冬山 ~台湾鉄道 途中下車の旅~
企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/宋育玫
冬山駅
水と緑のエコトラベル
宜蘭県中央部の冬山郷までは、台湾鉄道台北駅から普通列車で約2時間半。町に流れる冬山河は、宜蘭で五番目に大きい河。豊かな水の恵みが育む美しい田園風景をのんびり散歩しよう。
台湾鉄道冬山駅から徒歩で各スポットへ
目次
注目スポット
駅前アート散歩
素朴な田舎の雰囲気にあふれた冬山の町では、かわいいアートにも出合える。冬山駅ホームはヘチマ棚をかたどったユニークなデザインで、駅を出ると周辺には大小さまざまなパブリックアートがスタンバイ。駅を背に中正路を歩いていると路面に「彩絵」と書かれた矢印が描かれている。矢印をたどって歩くと、冬山の風景や特産物を描いた3Dトリックアートが路地の壁に現れる仕掛けだ。気が向くままに歩いて、のんびりアート散歩を楽しもう。
冬山3Dトリックアート
宜蘭県冬山郷中正路、冬山路、南興路など
冬山河生態緑舟
冬山河風景区内に位置する「冬山河生態緑舟」は、宜蘭平野の環境を凝縮したような水と緑の風景が美しい自然公園。園内の地形は起伏が緩やかで、小さな子供やお年寄りも安心して散策できるため、ピクニックに訪れる家族連れも多い。緑地は広々として見晴らしがよく、通路わきの草花やメルヘンチックなオブジェが風景にカラフルな色どりを添えている。「希望の丘」と名付けられた丘の上に立つと、足元の緑地や田園から遠くの山々まで、360度の絶景が一望できる。園内奥には湿地や棚田があり、季節の渡り鳥を観察することもできる。
おすすめのアクティビティは園内を流れる冬山河をめぐる遊覧ボート。コースの途中には、洞窟や小さな橋、水鳥が休む湿地、鉄道の鉄橋など、変化に富んだ風景が広がっている。水流も緩やかで、ゆったり気持ちのいい水上のプチトリップが楽しめるだろう。鉄道ファンには、冬山河を渡る鉄橋の前での鉄道写真撮影がおすすめ。
宜蘭県冬山郷冬山路二段172号+886-3-959-1314
入園:夏季8:00-18:00、冬季8:00-17:30、旧暦大晦日休園
遊覧ボート:夏季 9:00-17:00、冬季8:40-16:30(30分毎1本、所要時間約20分)
園内ガイド:月曜-金曜9:00、9:30、10:00、14:00、14:30、15:00(要ネット予約)/土曜・日曜・休日10:00、14:00
入園:NT$30
駐車:大型車NT$100、小型車NT$50、バイクNT$20
遊覧ボート:大人NT$75、子供(3歳から11歳)NT$35、シルバー(65歳以上)NT$35、2歳以下・身障者無料(大人1人の付き添いが必要)
http://ecoark.e-land.gov.tw
冬山老街
春不老驛站牛肉麺
町の中心にある昔ながらの商店街「冬山老街」の伝統市場「冬山市場」2階にあるレトロなインテリアの牛肉麺店。牛肉麺のスープは2種類。四川風の「川味」は花椒とラー油がきいたピリ辛。牛骨と塩ベースの「清燉」は見た目よりもしっかりした味。スープを選んだら、好みの肉の部位と麺を組み合わせて注文しよう。
宜蘭県冬山郷冬山路三段186号(冬山市場2F)+886-3-959-0599
11:30–13:30、16:30–19:00、月曜・火曜定休
※日本語メニューあり
飛魚食染-鹽滷豆花専売店
冬山市場1階奥に隠れた豆腐プリン「豆花」の店。客席は木のぬくもりを生かした懐かしい食堂のような雰囲気。食材は基本的に宜蘭をはじめとした台湾産のみを使用している。自慢の豆花と豆腐には日本産のにがりを使うため水分量が少なめで、なめらかでしっかりした食感。夏場には、季節のフルーツのアイスキャンディー「鮮果冰棒」も人気。
宜蘭県冬山郷冬山路186号(冬山市場1F)+886-3-959-5020
11:30-20:00、月曜定休
※豆腐は要予約
冬山金珠葱油餅
パイ風の生地に宜蘭特産の三星葱と卵をトッピングして、ふわふわに揚げ焼きした「葱油餅」の名物屋台。味付けはぜひ、香ばしさを引き立てる特製唐辛子だれをセレクトしたい。曜日限定の台湾風キムチ「泡菜」入りも人気。とろみのある漬け汁で漬けた白菜は、まろやかな辛さとこくのある味わいが絶品。運よく出合ったら迷わず注文しよう。
宜蘭県冬山郷冬山路一段986巷5号+886-989-343-359
14:00-18:00、土曜・日曜11:00-18:00、水曜定休
※台湾風キムチ入りは火・木・土・日限定販売
冬瓜山文創X農創
日本時代建設の食糧倉庫をリノベーションしたギフトショップ。店内に並ぶ商品は、米、米菓、米酒、茶葉、ドライフルーツなど、宜蘭各地の小規模農家が丹精込めて作った農産物から、宜蘭在住の作家が手掛けた工芸品や雑貨まで、多岐にわたる。おすすめは、地元冬山産の米やフルーツの加工品。カウンターではドリンクやアイスなども提供しており、カフェ利用も可。宜蘭ならではのお土産を探しに、ぜひ立ち寄りたい。
宜蘭県冬山郷中正路39号+886-3-959-5944
10:00-18:00、火曜・水曜定休
Zozowater Cafe/佐佐清水(生態緑舟)
コーヒーとキッシュ、手作りケーキが人気のカフェ。黒が基調のシックな店内で、街路樹の緑を眺めながら優雅な午後の時間を過ごすことができる。世界各地から取り寄せた豆を自家焙煎しているコーヒーは、どれも香り高く味わい深い。鶏肉とトマトのキッシュ「田園番茄燻鶏」は、ポテトのフィリングがホクホクで食事時に人気。宜蘭らしいケーキを味わうなら、さわやかな酸味の宜蘭産金柑ゼリーをのせたレアチーズケーキ「清澄福禄乳酪」がおすすめ。
宜蘭県冬山郷冬山路二段63号+886-966-769-778
12:00-18:00、土曜・日曜11:00-18:00、火曜・水曜定休
ミニマムチャージ:1人ドリンク1杯
一足のばして行きたい観光スポット
羅東の街は、日本統治時代には林業関連の産業が発達し、宜蘭の商業の中心地として栄えた。現在は、家族で一日中楽しめる観光地として人気を集めている。街のあちこちに残る街の記憶を感じながら、ゆったり歩いてみよう。
2017年初め、五結郷の国立伝統芸術文化パークがリニューアルを終え、伝統文化体験スポットとして注目を集める。今回は、当文化パークを起点に、漁業基地として栄える蘇澳鎮から南澳鎮へと南下する。繁華な港町、そして静かなビーチ、紺碧の海を臨む宜蘭南部の旅だ。
冬山 途中下車の旅 マップ
※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。