タイワニーズ・スタイリッシュ ブランド5選
企画構成/朱佳雯 文/楊善文 写真/宋育玫
半世紀にわたるOEMの経験の上に、高度な技術と職人を育んできた台湾。現在その蓄積が、若いデザイナーの手でメイドインタイワンとして開花しつつある。特に伝統産業から発展した服飾・シューズ・眼鏡などの領域で、こだわりの細工を魅力とするブランドが登場し、若い人たちから評価を受けつつある。それをタイワニーズ・スタイリッシュと呼ぶ。
情熱を持ってこだわりの製品を作る気鋭のタイワニーズ・スタイリッシュ 5ブランドを案内しよう。
(OEM= original equipment manufacturer 他社ブランド製品を製造すること)
目次
POI
FOR: MEN/WOMEN
カスタムメイドのシャツ
店名POIは、オーナー呉柏儀さんの英語名。コマーシャルデザインを学んだ呉さんは、2010年の開店時、「カスタム」を経営コンセプトに、台湾のベテラン仕立屋に、裁断、アイロン、ミシン、縫い取り、縁処理を学び直すことから始めた。呉さんはPOIの縫製チームに、ハンドメイドの良さを伝えてほしいと考える。
POIはパターンのデザインをもとに自在にアレンジしてオーダーできるウェブサイトを提供している。自分の体型をもとに、サイズ、布、ボタン、色や模様などを自由に組み合わせることで、オリジナリティ溢れるシャツをデザインできる。バッグ、ドレス、クッション、乳児の腹掛けなど各種取り揃えているので、他にはない個性的な贈り物ができると人気が高い。
呉さんは台湾の裁縫技術を広めるために、熟練職人とともにシャツ、バッグを自製できる洋裁講座も開いている。
台北市士林区福徳路57巷25弄22号+886-2-2881-9686
予約制
www.poi.tw
林果良品
FOR: MEN
手作りシューズの時代
2006年にオープンした林果良品は、オーナー曽信儒の台湾靴製造業に対する信念から誕生した。子供の頃、母親の勤務先である靴工場の中を歩きまわるなかで、物づくりの魂に触れたという。文化資産保護課程の修士号を取得後、曽さんはまた革靴の世界に戻って、1970年代を振り返り、台湾の靴工芸を華やかな時代を再生させようと努力している。
日常の暮しでもっと革靴を使用してもらおうと、台湾のベテラン職人と協力して靴型のモデルを開発した。アジア人に多い幅広足をカバーする甲部分のブローグ、イタリア風スクエアトゥなどのベーシック要素やローファー、皮靴などのカジュアルスタイルを取り入れ、美観と機能性を両立させた。快適性を重視するメンズシューズも精巧な工芸品のような仕上がりに。林果良品は、カジュアルとフォーマルをバランスよくミックスしたブランドになった。
松菸文創パーク横の林果良品松菸店は、木と皮革で構成された店内に懐かしさが漂う。「猫職人の家」を自称するこの店は、入口の靴箱、ソファー、本棚からカウンターまでアットホームな雰囲気。窓辺に置かれた工具台では、随時ベテラン職人が座って靴作りを実演して見せてくれる。
台北市忠孝東路4段553巷46弄9号+886-2-2763-5055
12:00-21:30
www.oringoshoes.com
GIDER
FOR: MEN
ファッションの主役になる革靴
男性の靴選びも、もっと個性を大切に。そうしたコンセプトから林誌徳さんは2009年に紳士靴のブランドを立ち上げた。快適性ともに外観にこだわる靴作りを志して、打ち出したのがGiderだ。林さんは、台湾製手作りシューズを、単なる履き物でなく、男の格を上げる存在にしたいと願っている。
一から靴作りを学んだ林さんは、ヨーロッパ人用の靴では、幅広で肉厚の足を持つアジア人には合わないことに気づく。そこでベテラン職人と共に、型のデザイン、型の開発、皮革材料の選択から始めた。一枚のデッサン、一枚の皮革が、最後に紳士靴に仕上がる過程は、まさにスリリングだった。幅広でありながら、足の形をカバーするカーブを開発し、さらに通気性と快適性を高めるインソール材も練り出した。
品質の良さが口コミで伝わり、Giderはデパート出店へと発展を遂げた。現在、台北新光三越の信義新天地A11館内の店は、青、赤の二色のブランドカラーが際立つ、フロアでも最もおしゃれな店舗として人目を引いている。オックスフォード、ダービー、ブローグ、そして一体成形のWhole Cut革靴など、品揃えが豊富で、好みの色と皮革材料を選べる。紳士靴のイメージを一新させたショップである。
台北市信義区松寿路11号3階(新光三越A11)+886-2-2723-3038
11:00-21:30、休日の前日11:00-22:00
www.gider.tw
CLASSICO
FOR: MEN/WOMEN
レトロ調デザインのアイウェア
賑やかな信義区から路地を一本隔てた場所にCLASSICOはたつ。クラシックスクーターのVespaを愛するGaryとTomがオーナーを務める。一方は実家が眼鏡店だった。他方は子供の頃から近視で、趣味に合う眼鏡を探し求め続けていた。
2012年の開業以来レトロの魅力を追求しながら、文学青年らしい黒縁、1970年代の上品なメタル製ナイロール、アンティークなラウンド型フレームなど、アジア人の顔型、スタイルに合う定番商品を産み出してきた。もちろん、Vespaのラインと要素を取り入れたものもある。
「自分のオリジナリティとスタイルのある暮らし方をアピールしつつ、ややクラシカルな風格をもう一度デザインしたい!」 。CLASSICOはそうしたコンセプトから誕生した。温かみのあるフレームからは過ぎ去った日々の記憶が甦るようだ。
台北市信義区荘敬路178巷11号+886-2-2720-9935
平日14:00-21:00、休日12:00-21:00、月曜定休
www.classico.com.tw
Glasense studio 眼鏡工作室
FOR: MEN/WOMEN
アジア人専用アイウェア
店長のSa Lonは子供のころから眼鏡の愛用者。しかし台湾に「手頃な価格で親しみやすいデザインの眼鏡」がないと感じ、なんと自ら眼鏡作りを始めたという。一人の眼鏡職人として、アジア人の鼻と顔の形に合い、しかも形、工芸、価格の三つの魅力をアピールできるフレームの開発に取り組んできた。台北市東部の繁華な路地裏にたつ6坪の小さな店には、自分色の眼鏡を求めて多くの客が集まる。
開発以外に、Sa Lonさんは「予約制のアフターサービス」にこだわる。耳の曲線、厚み、鼻の高さなどを測って、細かく調整することで、使用者の鼻と顔の形にぴったりと沿うフレームが実現するという。「かけ心地がよいものこそ美しい」。これが人気の秘密のようだ。
台北市大安区敦化南路一段161巷71号+886-2-2771-2800
14:00-22:00
www.facebook.com/glasense
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※掲載情報は取材時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。