台北日和。 さあ、でかけよう！
写真／甦活創意管理顧問公司・各店舗提供
台北日和。さあ、でかけよう！
焼きトウモロコシ、飴がけナッツなど、台湾ならではの味が楽しめる街角。福建式の古民家、緑豆らくがんが映し出す古き良き台北の優雅な歳月。秘密のハーブを味わうイタリアンパスタ、伝統的な宴会料理から生まれたおしゃれなアフタヌーンティー……。コロナ禍が過ぎゆくなかで、2023年度の「台北造起來」に選出された14軒の特色ある商店が新たにオープン。さあ、いまこそ台北にでかけよう！
目次
街角味めぐり
爵林堅果 juelin
熱々の人情をまとう飴がけナッツ
士林夜市からスタートした「爵林」は、屋台から迪化街の店舗を移転。厳選した台湾産落花生をはじめとした濃厚な香りのナッツを使用し手造りしているので、ナッツの飴がけ「堅果糖酥（Nuts Crisp）」は油っこくなく、歯につきにくく、食欲をそそる。飴がけは火加減が大切で、手早く炒めなくてはならない。動作がゆっくりになると、味わいも食感も変わってしまう。店頭で職人が披露するプロの技は必見！
02-2883-2958
玉米蛋蛋 Corn Eggie
熱血おじさんの焼きトウモロコシ
台北の夜食には、この味が欠かせない。店主である中年のおじさんは職場の人情の移ろいやすさに見切りをつけ、大好きなトウモロコシの店を立ち上げた。主力商品は焼きトウモロコシと蒸しトウモロコシ。材料は良心的な小規模農家から残留農薬ゼロのトウモロコシを産地直送で取り寄せている。新鮮なトウモロコシをじっくり焼き上げ、おじさん特製のたれを塗れば完成だ。焼きトウモロコシのたれは4種類。オリジナルの台湾の味とともに、熱血おじさんのハートも受け取ろう！
02-2382-6668
導演的豆花店 Action! Bar
豆花のなかの昔ながらの人情
迪化街の路地に佇む豆腐プリン「豆花」の店は、ドキュメンタリー映画監督の夢の延長だ。映像と豆花を公共福祉の理念と結びあわせ、台湾の土地の美しさを人々に伝えている。豆花は、店で手作りしているサツマイモの白玉「地瓜粉圓」と葛餅に似たクチナシのゼリー「山梔子粉粿」をのせ、監督の子供時代の思い出の味の冷たい飲み物「麦芽糖水」をかけていただく。豆花の素朴さ、古いものも新しいものも受け入れる包容力は、台湾と同じくらい美しい。
02-2713-1979
文湖21雞湯麵 wenhu21 chicken soup noodle
家庭的な温もりの一杯
一杯の鶏だし蕎麦が魅せる、あっさり味の新しい鶏だしスープ麺。スープは日本式ラーメンの濃厚スープとは異なる、すっきりとクセのない中華風の味わい。麺に焼き立ての肉や野菜の小皿料理を合わせるシンプルな家庭料理だ。黄金入れでジューシーな鶏ささみ、しっとり柔らかなトンテキは店特製の胡椒が美味しさを引き立てている。家庭での食事と同じように毎日食べても飽きない、安心の味だ。
02-2771-8881
台北の伝統
龍月堂 MoonDragon
1930年代の台湾にタイムトリップ
指の爪ほどの大きさの緑豆らくがん「綠豆糕」は、口の中に入れると煙のように溶けてなくなる。梅粉と薬草をブレンドしたらくがん「塩梅糕」は、塩気と甘さが混じりあった独特の味。伝統的な白地に赤い文字をプリントした包装紙で包まれている様子は優雅で趣がある。3代目の店主は洋菓子を学ぶために日本に渡り、台湾の伝統製法とフランス菓子の製法を融合させ、新しい技法で昔ながらの味を守っている。台湾の伝統菓子は、お茶の香りを引き立てるお茶請けに、優雅な手土産として、古き良き時代の美しさを伝えている。
02-2557-8767
天山行 MountSky
福建式古民家で出逢う台日の食
漆喰の壁に瓦を張り付けた「穿瓦衫」、日本時代の「TR煉瓦」、日干し煉瓦の家「土角厝」の古い壁……。迪化街にたつ築100年の福建式の建物には、創業40年の乾物店が入居している。「天山行」の主力商品は、台湾、日本、タイの食材と調味料。看板商品の原木椎茸は、生で食べると台湾の山と森の香りを味わうことができる。天山行は迪化街で最も早い時期に復元された古民家で、清代末期の福建式建築の独特な建材や工法が丁寧に保存・展示されている歴史建築。店内に足を踏み入れれば、レトロで優雅な雰囲気が感じられるだろう。
02-2553-6619
泰昌堂
漢方医と漢方薬店のコラボ
「泰昌行」は30年以上にわたり、天母の人々の深い信頼を集めてきた漢方薬店。2020年、高齢の漢方薬の薬剤師は、能力のある者に跡を継がせたいという信念のもと、店舗と積み上げてきた知識を若い後輩に託した。1階の伝統的な薬局はファッショナブルな空間に変身し、2階の漢方診療所では漢方医が診療を提供。現代医学と伝統製薬の見事な融合はこの二世代の間で生まれた。高齢の薬剤師が作るびわの喉シロップ「枇杷膏」は、12種類の滋養のある漢方薬材を厳選。喉を潤し、美しい声を支える最高のパートナーだ。
02-2838-6508
台北ニューウェーブ
大吉先生 BAKEsmith
大吉を食べれば気分も大吉！
ポルトガルから日本の長崎へ、そして台湾に伝わったカステラがリニューアル。「大吉先生」は牛乳の代わりに豆乳を使い、産地直送の新鮮な卵を組み合わせ、材料を工夫して製造工程を改善し、焼き上がりから5日目たっても美味しく食べられるカステラを作り上げた。日月潭紅玉紅茶の茶葉の粉末や屏東産パンダンリーフの抽出液などは、台湾島の農産物のエッセンスが詰まっている。美味しいスイーツは身も心も幸せになる。大吉のケーキを食べて大吉な気分になろう！
02-2738-1761
鯉魚 The Carp
食卓にひろがる大稲埕の旅
「鯉魚」は、迪化街で80年続く南北雑貨店の娘が開いたレストラン。家族に受け継がれる乾物を料理に取り入れ、贈答用高級からすみをはじめ、からすみとナッツ入りのチーズ「烏魚子堅果起司」、カラスミとマッシュポテトの花形サンド「花瓣烏魚子薯泥夾心」といった天然からすみをテーマとした創作料理を開発してきた。天然からすみがお洒落なアフタヌーンティーに、魚の浮袋とアワビのチキンスープ「花膠鮑魚雞湯」が日常の主食になるなど、鯉魚では台湾の旧正月でしか食べられない宴会料理がファッショナブルに登場する。
02-2557-7660
夏緑沁 SummerGreen
台湾ハーブの秘密の香り
13種類のスパイスを使って焼き上げたポークリブアイのグリル、剝皮辣椒（青唐辛子の漬物）・エビ・ムール貝の煮込み、当帰、霍香、冬虫夏草……。台湾ハーブの香りが祖母の薬草箪笥から、モダンでクリエイティブな厨房へ伝わった。松山国際空港の近くに位置する「夏綠沁」は、台湾を訪れる友人たちにユニークな台湾の味を提供するレストラン。台湾風のパスタやリゾットと、季節の果物を使ったトロピカルフルーツティーと一緒に、緑が揺れる夏の午後のような、美味しい料理と人情の温かみを堪能しよう。
02-2713-4533
台北ライフ
元気毛孩 Genkifurkids
ペットと一緒にお散歩を
人とペットの美しい暮らしは他でもない、迪化街の路地にある。「元気毛孩」はペット関連用品や食品、動物をテーマにしたギフトを扱うショップだ。2階では不定期でペットに関する講演会や勉強会も開催している。創業者のKen先生はJPMA日本ペットマッサージ協会認定講師で、ペット向けの漢方医療や薬膳料理にも造詣が深い。可愛いダックスフンドが刺繍されたナイロンメッシュバッグ「茄芷袋」は店の人気商品だ。
0970-841-447
啡創工廠 Future Factory
心と身体の充電ステーション
Joeyは電器店の息子で、幼い頃から父親と一緒に冷蔵庫やエアコンの修理に携わっていたため、モノづくりの魂が遺伝子に深く根付いている。工場は彼の遊び場だった。自分のカフェ「啡創」を開くにあたり、彼は自ら電気工事を行い、廃棄された水道管をモダンなライトに改造。Joeyは焙煎士、コーヒーインストラクターの資格も次々と取得し、店内のメニューには産地、処理方法、焙煎度、風味などを記載している。これはある種、コーヒー職人のこだわりと敬意のようなものだ。
02-2586-1010
好歐食庫 Good Food You
台湾の食卓とヨーロッパのサロン
台湾の食卓からヨーロッパのサロンの距離は、どれくらいあるだろう？ 生牡蠣、ハム、チーズの共和国――「好歐食庫」は、三つ星シェフの秘密の食材庫で、美食家を数秒でヨーロッパに連れて行ってくれる「どこでもドア」でもある。台北にレストランやバーが何軒あるだろう？ 好歐はちょっとした週末を過ごすのにぴったりの選択肢だ。自分でフランス産牡蠣の殻をむき、骨付きのイベリコ豚の生ハムを切り分け、赤と白のワインを一杯。これ以上の味覚の楽園を求めることができるだろうか？
02-2367-1558
肯都咖啡 CANDO Quiche & Coffee
I cando it! キッシュと台湾男子の漢気
「肯都咖啡」のキッシュはすべて手作り。薄いパイ生地に包まれたたっぷりのフィリングはやさしい味付け。ボリュームたっぷりで、漢気満点だ。創業者は自らをパイを作る人――「做派郎」と称し、スパイシーなメキシカンチキン、スモークパプリカチキンなど、多彩な味わいを提供している。肯都はコロナ禍終息後に勇気を必要とする友人たちを支援したいと考えている。1杯のコーヒーと1切れのキッシュ、そして店のロゴのこぶしを握る赤ちゃんと一緒に「I cando it!」と言えば、きっと元気になれるだろう。
02-2338-0898
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※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。
