：30-17：00、月曜・祝日定休
花手巾植物染工坊
絞り染めが体験できる工房。ハンカチやストールなどの布製品を、見本の図柄にあわせて、畳んだり、石や板などを包んだりした後に、白く残したいところを糸や輪ゴムでくくり、染料で煮て染付けを行う。水洗いして乾かせば、作品の完成だ。初めてでも、講師の先生が手伝ってくれるので安心。糸を切り開いて染め上がりと対面するのは、子供も大人もわくわくする瞬間だ。自分だけのオリジナルデザインに挑戦してみよう。
自分だけのオリジナルを作ろう！
糸でぐるぐるくくって
染料で煮て
水洗いして糸を切る
08：00-17：00
染め物体験は予約制（03-876-0905）。所要時間二時間程度。（図柄により異なる）
如意亭美食館
地元民おすすめの食堂。店内には、竹筒で作ったメニューが掛けられ懐かしい雰囲気。干した豆腐やイカなどを炒めた客家小炒など、定番の客家料理がそろう。濃いめの味付けの客家料理は、白いご飯に合う日本人好み。鳳林公園見学の際に、ぜひ立ち寄りたい。
左上時計回り：山菜の和えもの、酔鶏（蒸鶏酒漬け）、客家小菜、薑絲大腸（豚大腸酸菜生姜炒め）
11：00-14：00、17：00-20：00、月曜定休
光復駅
山紫水明の地で、大地の恵みにふれる
光復郷は旧名を、原住民阿美族の言葉で樹豆を意味する馬太鞍（ファタアン）という。中央山脈と海岸山脈にはさまれた土地に、馬太鞍渓などの川が流れる山紫水明の地だ。
花蓮観光糖廠
1921年に建設された旧上大和製糖工場跡。外壁の一部には、第二次世界大戦中の空襲で受けた銃弾の跡が残る。現在は観光工場として整備され、人気観光スポットとなっている。名物のアイスは必食。
壁の一部に銃弾の痕跡が残る
資料館
敷地内に立ち並ぶ木造日本家屋の旧職員宿舎は、ホテルやカフェレストラン、ギャラリーとして利用されている。宿泊には朝食とレンタル自転車込み。一泊して、近隣の湿地の生態や農村の文化を訪ねるサイクリングに出かけるのもおすすめ。
おばあちゃんの田舎に帰ってきたような、懐かしい日本家屋の宿
アートギャラリー
地元アーティストの作品が並ぶ
ショップ09：00-18：00、アイス販売08：00-20：00（7、8月は21：00まで）
http://www.hualiensugar.com.tw/
大農大富平地森林園区
「低炭素・低密度・低開発」の三原則に則り造林された花東縦谷の豊かな自然が身近に感じられるロハスな森林園区。1250ha（東京ドーム約266個分）の広大な園区には、森林、花畑、サイクリングロード、自然歩道など、見どころ多数。特に森林は、樹木の樹齢はまだ若いながらも、数多くの鳥類、昆虫、爬虫類などが生息する絶好の生態観察スポットだ。
ビジターセンター09：00-17：00、年中無休
光復駅または大富駅から車、レンタル自転車を利用
馬太鞍湿地生態園区・欣緑農園
馬錫山麓に広がる天然の湧水が流れる湿地帯。百種類を数えると言われる水棲動物、季節ごとに異なる表情を見せる多彩な植物など、豊かな生態系が魅力。欣緑農園では、竹やサルスベリで編んだ籠を水中に投じる「Palakaw」という阿美族伝統漁法でとれた魚介類や、現地の珍しい山菜を使った原住民料理が味わえる。紅米楽活館と種子館では、特産の赤米や全国から収集した種子の展示を行っており、種子工芸や山菜ワッフルのDIYも楽しめる。
湧き水の流れに設置されている阿美族伝統漁法「Palakaw」の漁具
珍しい山菜を使った原住民料理
山菜ワッフル
+886-3-8701861
http://www.shin-liu.com/
瑞穂駅
ミルクの故郷で、牧場の風に吹かれる
瑞穂は農牧が盛んで、牛乳やお茶、文旦など、台湾全国に知られる特産品も多い。山あいの街で、清らかな水と空気、豊かな土地がもたらす恵みを、体いっぱいに味わってみよう。
瑞穂牧場
台湾で最も有名な牛乳ブランドのひとつ「瑞穂鮮乳」の名前の由来となっている牧場。乳牛やダチョウへのエサやり体験を楽しんだら、オープンカフェで牧場を眺めながら、新鮮なミルクやヨーグルトでほっと一息。お土産には乳牛軋（ミルクヌガー）がおすすめ。
こんにちは！ ダチョウのごあいさつ
牛のえさやりは子供たちに大人気！
年中無休
入場無料、エサやり体験NT$20
石梯坪風景区
日程に余裕があれば、海沿いの絶景にも足をのばしてみたい。石梯坪は、地層の隆起や海水の浸食が生み出した海成段丘。海蝕台、海蝕崖など美しく壮大な地形が広がる。台湾一ともいわれる甌穴群は必見。訪問は歩きやすい靴で。
海沿いのエリアには、花蓮駅からのアクセスが便利。花蓮駅より花蓮客運1127、1140、1145に乗車、「石梯坪」下車。
月洞
阿美族の雨乞いの聖地とされてきた天然の鍾乳洞。洞内の湖には、千年ウナギが生息するという伝説も。小舟に乗って湖を進むと、ライトに照らされ、コウモリの群れ、鍾乳石、伏流水など神秘的な景観が浮かび上がる。
09：00-17：00
NT$大人100、子供NT$50（乗船、ガイド代を含む）
花蓮駅より花蓮客運1127、1140、1145に乗車、「石梯坪」下車。海岸公路を南に徒歩15分。
一足のばして行きたい観光スポット
花蓮 鳳林駅・光複駅・瑞穂駅 マップ
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。
