台中 –沿岸部の旅–

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台中 — 沿岸部の旅 清水・梧棲・沙鹿・大甲・大安・龍井

文/劉宛昀 写真/宋育玫

台中

台中市大肚台地以西の海辺に面した一帯を当地の人は「海線」と呼ぶ。鉄道に起因するようである。行政地区としては大甲・清水・梧棲・沙鹿・龍井を含み、いまなお純朴な風貌を残す。そうした風土に加え、希少な生態資源である高美湿地や海岸の夕景がツーリストの人気を集めている。当地はまた台湾中部の漁・農業の重鎮の地位を占め、台湾最大の海鮮直売センターがある梧棲漁港を擁する。毎年旧暦三月の媽祖巡行も地方を代表する祭事としても世界的に知られる。

 

清水

清水で遊ぶ!

清水眷村文化パーク
港区芸術センター

清水眷村文化パークの建築群は日本時代の軍需工場の宿舍で、戦後は国軍家族の官舎に割り当てられた。六十年余の歳月を経た建物は一時荒廃していたが、現在「眷村文化・展示・創作」空間にリノベーションされている。「眷村」とは大戦後設置された国軍家族の集落を指す言葉である。例えば書店「寄風冊店」では眷村史にまつわる文物を展示するとともに、観光ガイド・文学書を閲覧に供している。パーク向かいの港区芸術センターは福建伝統の建築様式を模した文化施設で、優美な中国風の庭園を擁し、さまざまな展示やパフォーマンスが披露されている。

清水眷村文化パーク
清水区中社路信義巷41 号
+886-4-2228-9111
10:00-17:00、月曜・国定休日休館
qingshuiartvillage.com

港区芸術センター

清水区忠貞路21 号( 清水眷村文化パーク向かい)
+886-4-2627-4568
9:00-17:30、月曜休館
清水駅前から303・304 号市バスで港区芸術センター下車

 

 高美湿地

大甲渓南岸に位置する高美湿地は水生植物やシオマネキの聖地であるとともに、秋から冬にかけて多くの渡り鳥が飛来する。貴重な動植物の生態を保護するために、政府は約700 ヘクタールを保護区に設定し、観察のために長さ691 メートルの木道をしつらえている。湿地には特殊な造形の景観橋がかけられ、橋上には歩道・自転車道・展望台が設置されている。海岸には台湾でも唯一といわれる紅白をまとった高美灯台が屹立する。近海を通る船舶の道標であるとともに、当地を代表するランドマークである。また夕景が美しく、2016 年度HIS サイト上で秋季もっとも訪れたいスポットに選ばれた。

高美湿地
www.gaomei.com.tw

高美灯台
夏季(4/1-10/31) 9:00-18:00、冬季(11/1-3/31) 9:00-17:00、月曜休館

 

牛罵頭遺跡
鰲峰山公園展望台

「牛罵頭」は清水の旧称で、ここはかつて清水神社があったところ。戦後は陸軍の営地に利用されていたが、現在展示空間に生まれ変わっている。館内には当地の遺跡から発掘された文物を陳列し、4500 年から3000 年ほど前の人びとの暮らしぶりが再現されている。後方の展望台からは清水区が一望できる。牛罵頭遺跡のある鰲峰山公園は、俗に「清水公園」と呼ばれている。最高点に設置された展望台からは180 度の眺望が楽しめ、夕景の名所として人気だ。園内には親子で楽しめる遊具のほか自転車競技が開催できる「自由車場」が用意されている。日本時代の防空壕にあたる「鬼洞」も参観可能。

牛罵頭遺跡文化パーク( 鰲峰山公園内)
清水区鰲海路59 号
9:00-17:30、月曜休園
niumatou.taichung.gov.tw

鰲峰山公園
清水区鰲海路

清水鬼洞
清水区鰲峰里大街路観音巷36-8 号
+886-4-2627-0151#306
土曜・日曜9:00-15:00、平日は要事前予約
台湾鉄道清水駅から111 号市バスで鰲峰山公園・牛罵頭遺跡文化パークへ

 

紫雲巌

鰲峰山の麓にたつ紫雲巌は二百年余の歴史がある。清水地区の著名な観音廟で、観世音菩薩を祀る二階建ての正殿は見事な建築を誇る。周辺には清水ならではの小吃の名店がひかえる。

清水区大街路206 号

 

清水で食す!

光復街無名圓仔湯

路地裏にかかる真っ赤な「圓仔湯」の看板が目印。「湯圓」とは台湾伝統の白玉のこと。オーナー兄弟が小さな店舗で具材豊富な花生湯(ピーナッツ汁粉)・紅豆湯(汁粉)・甜湯圓を売っている。テイクアウトも可。

清水区光復街23 号 (光復街25 号隣の巷)
7:30-18:00、火曜定休

 

阿財米糕

阿財米糕は清水の名物。しっかりした歯ごたえのもち米の中にとろけるようなバラ肉が入る。温かいスープといただきたい。

清水区西寧路105 号
10:00-19:00、月曜定休

 

士官長擀麺

創業50年余、三代目が受け継ぐ老舗の麺店。朝から昼食時まで地元の人とともに観光客でにぎわう。こしのある麺は毎日手作り。看板の「擀麺」のほか、メニューにないまかないの「麺片」が馴染み客に人気。幅広の麺に麻醬・肉そぼろ・ニンニクがのった隠れた逸品。

清水区中社路5-37 号
6:00-13:00、水曜定休

 

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梧棲

梧棲で遊ぶ!

梧棲観光漁港

台中港内の梧棲漁港は清水区に属するが、古来の名称を残している。台湾最大の海鮮直売センターを擁しており、夏には龍紋鯊(サメ)、秋にはエビ・カニ、冬にはボラ・マナカツオと、観光客は季節に応じて、当日水揚げされた各種海産物を直接購入し、レストランエリアで料理してもらえる。また梧棲漁港は夕景の名所として知られるほか、観光漁船に乗ってクルージングやイルカウオッチングにチャレンジできる。

清水区海濱里北堤路30号
9:00-20:00
台湾鉄道清水駅から111号市バスあるいはタクシーで梧棲観光漁港へ

 

朝元宮・梧棲老街

漁業基地である梧棲では海の神様「媽祖」が心の拠り所となっている。梧棲老街上の朝元宮は1856年の創建で、300年の歴史をもつ媽祖神像が祀られている。旧暦三月になると媽祖巡行のパレードがおこなわれ、漁港で祈福の儀式が執り行われる。

梧棲区梧棲路140号
台湾鉄道清水駅より306号市バスで朝元宮へ

 

梧棲で食す!

海龍海産部

梧棲の多くの海鮮レストランなかでも老舗の有名店。季節や水揚げに応じた多種多様なメニューがそろう。店頭の水槽でお好みの素材と調理方法をオーダーしよう。炸蚵酥(カキの揚げ物)・烤魚下巴(カマ焼き)・蛤蠣湯(ハマグリのすまし)となどがお薦めとか。

梧棲区梧棲路152号
+886-4-2656-3381
11:00-21:00

 

林異香齋

912年創業の菓子店。看板の「鹹蛋糕」は玉子・砂糖・小麦粉のみを使った海綿状のカステラに豚肉・赤玉ねぎ・シイタケの餡を詰めたスナックで、地元民には懐かしい味だ。そのほか牛角麺包(台湾風クロワッサン)・老婆餅・緑豆椪などが人気商品。

梧棲区梧棲路170号
+886-4-2656-2339
9:00-20:00

 

榕樹下豆花

海鮮のあとは、ガジュマルの下で豆花のデザート。紅豆豆花・粉圓豆花・花生(ピーナッツ)豆花のほか、チョコとミルクがコラボした「双色豆花」も人気。

梧棲区民族街9号 +886-4-2657-0477 月曜-土曜10:00-21:30
日曜10:00-18:00

 

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沙鹿

沙鹿で遊ぶ!

美仁里彩繪巷

沙鹿駅から徒歩数分の美仁里。自治会長の呼びかけで、町内の美化に取り組み、美秀巷と新平巷沿いに半世紀前の暮らしぶりを再現する壁画が描かれている。かつて美仁里で日常見られた酒家・果物屋・学校・衣装店・そば屋・三輪車など、その細密な表現と鮮やかな色彩が話題になり、画中の人物と記念写真を撮るのが流行中である。

沙鹿区美仁里。美秀巷より入る
台湾鉄道沙鹿駅から徒歩約5分

 

好好聚落

食事処・工房・展示空間がコラボした空間。将来は老人介護住宅や憩いの公園が併設される予定。園内の建築はいずれもコンテナが再利用されている。入口そばの好好小館は欧風の食事と飲み物を提供。一方カラフルなコンテナの中に入ると木製のバイクやサーキットカー、バッタなどが並べられ、童心の世界が待つ。

沙鹿区鎮南路永福巷7号
+886-4-2636-8826
10:00-17:30、火曜休館
入場料一人NT$50(好好小館でNT$100以上消費すると好好聚落に無料で入場できる) 台湾鉄道沙鹿駅からタクシーで約5分
 www.facebook.com/agoodvillage

 

沙鹿で食す!

Akita Take Coffee
秋田武咖啡

店長夫婦自身が飼っている「小武(TAKE)」という秋田犬にちなむネーミングのペットカフェ。外壁にはコーヒーを飲む秋田犬が描かれ、客人たちの撮影スポットになっている。もう一匹は「黒美人(KUROMI)」という可愛いわんちゃん。店内でコーヒー・花茶・スイーツ・スナックを提供。チーズ、クレームブリュレ、チキンカレーが人気とか。

沙鹿区中山路378 巷46 号
+886-4-2665-7881
10:00-20:00、水曜定休

台湾鉄道沙鹿駅から徒歩約15 分

 

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大甲

大甲で遊ぶ!

鎮瀾宮

大甲駅近くの鎮瀾宮は1732年の創建。中部の信仰の中心にふさわしく、廟内外に見事な彩色と彫刻が施されている。正殿には大甲媽祖神像のほか註生娘娘・観世音菩薩など諸神を祀る。旧暦三月になると本島沿海部の台中・彰化・雲林・嘉義にまたがる巡行が展開される。行進は徒歩で8泊9日にわたる。沿路、各地の媽祖廟に立ち寄りつつ、最後に鎮瀾宮に戻る。近年は遠来の観光客も加わって、ますます盛大に発展。いまや台湾中部を代表する祭事である。鎮瀾宮周辺には文昌祠・林氏貞孝坊という清代から残る市の史跡があるので、あわせて訪れたい。

鎮瀾宮
大甲区順天路158号
文昌祠(補修中。2018年完成予定)
大甲区文武路116号
林氏貞孝坊
大甲区順天路・光明路交差点

 

大甲で食す!

裕珍馨

創業50年の有名菓子店。バター入りの餡がほっこりする「奶油酥餅」は大甲土産に欠かせない。鎮瀾宮への参拝者もお供えによく購入するという。

大甲区光明路67号
8:30-22:00

 

一路発

爽やかな楊桃汁(スターフルーツジュース)がメインの店。リーズナブルな価格で量はたっぷり。緑豆沙・緑豆沙ミルクも地元民愛用の飲料だ。

大甲区蒋公路133号
10:00-24:00

 

王元吉炸粿

メニューのない小吃店だが、メインは菜頭粿(大根もち)・肉粿・蚵仔(カキ)粿など。いずれも食材を米と大豆の粉で揚げており、さくさく感が決め手。とくに茄子(ナス)肉餡がジューシーと人気。

大甲区文武路37号
8:00-17:00

 

大甲芋頭城

大甲はタロイモ製スイーツで有名だ。夏にはタロイモアイスと酸梅を組み合わせた「芋球酸梅氷」が暑気払いに最適。冬は蜜の入ったタロイモと手作り芋圓の温かいスープが人気。

大甲区育徳路68・70号
10:00-18:30

 

大甲媽蚵仔麺線

鎮瀾宮門前のソーメン店。新鮮な牡蠣がたっぷり入った蚵仔煎・蚵仔麺線が人気。綜合麺線はエビ・ホルモンなど素材豊富な逸品だ。

大甲区蒋公路127号
11:00-20:00

 

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大安

大安で遊ぶ!

阿聰師芋頭文化館

台中で名高い「芋頭酥」を発明した呉聡朝は「阿聡師」と呼ばれる。若いときから菓子作りに勤しんできた彼は、当地の名産に注目し、1998年に「芋頭酥(タロイモ入りちんすこう)を産み出し、大甲を代表する土産物に成長させた。彼はまた「奶油酥餅(バターケーキ)」の発明者であり、半世紀以上にわたって地元の食材を使った名品にチャレンジしてきたほか、大甲の隣大安区に教育と展示を兼ねた観光工場を設置している。工場で生産されている餅菓子の80%はタロイモが原料。そうしたタロイモを使った菓子のDIY課程も用意されている。展示エリアでは、台湾イモの品種、伝統菓子の歴史と生産器具など、大甲の菓子文化を学ぶことができる。

大安区興安路168号 (大甲駅からタクシー利用)
+886-4-2671-3077
8:00-17:00
芋頭酥DIY: 時間は10:00・14:00の二回。要事前予約。製作個数4個の場合一人NT$200 / 6個の場合NT$280。

 

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台中 個性派の宿

Matchbox Hostel

東海大学の近隣に位置し、古い建物をレストランとホステルに改装した。三階建てで、一階と二階は復古調のバーとホステル、三階は露天の芝生になっている。ローカルな雰囲気で、自宅にいるように自在に過ごせそう。建築の外壁に彩色が施され、人気の撮影スポットになっている。

龍井区新興路13巷16号
+886-905-150-623
www.facebook.com/MatchBoxTaichung

 

踢生活背包客棧 T-life Hostel

東海夜市から徒歩5分、東海大学・路思義教会からも約15分と至便な立地。学生街に接し活気ある地区だが、館内はきわめて閑静。部屋は2人用と8人用があるほか、女性専用ゾーンも設置されているので、一人旅でも安心だ。

龍井区新興路27巷10号
+886-989-610-980
 tlifehostel.com

 

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