台南 レトロ散歩 ~リノベ建築スポット6選~

企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/張晉瑞・季子弘・宋育玫

台南 レトロ散歩 ~リノベ建築スポット6選~

 

台南 

レトロ散歩

台南は「台湾の京都」と呼ばれるほど歴史建築や古跡が多い街。近年は古い建物をカフェや民宿にリノベーションした施設が人気となり、年ごとにその数を増やしている。街の歴史に向き合ってきた建物が醸し出す懐かしい雰囲気は、台南そのものの空気を体現しているかのよう。リノベ建築をめぐりながら、レトロな台南散歩を楽しもう。

台南MAP

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レトロに買い物

戎舘 Yebisu Kan

昔の映画館が複合商業施設に

戎舘 Yebisu Kan

2021年1月にオープンした新スポット。建物の前身は日本時代の1935年(昭和10年)に開業した映画館「戎舘」で、当時は台南4大映画館のひとつに数えられ、劇場としても使用されていたが、60年代に閉館。90年代から入居する地元の大手食品メーカーにより建物が修復され、複合商業施設として生まれ変わった。

戎舘 Yebisu Kan

現在はチケット売り場なども再現され、開館当時の様子を思わせるレトロで趣のある姿を取り戻している。1階は飲食店や土産物が揃うショップ、2階は多目的スペースとなっており、買い物や休憩に気軽に立ち寄れる。館内のレトロなインテリアや装飾も必見。

戎舘 Yebisu Kan

戎舘 Yebisu Kan

台南市中西区中正路220号
06-229-5248
11:00-20:00
facebook.com/YebisuKan1935

 

林百貨

昭和モダンの面影を残す百貨店

林百貨

日本人の林方一氏が1932年に創業した「林百貨」は、台湾でもっとも早期にエレベーターを設置した百貨店のひとつで、台南のモダン時代を開いた立役者。戦時中に空爆を受けた影響で廃業し、戦後になると建物は他社の事務所として使用されていたが、1998年の市定古跡認定を受け修復が行われ、2014年に再び百貨店としてオープンした。

林百貨

正面入り口の陳列ケース、昭和スタイルなエレベーター、屋上の神社跡「末広社」など往時の面影が随所に残っている。館内には、台南特産の食品土産コーナーや、台南の服飾ブランドショップやクリエイティブショップのほか、レストランやカフェも揃い、「今の台南」に触れられるスポットになっている。

林百貨

林百貨

台南市中西区忠義路二段63号
06-221-3000
11:00-21:00
www.hayashi.com.tw

 

 

レトロに味わう

老厝一九三三

伝統建築で串焼きに舌鼓  

老厝一九三三

コの字型の伝統家屋「三合院」で、串焼きを中心とした料理が味わえる台湾風居酒屋。建物が1933年に建てられたことから、「一九三三」と名付けられた。室内の個室はいずれもレトロ感たっぷりで味わいのある空間になっており、開放的な屋外の席も人気がある。

老厝一九三三

老厝一九三三 台南

串焼きの種類は、肉、魚、野菜ともに豊富。注文してから焼き始めるため、テーブルに運ばれてくるまで30分ほどかかる。最初にまとめて注文して、先に運ばれてくるご飯ものやサラダをつまもう。おすすめは、白いご飯とラード、黄身、揚げネギ、醤油だれを混ぜる「猪油拌飯」。鰹節をまぶした玉ネギサラダも箸休めにぴったり。ビールを傾けながら談笑している間に串焼きが運ばれてきたら、もう一度乾杯しよう!

老厝一九三三

老厝一九三三 台南

台南市中西区北門路一段51巷27号
06-222-1466
17:00-01:00(ラストオーダー24:00)
サービス料:10%/予約:可(予約がおすすめ)
facebook.com/oldhouse1933

 

窄門咖啡

入口が見つけにくい古民家カフェ

窄門咖啡 台南

「窄門(狭い門)」という名を持つ隠れ家カフェ。有名観光スポット「孔子廟」東側の南門路を向かいに渡り、孔子廟を右手にアーケードに沿って進むと壁際に「窄門」の看板を見つけることができる。ここがカフェの入口への目印だ。その先にはわずか幅38㎝の細い通路が続いており、通路の途中から階段を上がると、ようやくカフェに到着する。このように狭くて分かりにくい入口が「窄門」の名前の由来となっている。

窄門咖啡 台南

建物は大正年間に建てられた古民家で、建物の構造だけでなく内装も昔のままの姿を良く残している。メニューはドリンクのほか、スイーツや食事メニューも揃っているので、時間帯に応じた利用が可能だ。窓から孔子廟の緑を眺めながら、ゆるゆる流れる台南時間を楽しみたい。

窄門咖啡 台南

窄門咖啡

台南市中西区南門路67号2F
06-211-0508
11:00-20:30、土曜・日曜10:30-22:00
ミニマムチャージ:1人NT$180
facebook.com/narrowdoor99

 

 

レトロに泊まる

新東亞旅埕

映画の世界でタイムトリップ

新東亞旅埕

築100年の建物は、1998年まで現オーナーの祖父が「新東亞大旅社」として経営していた元旅館。現オーナーは、旅館時代の外観や内装を保ちつつ、建物を民宿として再生させた。正面入り口をくぐると、人工大理石テラゾー仕上げのフロント、床や壁のレトロなタイル、可愛らしい鉄製の飾り格子「鉄窓花」、アンティーク家具などに彩られた、古い映画の中のような世界が広がっている。

台南 レトロ散歩 ~リノベ建築スポット6選~ 新東亞旅埕

宿泊階には、畳の部屋や伝統的な花柄布団の部屋、昔ながらのモザイクタイルの浴槽を備えた部屋など、異なる魅力をまとった客室が揃い、どの部屋に泊まるか選ぶのもうれしい悩みだ。街の歴史を見守ってきた建物の昔話に耳を傾けながら、しばしのタイムトリップを楽しもう。

新東亞旅埕 台南

新東亞旅埕 台南

新東亞旅埕 台南

台南市北区成功路68巷45号
0937-663-928
facebook.com/neaty01

 

艸祭Book inn

本の森に囲まれる宿泊体験

艸祭Book inn 台南

書店がテーマのホステル。前身は台南のカルチャーシーンで独自の地位を築いていた古書店「草祭二手書店」で、2017年に草祭二手書店が営業を終了したのち、現オーナーの手により古書店時代の蔵書はそのままに、ホステルに生まれ変わった。1階は図書閲覧室で、地下とつながる吹き抜けを囲んで本が陳列されており、古い建物の不思議な構造が楽しい空間になっている。

艸祭Book inn 台南

宿泊施設は本棚の間にベッドが設けられているエリアのほか、通常のドミトリールームも用意。ラウンジ、キッチン、屋上テラス、シャワールームなどの共用スペースは、デザイン性に富んだ現代的でお洒落な設計となっており、古い建物の味わいを生かしつつ快適に過ごせる工夫が凝らされている。図書館の中で本に埋もれながら眠るような宿泊は、わくわくする体験になるだろう。

艸祭Book inn 台南

艸祭Book inn 台南

台南市中西区南門路71号
06-222-2909
caoji.com.tw
※宿泊者以外も入館時の記帳と最短1時間以上の利用で1階閲覧室での読書が可能(無料)

 

 

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