雪霸国家公園 標高2000メートルの森林地帯

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雪霸国家公園 標高2000メートルの森林地帯

企画構成・文/楊善文 写真/陳正国

雪霸国家公園

鳥の鳴き声に心癒される不思議な体験ができる野馬瞰山森林遊歩道

1992年に設立された「雪霸国家公園」は台湾で五つ目の国立公園。中でも標高二千メートルの「観霧」は年間を通じて雲や霧に覆われ、貴重な動植物を育んでおり、台湾中北部では貴重な景観スポットとなっている。雪霸山系の壮麗な景色が楽しめるほか、周辺の先住民タイヤルの集落、雪霸観光農場を合わせて訪れれば、奥行きの深い旅ができるだろう。

 

 

おすすめルート

コース

MAP

軟橋アートビレッジ
軟橋アートビレッジ竹東駅に近い「軟橋(ヌアンチャオ)」。ここはかつて客家の小さな集落に過ぎなかったが、住民の呉さんの発案で、村民たちが筆をとり、自宅の塀や壁、電柱などに様々な絵を描くようになった。アートビレッジの周辺には緑豊かな並みと田野が広がり、見事な対照をなしている。

 

 

清泉 秘境の歴史と芸術

新竹県五峰郷にある清泉風景区は台湾先住民タイヤルの里。日本時代すでに温泉郷として開かれ、渓谷の景色が美しく、個性豊かな石砌吊橋は、撮影スポットとして人気の場所になっている。

清泉風景区

静かで美しい山里の風景画広がる清泉風景区

清泉吊橋

清泉吊橋

温泉区

温泉区には足湯も

清泉(チンチュエン)には名所が少なくない。まず歴史的意義がとくに高いのは張学良の住居跡だろう。「西安事件」を起こし、中国現代史に大きな波紋を残した張学良(張作霖の長男)は、1946年重慶から台湾に移された後、十数年にわたりこの地の木造家屋内に軟禁された。台風により被災した建物は1997年に復元され、見学可能となっている。室内外には張学良にかかわる資料が展示され、滞在当時の生活ぶりを垣間見ることができる。

張学良故居

移転復元し公開されている張学良故居

清泉でもう一つ、忘れてはならないのが天主堂(カトリック教会)だ。1976年この地に派遣されたアメリカ人神父、丁松青(帰化)が創建した。ステンドグラス、タイヤルを描いた壁画、タペストリーはすべて、神父が地元住民とともに作り上げたもので、芸術的にも高い水準に達している。

天主堂

タイヤル族の文化が色濃く反映された天主堂

タイヤルの男性像

タイヤルの男性像

美しい壁画とステンドグラス

美しい壁画とステンドグラス

タイヤルの女性像

タイヤルの女性像

天主堂

張学良故居
新竹県五峰郷桃山村清泉256-6号
+886-3-585-6613
火曜-日曜9:00-17:00

清泉天主堂
新竹県五峰郷桃山村10鄰184号

 

 

雲海中の桃源郷

新竹県竹東一路から122県道を走り、軟橋村ならびに清泉を過ぎると、大鹿林道に入る。緑の山々に挟まれた、この細い山道を約一時間走ると「雪霸観光農場」に到着だ。

新竹五峰雪霸観光農場

標高二千メートル、雲海に包まれた幻想的な景観が年中楽しめる

二十数年前、范増達夫妻は、独自の農業技術を生かそうと、この高山にやって来た。水道も電気もないなか、山林を少しずつ開墾し、高原果樹園を切り開いてきた。キウイがまだ高価な輸入果物だった1985年当時、初めてキウイの栽培に成功し、高原農業技術で名を知られるようになった。1992年「雪霸国家公園」の成立後は、登山客に快適な宿泊場所を提供しようと、観光農場に転換し数棟のログハウスを建設した。現代的な設備、清潔でゆったりした宿泊スペース、カフェ、中華/洋食レストランを備えている。世俗から隔絶された桃源郷のような環境に惹かれ、多くのハイカーが訪れる。

ログハウス
客室

標高1,923メートルの農場では、朝はご来迎、夕方は雲海、夜は星空が楽しめ、どの客室からも雪霸の山々、空と雲の織り成すショーが眺められる。

雲海

雲海

星空

星空

日の出

日の出

園内では二十世紀梨、キウイ、ブルーベリーが有機農法で栽培されており、宿泊客は果物狩り、ジャムやビネガー作りにチャレンジできる。

ブルーベリー収穫

ブルーベリーの収穫

キウイ

キウイの実

農場そばの「野馬瞰山森林遊歩道」も人気のスポット。毎日午後にはエコツアーがあるので、ガイドの案内で原始林を歩いてみよう。一時間半ほどのトレッキングでは、落葉樹林の間に残る貴重なヒノキを見つけることができる。時に霧に包まれ、時に陽光が射し込み、林間の景色は刻々変化する。

野馬瞰山森林遊歩道

エコツアーに参加してみよう

新竹五峰雪霸観光農場
新竹県五峰郷桃山村民石380-1号
+886-3-585-6192
宿泊NT$4,020より (一泊二食付き、体験教室は別)

 

 

観霧を歩く

「雪霸観光農場」で一泊したら、翌日は車で観霧(グアンウー)へ向かおう。観霧は標高約2,000メートル。新竹県と苗栗県の県境に当たり、「雪霸国家公園」西北の入り口部分だ。「観霧」はその名の通り、年間を通じて霧に覆われているが、晴天時には雪山山脈の稜線を望むことができる。

雲霧遊歩道

雲霧遊歩道は高山に位置しているため、雲霧で包まれ、空気は清々しく景色が素晴らしい

観霧では先ずビジターセンターと「山椒魚生態センター」へ立ち寄ろう。2012年に設置された「山椒魚生態センター」は、氷河期の生き残りと言われる両生類「観霧山椒魚」についての調査を行いながら、生態保護の大切さを広めている。一方ビジターセンターでは「雪霸国家公園」の歴史、地理、生態情報を提供している。

ビジターセンター

ビジターセンター

山椒魚生態センター

山椒魚生態センター

「生態センター」後方の雲霧遊歩道は手軽なハイキングコース。全長848メートルの木道で、わずか40分で往復できる。見晴台からは天気が良ければ大霸尖山と雪山の稜線がよく見え、雲が湧くと観霧ならではの幽幻な風情が味わえる。

雲霧遊歩道

雲霧遊歩道

家族連れに人気の「観霧瀑布遊歩道」は全長1.5キロ。帰りは上り坂となるので、体力を残しておきたい。スギ、針葉樹、広葉樹が混ざり合い、多彩な生態が目を楽しませてくれる。遊歩道の終点は木造の東屋。休息をとりながら、対岸の峰から流れ落ちる高さ30メートル、雪のように白い観霧瀑布を遠望できる。虫や鳥の鳴き声に包まれながら、周囲の緑に映える滝の姿を心ゆくまで楽しみたい。

観霧瀑布遊歩道

観霧瀑布遊歩道

観霧山椒魚生態センター
苗栗県泰安郷梅園村観霧1-1号
+886-3-727-6300
9:00-16:30、月曜定休

 

 

雪霸国家公園  秘境体験1泊2日マップ

 

※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。

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