南投 ~埔里・草屯・清境~

企画構成/鍾昀彤 文/鍾昀彤 写真/宋育玫・視野創異行銷

清境農場・青青草原

南投県は台湾本島のど真ん中に位置する。台湾では唯一海に面しない内陸県である。台湾最長河川の濁水渓の源流にあたるほか、台湾最高峰の玉山、最大湖水日月潭を擁し、台湾本島中心碑が建つ。水質や土壌がよく、寒暖差と標高差に富むことから花卉や農産物が豊富で、製酒、製紙、漆器などの産業が勃興した。

南投は歴史的にもさまざまな故事に包まれている。例えば、山間の埔里の町には、交流のシンボル紙教堂や歴史ある埔里酒廠、広興紙寮、敲敲木工房など点在している。さらに草屯まで足をのばせば蔡式釀酒工場が控え、清境農場では海拔一千七百メートルの眺望が堪能できる。

 埔里紙教堂、広興紙寮は台湾鉄道台中駅あるいは高速鉄道台中駅から台湾好行バス-日月潭線利用。
 http://www.taiwantrip.com.tw/line/8?x=2&y=2

南投MAP

 

埔里

埔里で遊ぶ!

紙教堂

紙教堂

幻想的な夜の紙教堂

58本の紙のパイプからなる教会。屋内外ともすべて紙で製作されている。大きな震災を同時期に受けた神戸から贈られたもので、復興のシンボルであるとともに、生態観察スポットとしても知られる。レストランとギフトショップを併設。

紙教堂
紙教堂
南投県埔里鎮桃米里桃米巷52-12号
+886-49-291-4922
9:30-18:00

 

埔里酒廠

埔里酒廠

日本時代に創建された伝統ある醸造所で、台湾初の観光製酒工場として名高い。特に当地の「紹興酒」は、そのまろやかな口当たりが高く評価され、近年は紹興酒を使ったさまざまな食品を開発し、即売している。

埔里酒廠

南投県埔里鎮中山路三段219号
+886-49-298-4006
8:30-17:00

 

大黒松小倆口 元首館

大黒松小倆口 元首館

台湾の代表的土産物ブランド「大黒松小倆口」の観光パビリオン。台湾歴代元首がテーマで、館内ではヌガーや菓子ギフトセットのほか元首にまつわる新商品が販売されている。

大黒松小倆口 元首館
大黒松小倆口 元首館
大黒松小倆口 元首館

シューアイス

大黒松小倆口 元首館

元首餅

南投県埔里鎮中山路四段219号
+886-49-291-8668
平日9:00-17:00、週末9:00-17:30

 

観音瀑布

観音瀑布

埔里から霧社方面に向う台十四線の街道沿いにある。三層からなる滝で、各層の落差が大きく壮観。清冽な水滴が飛び散るため避暑には最適の名所となっている。

観音瀑布
観音瀑布
 埔里ターミナルから南投客運バスで観音瀑布前下車。

 

埔里の手作り体験

広興紙寮

広興紙寮

埔里の紙作りは清代末期に遡る。水質清浄なことから日本時代には高級和紙の産地となり、埔里繁栄の起爆剤となった。今は広興紙寮など僅かな工房が残るばかりだが、観光工場にスタイルを変えて、伝統工芸の技を継承している。

広興紙寮
広興紙寮

広興紙寮では専業のガイドが製紙の原料・器具、紙質の見分け方を紹介してくれるほか、手作り体験にもチャレンジできる。バルプを漉いてプレスし乾燥させると一枚の紙の出来上がり。当工房では参観者の記念になるよう、図案をプリントして渡してくれる。

広興紙寮

南投県埔里鎮鉄山里鉄山路310号
+886-49-291-3037
9:00-17:00
DIY体験費用: 100元より(コース別)

 

敲敲木工房

敲敲木工房

林業資源豊富な埔里では木工も盛ん。全盛期には欧米からクリスマスの飾り物などの発注を受けていたが、時代は大きく変わった。「敲敲木工房」は2012年「海山手工芸社」の二代目、施文傑が創立、オリジナリティに富む当地ならではの商品を創作している。館内では木工の歴史がたどれるほか、木工DIY体験コースも用意されている。製作は釘や螺子を一切使わず、木槌のみで組み立てるので、家族連れにも歓迎されている。

敲敲木工房
敲敲木工房
南投県埔里鎮大同街37号
+886-49-291-7803
木曜-月曜9:30-16:30、火曜・水曜定休 DIY: 9:30-10:30、13:30-15:00
DIY体験費用: 作品により異なる

 

埔里の美食

大樹下肉圓

大樹下肉圓

肉圓とは、タピオカ製の厚い皮で包んだ台湾風肉団子をいう。当店では米とサツマイモからなるふわふわの外皮と豚肉とタケノコの餡を毎日手作りしている。地元の人たちには、中の餡を残して豚骨スープに入れて、締めとする習慣があるという。

大樹下肉圓

南投県埔里鎮中山路二段131号
+886-49-298-5572
12:00-24:00

 

日月包子

日月包子

三角窓がノスタルジックな風情を醸す木造建築。「包子」とは肉まん類のこと。地場の食材を取り入れては新商品を開発しているので、当店には15種近くがそろう。「埔里香菇蛋黄包」は埔里名物のシイタケ入りの肉まん。外皮からはほのかに麦の香りがして、ボリュームのある餡は塩味の黄身がアクセントになっている。「紅豆包」は粒あんがとろける「あんまん」の逸品。

日月包子
日月包子
南投県埔里鎮大城里信義路967号
+886-49-291-9786
10:00(売切れまで)、月曜定休

 

蘇媽媽湯圓

蘇媽媽湯圓

「湯圓」は白玉のスープで、甘いタイプと塩味のタイプがある。路地裏にありながら、開店と同時に多くの顧客が訪れる。真夏にお勧めは「養生甜湯圓」。小豆と燕麦をベースに、紅麹、抹茶、しょうが、サトイモなど多彩なテイストの白玉が味わえる。「鮮肉湯圓」はもち米の外皮でネギ、シイタケ、豚肉を包んだ団子を豚骨とホタテのスープに浮かべた人気メニュー。

養生甜湯圓

養生甜湯圓

鮮肉湯圓

鮮肉湯圓

南投県埔里鎮中山路三段118号
+886-49-298-8915
11:00-21:00、水曜定休

 

Feeling18

Feeling18

高品質のチョコレートブランドである。近年は埔里名物の一つとして知られる。店名は摂氏18度に由来し、チョコレートの生産・保存・風味には温度が深くかかわっているという。2009年には天然低脂肪・低糖のジェラートGelato18を発売し評価を高めた。ブルーベリーヨーグルトとパッションフルーツが夏にはとくにおすすめだ。

Feeling18

南投県埔里鎮慈恩街20号
+886-49-298-4863
平日10:00 -19:00、週末10:00-20:00

 

埔里の宿

友山尊爵酒店

友山尊爵酒店

2013年に開業した当地では数少ない大型ホテル。立地がよく、埔里市内ツアーのみならず、日月潭、奧萬大、清境方面へのアクセスも至便。友山尊爵は「八分目哲学」を経営理念としている。自分のペースで仕事して、ゆったり過ごすことこそ幸福の方程式というモットーである。館内レストランもこの精神に則り、近場の食材を採用し、極力単純な調理法を心がけているという。

友山尊爵酒店

建物は16階建て。視野はよく、客室から台湾本島の中心にあたる虎頭山が眺望できる。またSPA美容室、ジム、男女サウナなどリゾート施設も整い、埔里では唯一屋外プールを擁する。同時に大型会議室や宴会ホールを具え、イベントや披露宴の利用も多い。ギフトショップでは、地元アーティストの作品や当地の名産・手工芸品を販売している。また最上階には二時間で一周する「360°回転レストラン」が控える。

友山尊爵酒店

南投県埔里鎮樹人路131号
+886-49-298-1122
  www.yooushan-hotel.com.tw

 

南投は民宿もおすすめ!

南投の民宿

南投の民宿

南投は埔里、日月潭(魚池郷)、渓頭(鹿谷郷)、清境(仁愛郷)などの人気スポットを擁する観光県である。そのため民宿の選択肢も七百軒と、トロピカルリゾート「墾丁」に次いで豊富だ。台湾の民宿は設備も近代的で日本のペンションに近く、その規模やランクは多岐にわたる。民宿の選択に当たっては、台湾政府交通部観光局「台湾旅宿網」を参考にしたい。合法の宿が一覧できるほか、価格や使用言語の情報を正確に知ることができる。

台湾旅宿網
 http://taiwanstay.net.tw

 

 

草屯

草屯で遊ぶ!

蔡氏釀酒観光工場

蔡氏釀酒観光工場

前身は廃棄された蔡氏醸造所。2017年5月に欧風の観光工場にリニューアルされてオープン。ゲートを入ると一面緑の広場が控える。建物は三階建てで、赤レンガの壁面、金色の看板、木質の玄関が異彩を放つ。まさに新旧が融合したムードだ。

蔡氏釀酒観光工場

蔡氏釀酒観光工場
蔡氏釀酒観光工場

工場一階は露天のホールとレストラン、二・三階は欧風の街角を思わせる雰囲気で、醸造の製造工程が参観できるほかビアホールが設置されている。ビール故事館は「熊阿蔡的家」と題して、ビールの製造方法や歴史を紹介している。一階レストランでは出来立ての生ビールがいただける。アルコールが飲めない人には、麦の香りほのかな「蔡氏麦汁(モルト飲料)」がおすすめ。「黄金脆薯(ポテト)」を配していただきたい。

蔡氏釀酒観光工場

出来立ての生ビールが味わえるビアホール

蔡氏釀酒観光工場

蔡氏麦汁(モルト飲料)と黄金脆薯(ポテト)

南投県草屯鎮碧山路1146号
+886-49-236-2957
14:30-21:30、水曜定休
大人: 100元/人

 

 

清境沿線

清境沿線で遊ぶ!

清境高空展望歩道

清境高空展望歩道

海拔1700メートルから2000メートルにかけ、全長1.2キロにわたる幅2.5メートルの歩道。清境国民賓館付近から入り、青青草原にまで至る台湾最高・最長の景観歩道で、バリアフリーの工夫が施されている。まるで白色の龍が天空に昇るかのようである。沿路六つの展望台が設置され、中央山脈および濁水渓がはるかに一望できるほか、足元には羊や牛たちの群れが草を食む様子がうかがえる。歩道は2017年7月25日にオープンしたばかり。ネットやスマホで事前のチケット購入をおすすめする。

清境高空展望歩道

南投県仁愛郷仁和路196-1号
7:30-12:00、12:30-17:00
料金: 大人50元/人
 チケット: https://nantou.welcometw.com/tickets/info/SINGLE/D3P

 

清境農場・青青草原

清境農場・青青草原

清境農場は海拔1,750メートル。四季を通じて清々しい気候だ。台湾でもっとも名高い高原で、「霧の桃源郷」の美称がある。農場は羊や牛の放牧エリア、そして野菜畑や果樹園が展開し、その高原野菜は定評がある。清境農場を訪れたら、あわせて青青草原もめぐりたい。休日にはヒツジの毛を刈るパフォーマンスが披露される。

清境農場・青青草原

仁愛郷大同村仁和路170号
+886-49-280-2748
8:00-17:00
  www.cingjing.gov.tw

 

小瑞士花園

小瑞士花園

清境農場内の花園で、「台湾のスイス」との美名をもつ。欧風の園内には、「ノルウェイ森林広場」「アルビスツインタワー」「落羽松歩道」「主題花園」といったコーナーが設けられているほか、世界各地から集められた花卉が植栽され、季節ごとに艶を競う。七、八月には「風ぐるま祭り」が開催され、一万を超える風ぐるまが登場する。

小瑞士花園

南投県仁愛郷定遠新村28号
+886-49-280-3308
9:00-21:00
大人: 120元/人

 

Nina妮娜チョコレート工房

Nina妮娜チョコレート工房

仁愛郷の清境農場そばの高山上にたつ。童話に出てきそうなお菓子の館風、チョコレート工場である。店名のニーナはオーナー夫妻の愛児に由来する。2011年クリスマスの創業。地元アーティストの張家銘に設計を依頼した建物はとてもファンタスティック。

Nina妮娜チョコレート工房

Nina妮娜チョコレート工房
Nina妮娜チョコレート工房

清境(チンヂン)の年平均気温は摂氏18度と、チョコレートの加工にきわめて適している。スイスやベルギーのブランド品を採用し、安定剤や防腐剤を使用せず、無農薬栽培の食材と組み合わせて各種商品を産み出している。香りと口当たりが比類ない逸品ぞろいだ。DIY体験コースも用意され、親子で楽しめる。現在清境に二軒の店舗があるほか、紙教堂近くに観光工場設置の計画を進めている。

Nina妮娜チョコレート工房
Nina妮娜チョコレート工房

清境ショップ
南投県仁愛郷大同村栄光巷8-3号
+886-49-280-2988
9:00-19:00

 

清境から足を伸ばして南投の3000メートル級高山へ!

合歓山

合歓山

手軽に楽しめる高山の絶景

合歓山

山道を駆け抜けるロードバイク

海拔3,400メートルの合歓山は、降雪の機会が多いうえ、舗装道が開通しているため、台湾では著名な雪見の名所となっている。四季を通じて四千メートル級の連山が一望でき、ご来迎を拝みに訪れる人も多い。

合歓山

1.台中干城駅あるいは埔里から南投客運バスで翠峰方面へ。翠峰で下車後タクシー利用。
2.埔里から南投客運バスで青青草原方面。清境農場下車後タクシー利用。

 

 

一足のばして行きたい観光スポット

日月潭

日月潭

車で1時間ほどいけば、台湾有数の観光地・日月潭はすぐそこ。泊りがけで訪れてみたい。

日月潭まで
埔里ビジターセンターから「台湾好行」日月潭線に乗車し、日月潭 (水社ビジターセンター)までは約50分。

 

 

南投 マップ

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。