冬を暖かく ― 台湾の超人気「 鍋 」5選!!
企画構成/鍾昀彤 文/鍾昀彤・楊善文 写真/宋育玫
肌寒い冬はまさに鍋の季節。とはいえ、台湾では季節を超えて、様々なスタイルの鍋料理が市場に登場している。今回は中国東北地方の酸白菜鍋、海鮮辛味鍋、蒸し鍋など、いまホットな人気鍋店を特集する。
目次
老舅的家郷味
2008 年に台中で創業。店長は、中国瀋陽生まれの母の味を伝承するために、「酸白菜鍋」と母の故郷の味である「東北料理」を出すレストランを開いた。台北店は、都会の若い人にも東北料理を知ってもらいたいと六年前に設けた。淡色の木をあしらった内装は鍋店としてはとても斬新。
酸白菜鍋は、香りがよく出る銅製を使用し、炭火がじっくりと酸白菜の風味を引き出してくれる。「酸白菜」は東北地方伝統の白菜の酸っぱい漬物。韓国北部で栽培された歯ごたえのある白菜のみを使用する。ゆでたあと、重石をして塩漬けにし、最後に醗酵室に入れれば一か月ほどで完成。完全自然発酵、化学調味料不使用なので、自然の旨味が活きる。
中華マントウ、肉汁たっぷりの肉団子、甘草で育てた臭みのないハーブ豚バラ肉、身がつまった手作り海鮮団子など、具材へのこだわりも自慢。これに自家製腐乳、塩漬け花ニラ、ニンニク酢(ニンニクをまるごと黒酢、砂糖に漬けて作る甘酢)、唐辛子ソースをつけて食べれば、ひときわ美味。また注文を受けてから作る北方の麺料理、手延べ葱油餅(中華風葱焼き)、ニラ餃子などもあわせていただきたい。
+886-2-2718-1122
11:30-14:00、17:00-22:00、水曜定休
サービス料:10%/ミニマムチャージ: なし/カード: 可/予約: 可
蒸龍宴
台中に登場した「蒸龍宴」は、台湾初の蒸し鍋料理レストラン。オープン以来、台湾各地に蒸し鍋料理ブームを広めた。二十数年前に中国に出張した店長が本場の蒸し鍋料理を賞味し、2015 年6月に台湾に持ち込んだ。食材本来の風味とともに栄養分も残す工夫を加えた台湾式蒸し鍋料理である。
台北敦化店は2016 年12 月のオープン。店内はシンプルなヒノキで内装を施してアットホームな雰囲気を醸している。メニューから単品またはセットを注文でき、活魚のコーナーで好みの鮮魚も選べる。食材は全て高圧ナノ蒸気鍋で蒸すので、四分から七分ほどで火が通り、調味料を一切使用せずに旨味と水分を閉じ込める。最後にお好みでローズソルトや塩コショウをふっていただく。まさにヘルシーな特製鍋料理である。
まず生米、干し貝柱、干しエビでとっただしを鍋の底に入れる。蒸篭で蒸された食材のエキスがぽとぽとと粥の中に落ち、絶品の海鮮粥ができる仕組み。店長のお薦めは、台湾産食材三種。まずは自然養殖の屏東産テナガエビ。肉質はとてもやわらかい。コラーゲンを豊富に含む虎紋石斑(ハタの仲間)は海の幸の旨味をしっかり味わえる。また、台中大甲農会の青葱ソーセージは黒豚の肉とすがすがしい葱の香りがマッチした逸品。
敦化店
台北市松山区敦化北路303 号
+886-2-2713-1155
11:30-14:30、17:30-22:00
サービス料: 10%/ミニマムチャージ: NT$500/カード: 可/予約: 可
www.steamedking.com
天銅火鍋達人
繁華な台北市東区の大安路に位置する。看板から店内までシンプルなスタイルで統一されている。開店からまだ一年だが、すでに行列ができる盛況。鍋が大好きという彭店長は、理想のだしを求めて台北中の鍋を食べ歩き、最後は日本産の最高級昆布を使った黄金色のだしに行きついたという。長時間煮込んでもすみきったスープに旨さの秘密があり、食材の味が際立ち、深みのあるのど越しが生まれる。
昆布だし以外に、昆布だしをベースとするトマト風味、ヘルシー、激辛鍋、ピリ辛海鮮鍋の四種のテイストがあり、お好みで選べる。中でも、海鮮鍋の辛口だしは、店長がはるばるマカオの有名海鮮レストラン「水佬栄」に赴き学んだもの。唐辛子、玉ねぎなどの香辛料を使い、最後に昆布だしで旨味を加えた、辛さの中にも甘みがあるスープは、第二の人気だしとなっている。
シーフードセットを注文すれば、産地直送のエビ、タイ、アサリ、カキ、アオリイカ、帆立貝などを盛り合わせてあり、しゃぶしゃぶ風にいただける。肉は、アメリカ産高級牛肉、ラム肉、良質の豚肩ロースをまとめ買い。鮮度、品質、価格と三拍子そろって、鍋好きを魅了する。
台北市大安路一段8 号+886-2-8773-6399
16:30-8:00
サービス料: なし/ミニマムチャージ:NT$150/カード: 可/予約: 可
子辣麻辣鍋
一人鍋を扱う店として、競争の激しい台北激辛鍋業界に君臨。店長は中国四川省で本場の激辛鍋を学んだ。20 種ほどの生薬と四川産豆鼓( 発酵大豆の調味料)、ラー油豆板醤、自家製唐辛子ソースを使い、毎日オリジナルのだしを作り上げる。
特にお勧めの重慶水煮魚鍋は、四川省重慶の街でよく見かける本場の水煮魚鍋を台湾で再現したもの。だしは自家製激辛鍋の材料を豚骨スープに加え、もやし、アゴナシを一匹入れて煮る。煮込んだアゴナシは臭みがなくておいしく、やわらかい身は山椒の香りをまとっている。特製のパクチーたれをつければ、酸味と辛味が重なり深みが増す。
台北市松山区延吉街12-1 号+886-2-2578-1060
11:30-14:15、17:00-23:30、(金曜は22:30 まで)
サービス料: なし/ミニマムチャージ: 1 人NT$328/カード: 可/予約: 可
www.facebook.com/zilaspice
問鼎
食べ放題激辛鍋の「馬辣」が2015 年6 月に設立した新ブランド。待ち時間に無料でOPI ネイルアートとマッサージを利用できるうえ、16 種のテイストのHäagen-Dazs のアイスクリームも食べ放題。さらに清朝皇帝の衣装を着て皇帝の椅子に座って記念撮影もできる。
激辛鍋、野菜鍋、養生鍋、酸菜鍋、アサリ鍋の五種のだしから一種あるいは二種選ぶシステム。メインはアメリカ産プライム牛バラ肉、デンマーク産豚ほほ肉、北海道産タラバガニなどの高級肉と海鮮。エリンギを株ごとテーブルに出すという初の試みにより、キノコ採りの楽しみを提供する。手作りの団子、中華オムレツ、牛の胃、牛筋のおでんも、激辛だしを吸って味わいが増すので、ぜひ賞味してほしい。
台北市大安区忠孝東路四段210 号2 階+886-2-2731-2107
11:30-24:00
サービス料:10%/ ミニマムチャージ:1 人NT$350/カード: 不可/予約: 可/2 時間制限
www.wending.com.tw/
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