金瓜石 自然歩道 鉱山遺産と山海の絶景

企画構成/高田雅子 文/高田雅子 写真/宋育玫

金瓜石 自然歩道 鉱山遺産と山海の絶景

 

金瓜石自然歩道

鉱山遺産と山海の絶景

台湾本島北端に位置する新北市瑞芳区金瓜石は、海に面した山の町。日本時代には金と銅の産地として繁栄を極め、いまも山中のあちこちに鉱山遺跡が残る。初心者向けからベテラン向けまで、何本ものコースがそろう人気のハイキングスポットでもある。近隣の九份と合わせて半日で楽しむのもよし、しっかり山歩きを楽しむのもよし。緑の山で過ごす休日に出かけよう!

往路:MRT忠孝復興駅から1062バスで「勧済堂」下車(所要時間約90分)、徒歩で各スポットへ
帰路1:黄金博物館から1062バスでMRT忠孝復興駅下車
帰路2:黄金博物館から965バスでMRT北門駅下車
1062バス時刻表 bit.ly/2EoqKYN
965バス時刻表 bit.ly/3gcaKqX

 

 

10:00
ハイキングに出発!

朝8時半にMRT忠孝復興から1062バスに乗って90分ほどの終点「勧済堂」でバスを降りたら、まずは旅の安全祈願へ。勧済堂は金瓜石地区を守護する関聖帝君(関羽)を祀る廟。本殿前に立つと、山を背に海を臨む巨大な関羽像の迫力に圧倒されるだろう。像は純銅製で高さ10.5m。左手に持つ書物だけでも高さ1.5mもあり、総重量は25tを越えるという、東南アジア最大の関羽像だ。参拝を済ませたら、ハイキングに出発しよう!

金瓜石 勧済堂

金瓜石 勧済堂

金瓜石勧済堂
新北市瑞芳区祈堂路53号
6:00-21:00
※お手洗いあり

 

 

10:30
映える写真を撮ろう!

最初のハイキングは、勧済堂わきの道を3分ほど上がったところにある「報時山歩道」から。海抜260mの「報時山」の名前は、日本時代に一定の間隔で鳴らされていた警報器に由来するという。「報時山展望台」までは歩道入口から3分もかからず到着できる。短距離で歩きやく、小さな子供でも手軽にアクセスできる絶景スポットだ。展望台に立つと、基隆山、無耳茶壺山、陰陽海、十三層遺跡、金水公路などの有名スポットが目の前に勢ぞろい。

報時山歩道

報時山歩道 廃墟

駐車場わきには鉱山の運搬に使用されていた軌道も残っている。駐車場を背に道路を進んだ右手にある古いトンネルは、「千と千尋の神隠し」を思わせる風景として人気を集めている。秋のススキの季節になると、山の斜面が黄金色に包まれ特に美しい。

鉱山の運搬用軌道

鉱山の運搬用トンネル

報時山歩道
新北市瑞芳区金瓜石銅山里祈堂路
「勧済堂」バス停から展望台まで166m、徒歩約5分
MRT忠孝復興駅から1062バスで「勧済堂」下車

 

 

11:30
ご当地グルメに舌鼓

報時山歩道から勧済堂に戻ってきたら、すぐそばの人気食堂で昼食を。名物はタチウオのから揚げとホクホクのタロイモに、太めのうどんのようなビーフンを合わせたスープ「白帯魚米粉湯」。塩ベースのスープにセロリがアクセントとなり、見た目よりあっさりいただける。タチウオのから揚げは香ばしく美味だが、大きな小骨があるので注意しよう。おかずには、ワサビ味のイカのから揚げ「炸透抽」がおすすめ。

白帯魚米粉湯

白帯魚米粉湯

白帯魚米粉湯
新北市瑞芳区祈堂路43号
02-2496-1458
11:00-15:00、土曜・日曜9:00-17:00

 

 

12:30
看板のないカフェで一服

金瓜石 Cafe & me

時山歩道から黄金博物館に続く祈堂路ぞいにひっそりと佇む古民家カフェ。看板がないので、気が付かなければ通り過ぎてしまうだろう。通りから階段を上がると、そこは緑に包まれた前庭。裏山から涼やかな風が吹き抜け、花や緑の葉が揺れる静かな空間は、まるで別の世界のよう。建物内は古い家具や本が置かれ、レトロな雰囲気。カフェでは軽食メニューのほか、ドリンクを提供している。ドリンクを片手に窓の外に広がる自然を眺めるのも気持ちがいい。

オーナーは奥のカウンターでカフェを切り盛りしている

オーナーは奥のカウンターでカフェを切り盛りしている

Cafe & me

Cafe & me

Cafe & me
新北市瑞芳区祈堂路99号
0916-036-633
12:00-19:30

 

 

14:00
黄金博物館から絶景歩道へ!

金瓜石 黄金博物館

カフェから3分ほど歩くと「黄金博物館」に出る。日本時代の宿舎跡や坑道跡もある黄金採掘がテーマの博物館だ。黄金博物館から「黄金神社歩道」を20分程登ると日本時代の神社跡「黄金神社遺跡」に到着する。1933年建立の本殿はいまはなく、鳥居二基、三対の石灯籠、数本の殿柱などに往時の面影を見ることができる。

金瓜石 黄金神社遺跡

金瓜石 黄金神社遺跡

ここから続く「本山歩道」は勾配が険しいが、左手に可愛らしい茶壺(急須)の形をした無耳茶壺山を眺めながら楽しく歩くことができる。

金瓜石 がんばろう!

金瓜石 無耳茶壺山は急須の形!

無耳茶壺山は急須の形!

体力があれば、斜面を登り切った歩道の分岐点から貂山古道方面へ登る、通称「無敵海景歩道」と呼ばれる区間へも、少しだけ足をのばしてみよう。最初の階段を登って振り返ると、どこまでも海が広がる絶景が堪能できる。

海抜約500mの無敵海景歩道の絶景

海抜約500mの無敵海景歩道の絶景

金瓜石 海抜約500mの無敵海景歩道の絶景

分岐点へ戻り、そこからゴールの「本山礦場」までは緩やかな勾配の道を歩いて5分ほど。本山礦場は金瓜石地区最大の露天採掘場だったところ。谷に切り出されたサイコロ状の岩が整然と並ぶ不思議な光景が、近年SNSで人気の撮影スポットとして注目されている。

本山礦場

本山礦場

 

 

16:30
黄金博物館前から台北へ帰還

下山後は時間があれば黄金博物館を見学し、九份方面行きバス停から1062バスか965バスで台北市内に戻ろう。

金瓜石 日本家屋の宿舎跡の四連棟

黄金博物館
新北市瑞芳区金瓜石金光路8号
02-2496-2800
9:30-17:00、土曜・日曜・祝日9:30-18:00、最終入場閉館30分前、毎月第1月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)
NT$80
www.gep-jp.ntpc.gov.tw

黄金神社歩道
新北市瑞芳区金瓜石金光路(黄金博物館敷地内)
黄金博物館から黄金神社まで約650m、上り徒歩約20分

本山歩道
新北市瑞芳区

1.黄金神社から無敵海景歩道まで約500m、上り徒歩約25分
2.無敵海景歩道から本山礦場まで約250m、上り片道徒歩約5分

本山礦場
新北市瑞芳区(金瓜石地質公園内)

 

 

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金瓜石 歩道 ハイキングマップ

 

 

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