火鍋 パラダイス ~食べたい鍋、大集合!~
企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/季子弘・陳正国・宋育玫・范揚敏
火鍋パラダイス
食べたい鍋、大集合!
冬のグルメといえば火鍋。台湾には、中国大陸各地から伝わった火鍋や、台湾で独自に発展した火鍋など、様ざまな種類の個性豊かな火鍋が目白押し。いま食べたいのは激辛鍋、それとも石焼鍋? メインの食材は牛肉、豚肉、それともヤギ肉? 火鍋パラダイスの台北で、食べたい火鍋を見つけよう!
目次
本鼎堂台式漢方麻辣鍋
スパイシーな台湾風激辛漢方鍋
大稲埕は清代末期から日本時代にかけて淡水河の水運で栄えたエリア。「本鼎堂」の店舗は、オーナーの両親が営んでいた布問屋をリノベーションした建物で、古い民家と漢方薬店の雰囲気を取り入れたレトロなしつらえが歴史ある街の雰囲気に溶け込んでいる。
大稲埕出身のオーナーは、開店にあたり迪化街の漢方薬の組み合わせを幾度も試し、火鍋に仕上げた際の味の変化を確認。さらに改良を重ねてオリジナルの台湾風激辛漢方鍋「台式漢方麻辣鍋」を生み出した。
赤褐色の激辛だしは鶏ガラスープに、漢方薬、四川省郫県(現郫都区)産の最高級豆板醬、花椒などを加えたもの。塩味は豆板醬の塩気のみで、ほかに塩は一切加えておらず、ピリリとした辛さがありながらも馥郁としたうまみと甘みもあり、そのまま飲み干せる美味しさだ。さらに辛味が欲しい時は、自家製麻辣醤を具材につけると、しびれる激辛風味が楽しめる。
二色鍋の相棒には貝柱と野菜を煮込んだあっさりだしの「干貝蔬果湯」が人気。最後の締めにはピリ辛そぼろご飯「回春飯」のほか、手打ち麺を干貝蔬果湯でゆでてピリ辛たれを絡めていただくのもおすすめ。自家製薬草茶と日替わりのおつまみ3種はおかわり自由だ。
台北市大同区南京西路277号02-2558-9991
11:30-15:00;17:30-22:00、火曜定休
ミニマムチャージ:1人NT$380/サービス料:10%/席利用:金曜・土曜・日曜90分/ カード:可
www.facebook.com/bendingtang
牛総涮牛肉―台北分店
台北で味わう本格牛肉鍋
台湾南部には昔から大規模なと畜場があり、新鮮な牛肉が手に入ることから、「牛肉鍋」が盛ん。発祥の地の台南はもちろん、隣接する高雄市でも牛肉鍋の人気は高い。高雄市に本店を置く「牛総」は、2013年に台北に支店を開いてから台南直送の牛肉にこだわり本格的な牛肉鍋を提供してきた。2020年6月に現住所への移転した後も、最高の品質と味で変わらずファンを惹きつけている。
鍋の基本セットは、牛骨、牛肉、玉ネギなどを煮込んだだしに、たっぷりの野菜を加えたもの。熱々のだしにその日処理したばかりの新鮮な牛肉をさっとくぐらせていただこう。
淡いピンク色になった牛肉は非常にやわらかく、だしが濃いめの味付けなので、そのままでも十分に肉の甘みとうまみが堪能できる。醤油、唐辛子、玉ネギ、ネギ、ゴマ油を調合した特製だれをあわせたり、器に生の牛肉を入れてスープをかけ、レアでいただくのも美味しい。スジやタンをはじめ、テール、レバー、ハツなど、様ざまな部位も鍋の具材として提供している。人数が揃えば、牛肉の一品料理もぜひ味わいたい。
台北市中山区吉林路314号02-2763-0129
17:00–03:00、月曜定休
サービス料:10%/予約:可
www.facebook.com/niutsungtaipei
圍爐酸菜白肉火鍋
中国東北の酸味を楽しむ鍋
「酸菜白肉鍋」は白菜の漬物「酸菜」と豚バラ肉「白肉」を使う火鍋で、もともとは中国東北地方の郷土料理。ドーナツ状の鍋に酸菜や白肉、魚介類などの具材を入れ、鍋の中央にたつ筒の中に熱した木炭を入れてスープを加熱するのが一般的なつくり方だ。「圍爐」の女性オーナーは嫁ぎ先で酸菜白肉鍋の美味しさを知り、東北地方にルーツを持つ義理の両親から調理法を習得し、火鍋レストランをオープンした。
酸菜白肉鍋に使う豚肉は皮つきで、皮下脂肪が少なめの部位を厳選。だしの要となる酸菜は、温度管理した環境で発酵させた自家製で、包丁で糸のように細く刻んで使う。自然発酵だからこそのまろやかで優しい酸味と豚バラ肉の脂の甘みが溶け合ったスープは非常に美味。酸菜にはビタミンCと乳酸菌がたっぷり含まれており、美顔容効果があるというのも女性に喜ばれるポイントだ。
基本の鍋には、酸菜、豚バラ肉、凍り豆腐、カニ、カキ、干しエビ、シイタケなどが入っているので、好みで牛肉やラム肉、海鮮、野菜などを加えていこう。酸菜と肉の炒め物などの一品料理や中国北方に伝わる餅やクレープなどのデザートも人気。
台北市大安区仁愛路四段345巷4弄36号02-2752-9439
11:30-14:00、17:30-21:30
たれ代:1人NT$35/サービス料:10%/カード:可/予約:可
www.weiluhotpot.com.tw
※日本語メニューあり
石研室石頭火鍋
香ばしさがクセになる台湾風石焼鍋
台湾各地に支店を持つ「石研室」は、スタイリッシュなひとり鍋の店。看板メニューの「石頭火鍋」は台湾独特の鍋。スタッフが石鍋に油を熱し、玉ネギ、ニンニク、油で揚げたネギを炒めて香りを出し、さらに注文した鍋の肉やエビなどを炒めてからだしを注ぐスタイルだ。
完成したスープにその他の具を加えていただこう。おすすめのベーシックなだし「経典原湯」は、野菜と豚骨、鰹節がベース。食材を炒めてからだしを加えることで、より香ばしく濃厚な風味になる。
台北市信義区松智路17号B2F(微風南山B2F)02-2722-6692
11:00-21:30、木曜-土曜11:00-22:00
2人で鍋をシェアの場合、シェア費用別途NT$200追加/サービス料:10%/席利用:1.5時間/カード:可/予約:可
www.facebook.com/SYShotpot
呂珍郎清燉羊肉
ヤギ肉で体の奥からポカポカに!
「呂珍郎」は伝統的なヤギ肉の薬膳鍋「羊肉爐」をおしゃれな店舗で提供する人気店。定番の「清燉蔬菜羊肉爐」は彰化産のヤギ肉を使用。ヤギ肉とサケ、ハマグリを数時間煮込んだだしには、ヤギ肉と海鮮のうま味が溶け合う。具材のヤギ肉は脂身と赤身が二層になっており、柔らかな食感。臭みもなく、ヤギ肉初心者にも好評だ。予約すればハツやレバー、ホルモンなど希少部位もオーダー可。鍋のほかに、ヤギ肉の炒め物や煮込みなど、多彩なヤギ肉料理も楽しめる。
台北市内湖区金湖路4号02-8792-9989
17:00-23:00
ミニマムチャージ:NT$600/サービス料:10%/カード:可/予約:可
bit.ly/30hgTNb
十二籃粥火鍋
粥だしのユニーク鍋
MRT市政府駅ちかくの「十二籃粥火鍋」は、お粥をだしとして使うユニークな鍋で知られる。豚骨、赤身肉、干し貝柱、十穀米、台湾原生米、タイ産香米、カナダのワイルドライスなどを2時間煮込んだあと、米粒をすくい出しただしは、あっさり味ながらも栄養たっぷり。
まずはお粥スープをそのまま味わい、カニやエビなどの海鮮、続いてキノコや肉、野菜を加えていこう。鍋の締めには、素材のうまみがたっぷりのだしにご飯を加え、溶き卵とネギで仕上げたお粥がおすすめだ。
逸仙店
台北市信義区逸仙路50巷28号
02-2345-5330
11:30-22:00、日曜・月曜定休
サービス料:10%/カード:可/予約:可/席利用:2時間
www.12basket.tw
大頭鴨薑母鴨
台湾の冬の定番養生メニュー
薑母鴨は台湾の冬に欠かせない栄養たっぷりの鍋物。骨付きのアヒル肉のほか、漢方やショウガ、ごま油、米酒を加えて煮込んだスープに、好みの具材を加えていただく。MRT雙連駅近くの「大頭鴨薑母」は、冬になると席の予約が困難になる人気店。炭火を使う昔ながらの方法で仕上げたスープは口当たりがよく、初めての人にもおすすめだ。アヒルの肉団子や豆腐、野菜を加えたり、名脇役のゴマ油をからめた素麺「麻油麺線」もあわせてオーダーしたい。
台北市大同区承徳路二段108号02-2557-3770
17:00-2:00
ミニマムチャージ:1卓につきNT$350/予約:可
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