SPEAKEASY 台北市内の個性派BAR 4選
企画構成/鍾昀彤 文/楊善文・鍾昀彤 写真/宋育玫、邱欽煌
SPEAKEASY
台北市内の個性派「スピークイージー」をピックアップ
Speakeasy( スピークイージー) とは、もともと米国禁酒法時代の「闇酒場」のことだが、現在は路地裏にひっそりと佇むバーを指すという。こうした隠れ家的なバーが近年台北の夜の街に現れ、都会生活の楽しみが一つ増えた。今回はそれぞれ趣向を凝らした路地裏のバーを厳選して特集する。きっと台北スピークイージーの魅力的な世界をのぞくことができるだろう。
※未成年者の飲酒と飲酒運転は法律で禁止されています。
目次
Bar PUN
入り口は1 人がやっと通れるほどの狭い防火用の路地。クーラーの室外機の間をくぐり抜けて行くと入り口が待っている。蛍光灯一つと火災警報器が目印。日頃はうっかり触れてはいけないボタンを思い切って押せば、BarPUN の店内に入ることができる仕掛けだ。
14 年の経験を持つバーテンダーLester 氏が仲間と一緒に開いた店は、台北にスピークイージーブームを巻き起こした。謎めいたムードとともに個性的なカクテルも人気の理由だ。
特製カクテルのうち、もっとも人気が高い「Jon Snow」は、ブランデーとアールグレイ紅茶がベースの濃厚で甘いカクテル。アメリカのドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のヒーロー「ジョン・スノウ」からインスピレーションを得たという。
「St.Carol」はアイラ島産ウイスキー、Mezcal テキーラ、プラムリキュールを調合し、冷やした石と焼きを入れた白サンゴを添える。淡い海の香りが感じられ、甘さの中に漂うウイスキー特有のピートの香りが印象的。
+886-2-2700-5000
月曜- 木曜20:00-2:00、金・土曜20:00-3:00
ミニマムチャージ:1 人NT$500 /サービス料:10%/予約:可
www.facebook.com/PUN.TAIPEI/
Le Kief 菱玖洋服
台北のスピークイージーのシンボルともいえる店。台北市東部の路地裏にあり、外観はその名の通り洋装店だ。バーに入るには店内にあるアンティーク電話を探し出して暗号を打たなければならない。すると魔訶不思議、隠し戸が音を立てながら開く仕掛けだ。
店長Steven 氏と責任者Nick 氏によると、禁酒時代のスピークイージーと、ハリウッド映画『キングスマン』に登場する紳士服店をイメージしたという。酒を飲みながら仲間と長い夜の時間を過ごす秘密基地がコンセプトだ。
クラシカルなカクテルを自由にアレンジするNick 氏は、新しいテイストのカクテルを多数作り出した。ウォッカベースの「Moscow Mule」は、ジンジャーエールの比率を改めアルコールの刺激を和らげた。最後にレモンのシロップがけをのせてさっと炙る。甘酸っぱい香りが爽やかな1 杯。
「Oolong Whisky sour」はスコットランドウイスキーと台湾産高山烏龍茶に少量のメレンゲ、レモン、キンモクセイの花を混ぜ、コクと口当たりのよさを演出した。あわせる料理は、牛ほほ肉・バターマッシュポテト・旬の野菜を盛り合わせた温サラダがおすすめ。
+886-2-2752-5009
月曜- 木曜19:00-2:00、金・土曜19:00-3:00
ミニマムチャージ:1 人NT$500 /サービス料:10%/予約:可
www.facebook.com/le.kief.09/
Closet Restaurant & Bar
台北市敦化周辺の路地裏にある「Closet Restaurant & Bar」は、ファンタジー小説『ナルニア国物語』に登場するクローゼットがモデル。謎めいた正面入り口から分け入ると、紺色に染まったファンタジーワールドに招き入れられる。
ドアの中は、暗いグレーの壁、細やかな装飾が施されたレンガやアーチ、レトロな家具が古城の地下室さながらのムードを演出している。
料理やドリンクにも独自の感性が光る。カクテル「Bathtub Collins」は、禁酒法時代に自宅のバスタブで酒を密造していた故事にちなみ、バスタブ型の器を使用。オールド・トム・ジン、レモンジュース、ソーダ水をあわせており、後味もすっきり。「雪茄茶室」はプーアール茶とウイスキーを組み合わせ、飲む前に白檀とオレンジのスモークを吹きかける、視覚と嗅覚で楽しむ逸品。
人気のポークスペアリブ「焼烤猪肋排」はアップルブランデー、ライチ酒、梅、ハーブを使用して、軟らかく蒸しあげ、パイナップル、ナツメ、ベーコンで作ったサルサソースを添える。ジンやラム酒がよく合う。
+886-2-2731-7919
18:00-2:00
ミニマムチャージ:平日はドリンク1 杯、週末は1 人NT$500 /サービス料:10%/予約:可
www.facebook.com/Closet-Restaurant-Bar-144736812566803/
HANKO60
漢口陸零
台北市西門町の路地裏にある「HANKO 60」は映画館がモデルになっている。長い歴史をもつ映画館街である西門町にひそむバーは、外観がレトロな映画館風に仕立てられ、玄関には手描きの映画ポスターが掛けられている。
入り口に仕掛けがある。壁のボタンを押すと、チケット売り場の窓口が開き、薄暗い奥にあるガラスのドアを通して暖かい明かりが見える。そこがお目当ての秘密の世界だ。
店内に入ると、左手に長いカウンターと酒瓶の棚。赤いネオンの「如酔如夢」が香港を思わせる。カクテルは台湾の食材とさまざまな映画にヒントを得て創作している。
カクテル「紅楼夢」は西門町のランドマークである「紅楼」にちなむ。ラム酒をベースにアイリッシュ・クリームと塩キャラメルソースをミックスし、最後に小豆・紫米粥を添える。「漢口陸零大舞庁」も西門町の歴史から着想を得ている。ハニーウイスキーがベースで、スパークリングワインのような口当たりが清々しい。
+886-2-2381-0808
日曜- 木曜20:00-2:00、金・土曜20:00-3:00
ミニマムチャージ:1 人NT$500 /サービス料:10%/予約:可
www.facebook.com/hanko60/
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