食器 ― 暮らしの中にあるモノたち

食器 ― 暮らしの中にあるモノたち

企画構成/朱佳雯 文/朱佳雯・楊善文 写真/宋育玫・ZISHI Art・Truvii・HEE Porcelain

食器

台湾では今、伝統工芸の分野に新しい風が吹いている。新世代のデザイナーたちがクリエイティブな才能を発揮し、伝統の風土や文化が持つ魅力を積極的に取り入れているのだ。彼らが活躍の舞台としているのは、磁器やマグカップなど、普段の生活のなかにあるモノ。忘れ去られようとしていた暮らしの光景が、若き作家たちによって生き生きと甦りつつある。

 

 

只是ZISHI Art

手触りと暮らしの在り方にこだわりたいという張簡士揚(チャンチエン・シヤン)が立ち上げたブランド「只是ZISHI Art」は、モノづくりを基本に、台湾ならではの風土を受け継ごうとしている。

「只是ZISHI Art」は、アートのある暮らしがコンセプト。簡潔でリズム感あふれた手描きのアートが、ヨーロッパの美学と台湾の伝統を自在に融合させることによって、クラシックでありながらモダンという不思議な物語を紡ぎ出す。

張簡士揚の創作は、絵画や彫塑など多岐にわたるが、とりわけ人気を集めているのが白い紋様を使った磁器である。青地に白紋を描き出す元代の磁器にヒントを得て、猫・犬・金魚・兎という身近な生き物をデザインの主役に据えた。もともと高貴の象徴として龍や鳳凰を描いてきた中国の陶磁器だが、張簡士揚の手によって普段づかいの日用品に変身を遂げた。

またデザインに採用されている幾何学文様も印象的。「斜條紋」は駆け回る仔犬のスピード感を、「直條紋」は兎、「水波紋」は魚の動きが象徴されている。仔猫には「球」を追いかけさせ、楽しげに遊ぶ姿を描き出した。動物たちの姿は白抜きで描かれており、白磁が持つやわらかな質感が東方の美学を主張しているかのようだ。

只是ZISHI Art

只是ZISHI Art
只是ZISHI Art
www.zishiart.com

取扱店
達開想楽 台北巿中山区南京西路251号
好丘 台北市信義区松勤街54号(四四南村)
nest巣家居 台北市信義区菸廠路88号2F(松菸誠品)
参拾選物by Sense30 台北市中正区羅斯福路三段210巷10号

 

 

Truvii

Truvii

「Truvii」は「趣味」を意味し、ロゴにある「T」の文字は旺盛な生命力を持った草をイメージしたという。ふたつの「i」はイノベーションとインタレスティング。ブランド名「Truvii」はユーザーに素晴らしい体験を約束しているのだ。

小さな化学工場を営む家に育った陳昱達(チェン・ユダ)は、忙しく働く両親の背中を見て育ったが、週末は家族でキャンプに出掛けるのが習慣だった。建築学を専攻した陳昱達が家業を継ぐころ、台湾の産業はちょうど岐路に立たされていた。廃業も視野に選択を迫られたとき、陳昱達は大自然のなかで過ごした記憶がよみがえり、アウトドアブランドを立ち上げる決意を固めた。蓄積してきた経験を活かして、遊び心とデザイン性を備えたレジャー用品を生み出そうとしたのである。

Truviiは日常の生活用品にも進出している。EUや米国の安全基準をクリアした熱可塑性プラスチックを食器に採用したり、琺瑯製のコップに木製の取っ手を付けたり、優しい心遣いとこだわりの色彩が女性たちの支持を集めている。熱に反応する特殊なうわぐすりを使ったコップは、表面に描かれた桜が温度に合わせて花開くという楽しいしかけだ。

Truvii

Truvii
Truvii
www.truvii.com.tw

取扱店
手日生活 台北市大同区迪化街一段321号
百岳 台北市内湖区新湖三路125号
登山楽 台北市萬華区和平西路三段314号
登山友 台北市中山区中山北路一段20号

 

 

二喜 HEE Porcelain

温州街の路地に佇む「二喜」では、作品づくりにいそしむクリエイターの様子を間近で見ることができる。プロダクトデザインを専門とするリリと、空間デザインを得意とするビビアンという二人の女性が立ち上げたブランド。吉祥の漢字「囍」が店名の由来で、喜び、驚喜など作品に込めたい思いも表現しているという。

二喜 HEE Porcelain

陶磁器を趣味とする二人。いずれも台湾の伝統的なデザインを取り入れ、新しい魅力を生み出している。2015年に発表した「糕餅模」は、縁起物の「紅亀粿」や「緑豆糕」の形状を平皿や箸置き、スプーンに取り入れたシリーズ。「紅亀粿」には、スローフードというトレンドも加味されているという。2016年から17年にかけて、飾り窓を意味する「鉄窓花」シリーズをリリース。釉(うわぐすり)を削ることで図柄を浮かばせる高度な手法を使って人気を博した。面と線を組み合わせた厚みのある仕上がりも好評だ。

二喜 HEE Porcelain

二喜 HEE Porcelain
二喜 HEE Porcelain

「糕餅模(菓子を作る型)」シリーズでは、型を手彫りしている職人を中部に訪ね、オリジナルの木型を作ってもらったという。そこには匠の技を伝えたいという二人の信念が込められている。これからは白磁のみならず、色使いの多彩な作品や金属など新しい素材を組み合わせた作品にもチャレンジしたいと抱負を語る。

二喜 HEE Porcelain

台北市大安区温州街48巷4号1F
+886-2-2368-3120
12:00-19:00
www.heeporcelain.org

取扱店
台北市立美術館 台北市中山区中山北路三段181号
誠品信義店 台北市信義区松高路11号
来好商号 台北市大安区永康街6巷11号

 

 

食器 ― 取扱店マップ


 

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